大手機関投資家は米国債離れ、高格付けMBSや社債を有望視

年初の米国債の好パフォーマンスを受け て、大手機関投資家は米国債を売っている。最高格付けの住宅ローン担保証券 (MBS)、社債のリターンが米国債を上回ると予想している。

債券ファンド最大手、米パシフィック・インベストメント・マネジメント (PIMCO)やブラックロックは、1200億ドル(約12兆8000億円)規模 の相場上昇の後に、米国債の売りに回っている。キャンター・フィッツジェラ ルドによると、米30年債の利回りは先週一時、18ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下し4.10%と、定期的な30年債入札が始まった1977年 以来で最低となった。

米国債に代わる投資先として浮上したのは、連邦機関のファニーメイ(連 邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)が保証するMB Sだ。これらの証券の利回りは同年限の米国債を平均で97bp上回っている (メリルリンチ調べ)。住宅ローン延滞への懸念が高まる前の1年前は、スプ レッド(利回り格差)は46bpだった。

タッターサール・アドバイザリー・グループで運用に携わるロバート・ カルホーン氏は、国債以外の債券は「非常に割安に見えるし、最終的に当局の 積極的な利下げの恩恵を受けるだろう」と話す。

最も人気の高い証券の1つは、ファニーメイのMBS(表面利率5.5%、 2038年償還)だ。利回りは現在、多くの住宅ローンにとって指標となる米10 年国債を156bp上回り、過去5年の平均の115bpに比べ有利になっている。

フェデレーテッド・インベスターズのファンドマネジャー、ジョゼフ・バ レストリノ氏は、ネットワーク機器大手のシスコシステムズやソフトウエア大 手のオラクルの社債を購入している。理由はファニーメイMBSと同じだ。ハ イテク企業の社債のスプレッドは過去1年にほぼ2倍になり、186bpに達し ている。「かつては有毒廃棄物だったハイテク企業だが、今は安全な逃避先 だ」とバレストリノ氏は話した。

PIMCOの投資責任者、ビル・グロス氏はシティグループやバンク・オ ブ・アメリカ、ワコビアなどの発行する金融債のスプレッド(約200bp)は 魅力だと言う。「これらはほぼ絶対につぶれない会社だ」と同氏は指摘した。 同氏は、米国債から連邦機関保証のMBSや金融債へと投資先を広げていると 述べた。PIMCOのウェブサイトによると、グロス氏のトータル・リター ン・ファンドは2007年12月に、投資適格級社債の組み入れ比率を4年ぶり高 水準の13%と、前月の12%から引き上げた。

メリルリンチによると、米国債投資の年初来リターンは2.65%。昨年6 月半ばからでは11.8%となる。米国のサブプライム(信用力の低い個人向 け)住宅ローン危機のなかで質への逃避が進んだ。イートン・バンス・マネジ メントで運用に携わるスチュアート・テーラー氏は「相場上昇は基礎的な価値 とはほとんど無関係だ」と指摘する。同氏はファニーメイのMBSを買ってい るという。

先週は、10年債(表面利率4 1/4%、2017年11月償還)の利回りは8b p低下し3.55%で終了した。米連邦公開市場委員会(FOMC)は22日、01 年以来で初の緊急利下げでフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を

0.75ポイント引き下げ3.5%とした。先物市場のトレーダーは30日に少なく とも0.25ポイントの追加利下げがあることを確実視している。

ブラックロックの米債共同責任者アンドルー・フィリップス氏は「米国債 相場は先走って」上昇し過ぎたと考えている。同社は連邦機関保証のMBS とスーパーシニアの格付け「AAA」の商業用不動産ローン担保証券、高格付 けの社債を購入する計画だと述べた。

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