日本株(終了)連騰、モノライン救済計画で不安和らぐ-金融上げ顕著

東京株式相場は大幅続伸。23日の米国で 金融保証会社(モノライン)の救済計画が浮上したことを受け、金融システム の信頼回復につながるとして、銀行や保険、証券といった金融株中心に買われ た。米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題のさらなる深刻 化を免れるとの期待から、不動産株を買い戻す動きも目立ち、米利下げによる 景気浮揚の期待や外国為替市場における円相場の落ち着きなどから、トヨタ自 動車やキヤノンなど輸出関連銘柄も高い。東証1部の9割近くが上昇した。

日経平均株価の終値は前日比263円72銭(2.1%)高の1万3092円78銭、 TOPIXは34.52ポイント(2.8%)高の1284.45。東証1部の売買高は概算 で26億1795万株、売買代金は同3兆555億円、値上がり銘柄数は1544、値下 がり銘柄は154。東証業種別指数(全33指数)は29が上昇、下げたのはパル プ・紙、その他製品、電気・ガス、医薬品の4つ。

田辺経済研究所の田辺孝則代表は、22日の米連邦準備理事会(FRB)に よる緊急利下げはタイミング的には遅れた感があるとしつつも、フェデラルフ ァンド(FF)金利の引き下げ幅は0.75%と大きく、「短期的には金融緩和を 評価した買い戻しが継続しやすい状況にある」と話した。

もっとも、28日のブッシュ大統領による一般教書演説で詳細が明らかにさ れるとみられる財政対策、29-30日に開催される米連邦公開市場委員会(FO MC)での追加利下げの有無などを受けた市場の反応を見極めたいとして、 「投資家による新規の実需買いは依然手控えられている」(同氏)そうだ。

米株は急反発、午後はアジア株高が支えに

23日の米株式相場は急反発。一時300ドル以上下げていたダウ工業株30 種平均は、298.98ドル(2.5%)高の12270.17ドルで終えた。米ベアー・スタ ーンズが、歴史的にFRBが積極的な利下げ姿勢を見せている時は大手銀の株 価が堅調に推移する傾向にあるとして、大手銀の株式に買いを推奨し、JPモ ルガン・チェースやシティグループなどが買われた。モノラインの救済計画も 追い風となり、金融株は5年ぶりの大幅上昇を記録。

米株高の流れを引き継ぎ、この日の日経平均は買い先行で始まった。朝方 の買い一巡後も堅調に推移、昨日高値(1万3063円)を上抜けて反発力を試 す展開が続いた。午前10時半ごろには米シカゴ先物市場(CME)の日経平 均先物3月物の23日清算値(1万3095円)を上回り、305円高の1万3134円 まで上げ幅を拡大したが、午前終了にかけてやや伸び悩んだ。

午後に入ると、「シンガポール取引所(SGX)の日経平均先物で持ち高 整理の売りが先行した」(豊証券の菊池由文取締役)ことをきっかけに、先物 主導で上げ幅を縮小して開始。ただ、香港やインドなどアジア地域の株価が総 じて上昇して始まったことから、投資家心理が徐々に上向き、再び買い戻しが 優勢となった。

モノライン悪化は世界金融のリスクだった

ニューヨーク州の保険監督当局は23日、米銀行と会合を持ち、金融保証 会社の資本増強について協議した。増資によって、最大手MBIAなどの金融 保証会社の「AAA」格付けが維持され、2兆ドル(約210兆円)規模の保証 対象証券への信頼低下に歯止めがかかる可能性がある。

みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員・株式運用第2部長によると、米 国の金融機関だけでなく、日本を含めた世界中の保険会社や銀行などでも、保 有する証券化商品でモノラインの保証を利用しているものがあるとみられるだ けに、「モノラインの経営悪化は世界の金融機関にとって大きなリスク要因に なる」という。

3大金融グループが5%超上げる、三井不は10%高

三菱UFJフィナンシャル・グループなど3大金融グループがそろって 5%超上昇し、ミレアホールディングスや損保ジャパンなど保険株、野村ホー ルディングスや松井証券など証券株、オリックスや武富士などその他金融株も 高い。また、三井不動産が10%高、三菱地所が8%高など不動産株の上昇も顕 著で、東証不動産株指数は7.7%高と業種別指数の上昇率トップに立った。

みずほ投信の岡本氏は、信用格付けの引き下げが相次いでいたモノライン について、米当局が増資などで対応する可能性が出てきたことで、「世界的な 金融システム不安が和らぎ、金融株が一斉に買い戻された」と話した。また、 米住宅問題の一段の深刻化をひとまず回避できるとして、「不動産株にもショ ートカバーが入った」という。

D&Mや千代建が大幅高、アドテストは9%超下げる

個別の材料銘柄では、約49%の株式を保有する米系投資ファンドが持ち株 を売却する方針を固めたと一部で報道されたディーアンドエムホールディング スが、午後の売買再開後に急騰。07年3-12月の連結業績が順調として、ゴ ールドマン・サックス証券が投資判断を引き上げたカワチ薬品、販売価格の引 き上げやニット糸の海外販売増加により07年11月期の連結純利益が従来計画 を上回った日本毛織はともに10%超上昇し、東証1部の上昇率ランキング上位 に並ぶ。UBS証券が投資判断を引き上げた千代田化工建設は8.6%高。

半面、半導体テスターの受注低迷が続き、08年3月期の連結営業利益が前 期比4割減と会社計画を下回る見通しと24日付の日経新聞朝刊が伝えたアド バンテストが9.2%続落し、連日で昨年来安値を更新した。取引金融機関から 資金提供や借入金の借り換えについて保留を示唆されたなどと発表した田崎真 珠はストップ安(値幅制限の下限)売り気配のまま終えた。

転換社債の発行総額を減額すると発表したアーバンコーポレイション、行 政処分の影響で07年4-12月期の連結営業損失が膨らんだ小林洋行も大幅安。 クレディ・スイス証券が目標株価を引き下げた任天堂は反落。

新興市場は3指数とも続伸

国内新興市場は、東証1部銘柄がほぼ全面高となった影響を受けて、主要 3指数がそろって続伸した。ジャスダック指数の終値は前日比0.51ポイント (0.9%)高の60.64、東証マザーズ指数は22.08ポイント(3.6%)高の

641.93、大証ヘラクレス指数は27.28ポイント(2.9%)高の977.83で終えた。

個別では、楽天、SBIイー・トレード証券、ACCESS、ダヴィン チ・アドバイザーズといった時価総額上位銘柄が買われた。アニメ関連商品を 販売する同業のアニメイト(東京都豊島区)と資本・業務提携すると発表した ブロッコリーは大幅続伸。半面、インデックス・ホールディングス、テレウェ イヴが安い。東証マザーズから東証と名証の1部または2部に上場市場を変更 することに伴い、公募増資とオーバーアロットメントによる売り出しを行なう と発表したダイセキ環境ソリューションは急反落。

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