自民党議連:金融緩和や株式譲渡益・配当課税の一時免除を提言(3)

自民党の「資産効果で国民を豊かにする議 員連盟」(会長・山本有二前金融担当相)は24日、混乱している金融市場を安 定させ、日本経済の腰折れを回避する具体策としてゼロ金利政策の復活や政府 系ファンドの設立などを盛り込んだ5項目の緊急提言を取りまとめ、町村信孝 官房長官に提出した。同日午後、官邸で山本会長が記者団に明らかにした。

提言では「個人消費・資産の増大策や労働分配率向上促進策を早期に検討 実施する」よう求めているほか、「一段の金融緩和政策を日本銀行に期待する」 としてゼロ金利政策の復活を掲げている。また、公的資産を有効運用する政府 系ファンドの設立や来年度予算の年度内成立も明記。企業ガバナンス(統治) 強化のための独立取締役の導入・委員会設置会社への転換も訴えている。

米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題を発端とする米 景気減速懸念の高まりと世界的な金融資本市場の動揺を受けて、連鎖的な株安 に見舞われ、22日の日経平均株価は終値ベースで約2年4カ月ぶりに節目の1 万3000円を割り込んだ。

提言の添付資料では、株価対策として日経平均株価が1万8000円台を回復 するまでの当面の間、株式譲渡益課税と配当課税を免除するなどの大胆な施策 を打ち出す必要性を指摘。個人投資家が株式に投資しやすい環境を整えるため、 民間金融機関に対し、手数料の免除や軽減の検討も求めている。

また、企業やサラリーマンの活力を取り戻すための税制改革として、役職 員給与増加分の一定割合を税額控除する「労働分配促進税制」や、今年度中に 投資した設備を初年度に一括損金算入する「設備投資減税」の導入を提起。海 外からの投資を促すために外資の出資規制見直しも盛り込んだ。

山本氏は町村長官に対し、個人の株式資産について「昨年末の90兆円が現 在では75兆円と15兆円もの評価損が発生している。個人消費を高めようとい う時期に水を浴びせるような現状に対して、思い切った景気対策を実施するよ う内外へのメッセージを強化してもらいたい」と要請した。

山本氏によると、町村長官は譲渡益課税・配当課税をゼロにするくらいの 勇気ある行動を党内でされてもよいと述べる一方、金融政策に関しても、日銀 に機動的に対応してもらうようメッセージを送る必要性を指摘。政府系ファン ドの設立についても今後検討していくことで一致したという。

同議連は「日本版政府系ファンド」の成立を目指して昨年12月に発足。安 倍晋三前首相や塩崎恭久前官房長官、尾身幸次前財務相ら安倍前政権の中枢を 担った閣僚をはじめ58人が名前を連ねている。

みずほ証券の清水康和シニアマーケットエコノミストは「これらの政策は 付け焼き刃的な感があり、日本経済にとって真に必要な経済政策について熟慮 した結果とは言い難い」と指摘、「与党は経済が必要とする長い目を持った成長 政策を打ち出せず、日本株の低迷は続くだろう」と述べた。

--共同取材 藤岡 徹 Editor:Hitoshi Ozawa、Masaru Aoki

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 下土井京子 Kyoko Shimodoi +81-3-3201-3142 kshimodoi@bloomberg.net 東京 氏兼敬子  Keiko Ujikane +81-3-3201-7311  kujikane@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net

David Tweed +81-3-3201-2494 dtweed@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE