東京外為:円弱含み、日米株堅調でリスク回避緩和-107円台前半

午前の東京外国為替市場では円が弱含み。 ドル・円相場は1ドル=107円台前半と、円が前日の高値105円95銭(ブルー ムバーグ・データ参照、以下同じ)から大きく水準を切り下げて推移した。米 ブッシュ政権が打ち出した景気刺激策の進展を受けて日米の株価が堅調に推移 していることから、リスク回避の動きが緩和するとの見方を背景に円売り・高 金利通貨買いに圧力がかかった。

新光証券の林秀毅グローバルストラテジストは、ブッシュ政権の景気策に ついては、危惧(きぐ)されていた議会の承認を得られたことで、進展スピー ドへの期待感からリスク投資の収縮に歯止めがかかる格好になったと指摘。「こ の日は日本株が落ち着いて推移していることから、円売りに安心感が生じてい る」としている。

円の戻り安値を模索も

米国では金融当局が22日に緊急の大幅利下げに踏み切り、24日にはブッシ ュ政権が米下院指導者と戻し減税や企業の設備投資優遇など一連の景気刺激策 で合意。サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンに絡んで噴出した 諸問題に財政・金融両面で対策が打たれたことで、パニック的なリスク投資か らの資金引き揚げ連鎖はいったん落ち着きを取り戻している。

24日の米国株式相場は大幅続伸し、外為市場では低金利の円が売られ、高 金利通貨に資金が向きやすくなるリスク選好的な動きが活発化。この日の東京 市場でも、日経平均株価が堅調に推移していることから、円弱含みの地合いが 継続しており、ユーロ・円相場は一時1ユーロ=158円43銭と、16日以来の円 安値を付けている。

ドル・円相場は23日の取引で一時104円97銭と、2005年5月以来の水準 までドル安・円高が進んだが、市場では「105円割れの局面で意外にドルが下げ 渋ったとの感触が強く、再度ドルの下値を試すようなエネルギーは戻りにくい」 (UBS銀行外国為替部・牟田誠一朗ディレクター)との指摘が聞かれている。

また、この日は決済集中日にあたることから、「国内輸入企業からのドル 買い需要が優勢になる可能性がある」(牟田氏)ともいい、需給面からのドル 下支え要因も相まって、107円32銭までドル高・円安が進む場面がみられてい る。

米金利先安観がドルに重し

半面、米景気刺激策の進展を受けて、ドルへの資金回帰の動きが鈍ったう え、欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのウェーバー独連銀総裁が利 下げ観測をけん制する発言をしたことから、ユーロ・ドル相場は前日の海外市 場で一時1ユーロ=1.4779ドルと、16日以来の水準までユーロ高・ドル安が進 行。この日の東京市場でも引き続き1.47ドル台後半で推移している。

ウェーバー総裁は、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)が開かれ ているスイスのダボスでブルームバーグ・ニュースとのテレビインタビューに 答え、「われわれは景気見通しについては楽観的で、この見方が変わらない限 り、政策金利は引き続き緩和的であり、引き締め的だということは決してない」 と述べた。

来週は30日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて、「市場では0.5 ポイントの追加利下げが見込まれており、欧州との金利差を背景としたドル安 圧力が意識されやすくなる」(新光証・林氏)との指摘も聞かれている。

国内物価の上振れは「日銀シナリオ通り」

一方、この日の午前8時半に発表された国内の物価指数は予想を上回る内 容となった。また、日本銀行が発表した金融政策決定会合(12月分)の議事要 旨では、多くの委員が「石油関連製品や食料品価格の上昇などにより、最近、 消費者マインドが慎重化している」と指摘。先行きの消費について「注意して みていく必要がある」との見解を示している。

ただ、物価指標の強含みについて、市場では「日銀はかねてからCPI(消 費者物価指数)が上振れていくとの予想を立てており、シナリオ通りの内容」 (三菱UFJ信託銀行資金為替部・清水昭男グループマネージャー)として、 冷静に受け止められた。

また、新光証の林氏は、「日本の景況感が悪化している状況下でのインフ レ率上振れということで、利上げ期待には全くつながらない」としたうえで、 円の買い材料になりにくいと説明している。

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