1月23日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を更新します)

○米国株:急反発。ここ2カ月で最大の上げを記録した。借り入れコストの低下 と金融保証会社の救済計画が金融システムの信頼回復につながるとの見方が広が った。

シティグループやJPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ(BO A)の大手米銀を中心に買いが広がり、金融株は5年ぶりの大幅上昇を記録した。 住宅建設ではセンテックスやD.R.ホートンが上昇、住宅建設株は1994年以 来の大幅上昇だった。連邦公開市場委員会(FOMC)が22日実施した0.75 ポイントの緊急利下げが建設事業の増加につながるとの観測が背景。

S&P500種株価指数は前日比28.10ポイント(2.1%)上げて1338.60。 ダウ工業株30種平均は298.98ドル(2.5%)高の12270.17ドルとなった。 ダウ平均は一時前日比326ドル安まで下げた。ナスダック 総合指数は24.14ポ イント(1.1%)上昇し2316.41。

クラーク・キャピタル・マネジメントのハリー・クラーク最高経営責任者 (CEO)は、「金融保証会社の救済計画を背景に、ウォール街では安心感が 広がっており、それが株式相場の上昇につながった」と述べた。

金融保証大手のアムバック・ファイナンシャル・グループとMBIAはそれ ぞれ72%上昇と33%高で、S&P500種の採用銘柄のうち値上がり率が最大だ った。ニューヨーク州当局者と銀行が資本増強めぐり協議したことが手掛かり だった。

株式相場は、午後に入っても携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッ ド)」で知られるアップルと携帯電話メーカー、モトローラが発表した低調な 業績見通しが売り材料となり、下落していたが、取引終了1時間前から急反発 した。

米ベアー・スターンズが歴史的にみてFOMCが積極的な利下げ姿勢を見せ ているときは大手銀の株価が堅調に推移する傾向にあるとして、大手銀の株式 に買いを推奨したことから、JPモルガンやBOA、シティグループが買われ た。

金融株価指数

S&P500種に採用されている銘柄のうち金融株で構成される株価指数は

6.8%上昇と、2002年10月以来で最大の値上がりだった。昨年の金融株価指数 は21%下落した。

センテックスとD.R.ホートンはそれぞれ20%と12%上昇。S&P株価 指数のうち、住宅建設株で構成される株価指数は15%高と、ブルームバーグが 同データの算出を開始した1994年以来で最大の上げだった。住宅株価指数を 構成する15銘柄はいずれも上昇した。

防犯システム大手のタイコ・インターナショナルも高い。同社は2008年の 業績見通しを上方修正したほか、10-12月期の売り上げと利益幅は従来予想を 上回ったと述べた。

年初からの株価指数

この日の急反発にもかかわらず、年初来からのS&P500種は8.9%下落。 ダ

ウ平均は7.5%下げている。サブプライム住宅ローン市場の落ち込みがリセッ ションにつながるとの懸念が背景だ。

ナスダックは年初来からは13%安。昨年10月に記録したほぼ7年ぶり高値 からは19%下げた。S&P500種とダウ平均も10月9日の最高値からそれぞれ 13%と14%下落した。

アップル、モトローラ

アップルは2002年7月以来で最大の下落。同社の1-3月期利益見通しが アナリスト予想を下回り、売上高は伸び鈍化が予想されているのが嫌気された。 また米国でのiPod販売が前年比でほぼ変わらずだったことから、市場参加 者の間では個人消費が損なわれていると受け止められた。

モトローラは19%安と、2002年以来の大幅下落。同社は1-3月期の業績 が赤字になるとの見通しを示した。

○米国債:10年債相場は下落。株価が引け際に反発したことから、 2003年以来の低水準にあった10年債利回りは魅力がなくなった。

株価の反発でトレーダーが来週の米連邦公開市場委員会(FOM C)での最大0.75ポイントという利下げ見通しを弱めたことから、債券 利回りが上昇した。トレーダーは引き続きFOMCでの0.5ポイントの 利下げを予想している。

キャンター・フィッツジェラルドによると、10年債利回りはニュー ヨーク時間午後3時53分現在、前日比12ベーシスポイント(bp、1bp =0.01ポイント)上昇して3.53%。10年債価格(表面利率4.25%、 2017年11月償還)は約7/8値下がりして105 7/8となった。

ブルームバーグがまとめた統計によると、利回りはこの日、27bp 変動し、2004年4月以来の最大となった。

2年債券利回りは前日比14bp上昇し2.1%。一時は1.84%と、04 年4月以来の低水準を付けた。30年債利回りは前日比7bp上昇し

4.24%。一時は1977年に定期入札が開始されて以来の最低水準を付けて いた。

株価の動き

株価が過去1週間で初めて上昇するなか、米国債相場は下落した。 S&P500種株価指数は一時、前日比3.1%下落したがその後反発し、

2.2%高となった。当局者が金融保証会社の資本増強をめぐり協議したこ とから、金融システムの信頼感回復につながるとの期待が高まった。

コマース・キャピタル・マーケッツ(フィラデルフィア)の債券ス トラテジスト、ジョージ・アデル氏は「この日は株価に踊らされた」と 指摘。「過去6カ月間、見通しは総じて暗たんとしたものだったが、よ うやく光が見えてくるのかもしれない」と述べた。

また、資本増強でMBIAなど金融保証会社の最上級格付けが維持 されれば、投資家の信頼感低下に歯止めがかかるとの観測も米国債相場 の下落につながった。

米金利見通し

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利 先物相場は、トレーダーが来週のFOMCでの少なくとも0.5ポイント の利下げを100%織り込んでいることを示している。0.75%の利下げ確 率は現在、10%。この日株価が下落していたときにはこの確率は34%ま で上昇した。

米国債相場の変動は22日、FOMCの緊急利下げを受けて昨年12 月11日以来の大幅となった。米国債オプション価格に基づいて算出する メリルリンチのMOVE指数は7%上昇し147.3と、5月の時点からほ ぼ3倍に達している。

○NY外為:円がドルとユーロに対して下落。ニューヨーク州当局が金融保 証会社向けの資本増強について銀行と協議したことが明らかになった。米連 邦公開市場委員会(FOMC)の利下げによる景気浮揚の思惑も支援材料と なって米国株が戻すと、円売りが優勢になった。

円はカナダ・ドルとオーストラリア・ドル、ニュージーランド・ドルに対 して0.8%安。金利の低い日本で資金を調達し、高金利通貨で運用する「キャ リー取引」が復活するとの見方から円売りが出た。ただ、当初は世界的な景気 減速懸念から円とスイス・フランはすべての主要通貨に対して買いが先行して いた。

ワコビアのシニア為替トレーダー、アラン・カッバーニ氏はニューヨーク 州当局の協議について「短期的にでも金融市場の信頼感が回復し、円に対する ドルの一時的な底入れにつながった」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時53分現在、円は対ドルで0.3%安の1ドル= 106円74銭。一時は104円97銭と、2005年5月以来の円高・ドル安水準 を付ける場面もあった。円はユーロに対しても0.3%下落し、1ユーロ=156 円16銭となった。一時は1.9%高となった。ドルはユーロに対してはほぼ変 わらずの1ユーロ=1.4636ドル。

シカゴ商品取引所(CBOT)のFF金利先物相場はFOMCが30日の 定例会合でFF金利の誘導目標を少なくとも50ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)引き下げることを織り込んでいる。そのうち、75bpの利下 げ確率は10%。23日は一時、株安を背景にその確率が34%まで上昇する場面 もあった。

ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査によると、ブラジル中央銀 行は政策金利を11.25%で据え置くとみられている。ノルウェー中銀は

5.25%で据え置いた。

救済協議を背景に金融保証大手のアムバック・ファイナンシャル・グルー プとMBIAが相場をけん引し、ダウ工業株30種平均は326ドルの下げを取 り戻した。

MGファイナンシャル・グループの通貨トレーダー、ディクソン・ファン 氏(ニューヨーク在勤)は「株価が少し回復するたびにキャリー取引が復活し、 円がわずかに下落する。FOMCが状況を掌握しているとの楽観的な見方があ る」と述べた。

バークレイズ・キャピタルの為替担当エコノミスト(シンガポール在勤)、 デービッド・フォレスター氏は米連邦公開市場委員会(FOMC)が追加利下 げを実施しても米景気の失速は回避できないとし、円が対ドルで3月末までに 103円に上昇すると予想した。対ユーロでは151円まで円高が進むとみている。

ブルームバーグ・ニュースのアナリスト調査によると、今年末の円相場の 予想平均は対ドルが107円、対ユーロが151円となっている。

○英国債:相場は上昇。昨年10-12月(第4四半期)の英国内総生産(GDP) がここ1年余りで最も低い伸びとなったことを受け、イングランド銀行が政策金 利を引き下げる公算が高まったことが背景。

10年債利回りは前日比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下 の4.42%と、2006年3月以来の低水準に近付いた。同国債(2018年3月償還、 表面利率5%)価格は0.54ポイント上げ104.66だった。2年債利回りは5b p下げ4.20%となった。

英政府統計局(ONS)が23日発表した10-12月期のGDP速報値(季 節調整済み)は前期比0.6%増となった。ブルームバーグ・ニュースがまとめた エコノミスト35人の調査中央値では、前期比0.5%増と見込まれていた。前年 同期比では2.9%増。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト30人を対象にした調査では、全員 がイングランド銀が2月7日の金融政策委員会(MPC)で0.25ポイント引き 下げて5.25%に設定すると見込んでいる。

○欧州債:相場は上昇。ドイツ2年債利回りは一時、2001年9月以来で最大の 低下となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)による前日の利下げに追随し、 欧州中央銀行(ECB)が利下げに踏み切るとの観測が広がった。

この日発表された1月のユーロ圏サービス業景気指数がここ4年余りで最も 低い水準となったことを受けて、ドイツ2年債利回りは低下し、2006年3月以 来の低水準まで6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)まで近づいた。

カリヨンの債券ストラテジスト、オーランド・グリーン氏(ロンドン在勤) は「ECBは近い将来に利下げに転じるとの観測の高まりを受けて相場が上昇し た」と指摘。

2年債利回りはロンドン時間午後4時2分までに、前日比14bp低下し

3.25%。一時は24bp下げ、1日の低下幅としては少なくとも2001年9月11 日以降で最大となった。同国債(2009年12月償還、表面利回り4%)価格は

0.24ポイント上げ101.33。月初来の低下幅は75bpと、1992年10月以降で 最大となっている。

10年債利回りは8bp下げ3.90%。10年債の2年債利回りに対する上乗 せ利回りは65bpに拡大し、2006年5月以降で最大。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   (1)(212) 893-3007

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