12月貿易黒字額は前年比20.9%減、2カ月連続-米国向け輸出低迷(5

昨年12月の日本の貿易黒字額は、原油輸 入価格の高騰が輸入金額を押し上げたため、前年同月比で2カ月連続の減少と なった。輸出はアジアや欧州連合(EU)向けが堅調に推移したものの、景気 減速が鮮明になりつつある米国向け輸出が4カ月連続で減少したことなどか ら1けた台の低い伸びが続いており、外需主導の景気回復に陰りが出始めた。

財務省が24日発表した貿易統計速報(通関ベース)によると、12月の貿 易黒字額は前年同月比20.9%減の8779億円。輸出額は同6.9%増の7兆4373 億円、輸入額は同12.1%増の6兆5594億円で過去最高を記録した。ブルーム バーグ・ニュースがエコノミスト37人を対象に事前調査したところでは、12 月の貿易収支(原数値)の黒字額は予想中央値で9500億円が見込まれていた。

原油高による輸入額の増加は、コスト増を通じて企業収益を圧迫するほか、 賃金上昇が足踏みする中で生活必需品の値上げによって個人消費を低迷させ るリスクを増大させる。一方で、サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅 ローン問題の影響に伴う米国の景気減速を背景とした対米輸出の減少は、外需 にけん引されている日本経済の足を引っ張りかねない状況だ。

12月の対米輸出額は前年同月比4.5%減の1兆4282億円だった。減少し た輸出品目は二輪自動車が同40.1%減となったほか、サブプライム問題で住宅 着工が減少している影響を受け、建設用機器などが同31.2%減少した。一方で、 アジア向け輸出額は同8.2%増の3兆6386億円で過去最高となるなど、他地域 への輸出が米国向けの減少を穴埋めする構図が続いている。

地域別でみると、対米貿易黒字額は前年同月比10.4%減の7644億円。対 アジアは同24.9%増の9495億円、対EUは同6.3%増の4705億円だった。

HSBC証券の白石誠司チーフエコノミストは、地域別の輸出数量指数の 前年同月比が、対米は13.4%減(11月は5.8%減)、対EUは4.4%増(同6.1% 増)、対アジアは11.8%増(同14.9%増)となったことに関し、「対米の弱さは クリスマス商戦不振の反映である可能性が高い。対米と対EU・対アジアのデ カップリング(非連動)は基本的に続いているが、EU向け輸出数量前年比は 10月をピークに減速過程に入った可能性がある」と分析。

その上で、日本の輸出数量の有力な先行指標である米供給管理協会(IS M)の製造業新規受注指数が、昨年12月の指数に続き1月も急落する公算と なっているのを踏まえ、「アジア向け輸出が下支え役を果たすものの、08年前 半の輸出数量は米国向けを中心に減速傾向が明確化しよう」との見通しを示し た。

クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストは「対米輸出が前年 比4.5%減と4カ月連続で減少したことは、特にサプライズではないが、対E U、対アジア輸出の伸び率が鈍化し始めた」と指摘。その上で、「金額ベース での輸出の鈍化は、為替円高の影響もあるが、数量ベースでも頭打ちの様相を 示しつつある。当社では、今後グローバル経済の減速を背景に、輸出は失速す ると予想しており、12月の数字はその兆候である可能性が高い」との見方を示 した。

中国の輸出入総額が通年で米国上回る

同時に発表された2007年の貿易黒字額は前年比37.0%増の10兆8249億 円と3年ぶりに増加。輸出は同11.6%増の83兆9407億円、輸入が同8.6%増 の73兆1157億円といずれも過去最高となった。

地域別では、中国向け輸出が同19.0%増の12兆8409億円、輸入が同9.0% 増の15兆267億円と過去最高となり、輸出入を合わせた総額(27兆8676億円) が通年で初めて米国を上回った。米国向け輸出は同0.2%減の16兆9049億円、 輸入は同5.4%増の8兆3413億円で、総額は25兆2462億円だった。

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