仏ソシエテの「ローグトレーダー」、パリ警察で取り調べ続く

未承認取引によって仏銀ソシエテ・ジェネ ラルに49億ユーロ(約7680億円)の損失をもたらしたジェローム・ケルビエ ル氏(31)は、さらに1日、パリ警察で取り調べを受けることになった。

パリ検察当局の報道官イザベル・モンターニュ氏は「ケルビエル氏の拘置 期間はさらに24時間延長された」と述べた。検察は28日午後までに、同氏を 起訴するかどうかを決める。

ソシエテは25日夕、ケルビエル氏の情報を捜査当局に渡した。ソシエテに よると、ケルビエル氏は欧州の株価指数に連動した先物に投資し、架空の取引 によってこれを相殺していた。

ソシエテによると、18日に欧州株が約2%下落となったために、ケルビエ ル氏の上司らが不審なポジションに気付いた同日夕方には14億ユーロの損失が 出ていた。同社は21日にポジションを解消し始めたが、同日の欧州株は平均で 7%安となり、損失は49億ユーロに膨らんだ。ソシエテのダニエル・ブトン会 長は仏紙フィガロにこれらの数字を明らかにし、同社はその内容を肯定した。

モンターニュ氏によると、パリ警察の金融担当部門は26日にケルビエル氏 への取り調べを開始した。ケルビエル氏は26日午後2時ごろパリ南東部の警察 署に到着したという。フランスの法に基づき、検察は起訴するかどうかを決め るまでに2回、容疑者を拘置することができる。パリの金融関連主任検察官ジ ャンミシェル・アルデベール氏は記者団に、「取調べは非常に有用だった」と し、「順調に進んでいる」と述べた。

検察当局によると、ソシエテは24日、「31歳の人物」を文書偽造や偽造文 書を使った自動システムへの侵入でナンテールの検察当局に告訴した。事件の 管轄は25日にパリに移され、パリ警察は同日、ケルビエル氏のアパートやソシ エテの本社を訪ねたという。

ソシエテの広報担当者によれば、同社は捜査に協力し文書を提出している。 ケルビエル氏の弁護士は、同氏は不正を行ってはいないと述べた。ソシエテ株 は年初に比べ25%下落し、時価総額は340億ユーロに減少している。サルコジ 仏大統領の特別顧問、アンリ・グアイノ氏はLCIテレビで、「この状況を利 用して利益を得ようとするものがあれば、仏政府は黙認しない」と述べた。

ソシエテは世界株式・デリバティブ(金融派生商品)ソリューション共同 責任者のルック・フランソワ氏とリソース部門責任者のジャンピエール・ルサ ージュ氏がケルビエル氏の取引の責任を取り退社すると発表した。

法人・投資銀行部門最高経営責任者(CEO)のジャンピエール・ムステ ィエ氏は辞意を示したが、ブトン会長に慰留されたという。同氏は昨年の賞与 を返上するが、他の従業員の賞与が一律に減額されることはないと述べた。

ソシエテ幹部が匿名を条件に述べたところによると、ケルビエル氏は同社 内に架空の企業を作り、ほぼ1年にわたって自身の取引をこの架空企業の取引 で相殺していた。一取引相手との取引上限額が最近変更されたことを知らずそ れを超えたために、最終的に不正が発覚することになったという。

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