首相:原油高・株安で国際協調提唱へ-26日にダボス会議で演説(4)

福田康夫首相は26日、スイスで開催中の 世界経済フォーラム(ダボス会議)年次総会で演説を行い、最近の原油価格高 騰や世界的な株安の連鎖を含む経済情勢に関する国際的な協調の重要性を提唱 する方針。町村信孝官房長官が25日午前、閣議後の記者会見で明らかにした。

気候変動を主要テーマに各国の政財界のリーダーなどが自由に討論、演説 などを行う2008年のダボス会議は23日、スイス東部のダボスで開幕。日本政 府は当初、7月の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)の議長国として、 福田首相のダボス会議での演説では、日本がサミットの主要議題に据える地球 温暖化対策を前面に打ち出す方向で調整を進めてきた。

しかし米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題 の国際金融市場への影響が深刻化。米欧のみならず日本を含むアジアなどの世 界同時株安が急速に進み、原油高と相まって、世界経済は混迷を深めている。

このため福田首相は2月9日に東京で7カ国財務相・中央銀行総裁会議 (G7)が開かれることも踏まえ、ダボス会議では温暖化対策に加え、国際金 融市場の安定化に向けた各国の緊密な連携を訴えることで、日本の強い指導力 を全世界に発信する狙いがあるものとみられる。

日本の現職首相のダボス会議出席は01年の森喜朗氏以来となり、福田首 相の意気込みがうかがえる。

開幕したダボス会議では、世界経済の足を引っ張りかねない金融市場の混 迷について、米国の元財政当局首脳や投資家などから米国などの中央銀行に対 する批判などが相次いでいる。サマーズ元米財務長官はパネルディスカッショ ンで「過去数年間のバブルの認識と政策や規制面での対処方法に関して、中銀 に高得点を与えることは困難だ」と発言した。

投資家のジョージ・ソロス氏も、住宅ローン関連証券など「中銀は新たな 金融商品を理解せぬまま、そうした商品の開発を金融機関に認めたため、状況 を制御できなくなった」と批判した。

一方、みずほ総合研究所のシニアエコノミスト、山本淳氏は、「日本にで きる国際協力は非常に限られている」と指摘。その上で、米連邦準備制度理事 会(FRB)が実施した緊急利下げを念頭に、「日本も金利を下げないと、国 際協調の輪の中に入っていけないのではないか。現在、利上げよりも利下げ期 待のほうが高まっている」と語る。

福田首相は25日夕、スイスに向けた出発前、官邸で記者団に、世界同時 株安への対応としてダボス会議で発信したいメッセージについて、「まず日本 自身がしっかりと経済運営することが大事だ。そしてそれぞれの国がそのよう に経済運営することが一番だ」と言明。その上で「米国が一番大きな責任を持 っているが、一国で世界同時株安に対応できない。主要国が互いに相談しなが ら、全部がいちどきに対応することが大事ではないか」と語った。

首相は25日の衆院予算委員会で、ダボス会議で行う演説に関して、「世 界の温室効果ガス排出国が参加する枠組みをつくらなければならない」と語り、 2012年までの温室効果ガス削減目標を定めた「京都議定書」に代わる新たな枠 組への全主要排出国の参加を実現するため、日本が指導力を発揮する方針を表 明する考えを示した。

25日付の日本経済新聞によると、福田首相は26日のダボス会議での演説 で、温暖化防止策の一環として環境・エネルギー分野の研究開発投資に今後5 年間で250億ドル(約2兆7000億円)規模の資金を投入する方針を表明する 方向。また共同通信は24日、首相はこの演説で、途上国に対して今後5年間 で総額100億ドル(約1兆500億円)の支援策も打ち出す。

--共同取材:John Fraher, Simon Kennedy, Michael McKee Editor: Keiichi Yamamura, Hitoshi Sugimoto

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