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日本株(終了)急反発、米緊急利下げで政策期待が再燃-輸出関連中心

東京株式相場は3営業日ぶりに急反発。 米国の緊急利下げ決定や追加利下げへの期待感から、株価の下げ過ぎに対する 見直しが優勢となった。トヨタ自動車が5000円台を回復するなど輸出関連株 が上昇し、海外金融株高が波及して銀行株も買われた。直近の下落率が大きか った海運、機械、卸売などの上げも目立つ。

日経平均株価の終値は前日比256円1銭(2%)高の1万2829円6銭、 TOPIXは29.98ポイント(2.5%)高の1249.93。東証1部の売買高は概算 で25億2806万株、売買代金2兆9446億円。値上がり銘柄数は1444、値下が り銘柄数は220。

T&Dアセットマネジメントの温泉裕一チーフ・ストラテジストは、「緊 急利下げは単なる前倒しに過ぎないが、米連邦準備制度理事会(FRB)がイ ンフレ警戒に対するスタンスを若干緩めたことが好感されている」と見ていた。

ただ日経平均は、前日までの2日間の下げ幅(1288円)に対してきょうの 戻りが限定的だったことについて、「利下げは即効性がない上、社債のスプレ ッドがそれ以上に拡大する方向にあることから、マーケットは冷静に反応して いる」(温泉氏)と指摘している。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種が31、値下がり業種は 陸運と電気・ガスのみだった。指数の上昇寄与度が大きいのは、銀行、輸送用 機器、卸売、電気機器、医薬品、機械、化学など。

緊急利下げをひとまず好感、追加期待も

日経平均が2日間で1288円(9.3%)下落した世界連鎖株安に、下げ止ま りの兆しが出てきた。FRBは緊急の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開 き、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.75ポイント引き下げて

3.5%にすることを決定。FOMCは声明で「景気見通しの悪化と成長の下振 れリスクの上昇を考慮した」としている。

定例会合である29-30日を前にしての緊急利下げとなったことで、追加 利下げ観測が台頭。金利先物市場動向によると、今月30日のFOMC会合で FF金利誘導目標が0.5ポイント引き下げられ、3%に設定される確率は80% となった。21世紀アセットマネジメントの清水孝則社長は、「米国の政策当局 の対応は早かった。FFレートはここからさらに1-1.5%下げられる可能性 があり、財政政策と合わせて金融政策が適切に講じられたことで、米国株は持 ち直してくるだろう」との認識を示した。

また、ちばぎんアセットマネジメントの奥村義弘調査部長は、「市場が求 める政策と実施のスピード感にずれがあったが、米緊急利下げで内外の政策期 待が再び高まっている」と指摘。米国では、ブッシュ米大統領が景気後退回避 のために提案した景気刺激策の規模が、これまで発表されていた実質GDPの 1%あるいは最大1500億ドル(約16兆円)を上回る可能性が取り沙汰されて いる。さらに来月7日の欧州中央銀行定例理事会、9日の7カ国財務相・中央 銀行総裁会議を控え、「今後政策面が次々と確認されるようなら、投資家のセ ンチメントが改善しそう」(奥村氏)と期待された。

直近の下落業種や銀行株高い、国際的逆転も見直す

業種別で目立ったのは、直近の売られ過ぎ業種や銘柄群。東証1部上昇率 上位10業種では、ゴム製品、海運、卸売、鉱業、機械、輸送用機器、非鉄金 属など年初からの下落率が大きかった業種が過半を占めた。

東証1部の売買代金上位では、コマツが5%超高。市場では、「グローバ ル展開して業績好調なコマツが、米依存度が高く業績も悪いキャタピラーのP ER(株価収益率)を下回る逆転現象が起きるなど、株価急落で割安銘柄が増 加している」(丸三証券の牛尾貴投資情報部長)と指摘されていた。また、ア ジア株が総じて堅調だったことも、市況関連株の追い風となった。

きょうの米国見極めで上値限定

もっとも、株価の直近の下げが大きかった割に、戻りの鈍さも意識された。 日経平均は前日比で一時490円(3.9%)高の1万3063円までありながら、海 外株動向や為替の円強含みなどから、終値では心理的節目である1万3000円 を維持できなかった。市場関係者が注視していたのはGLOBEX(シカゴ先 物取引システム)の米指数先物の動向だ。コンピューター・電子機器大手の米 アップルが通常取引終了後に発表した08年1-3月(第2四半期)見通しは、 1株当たり94セントとアナリスト予想1.11ドルを下回った。アップルの時間 外での急落などが響いて米S&P500種指数先物などが軟調に推移し、「景気 減速の影響を米国時間23日の米市場で見極めたい」(コスモ証券エクイティ 部の堀内敏一課長)とされた。

T&Dアセットの温泉氏は「米国は過去のリセッション時と比べて雇用と 賃金の水準が高いというプラス面はあるが、不動産価格低下という過去になか ったマイナス面もある」と指摘。FRBがインフレ警戒を緩めざるを得ないほ ど景気をめぐる状況は悪く、「米景気減速感を示す指標は今後発表されること から日本株は再び下値を見にいくだろう」(同氏)と予想していた。

武田薬が5日ぶり反発、ソニー5000円割れ

個別では、日興シティグループ証券が投資判断を「買い、中リスク」へ引 き上げた武田薬品工業、注射用真菌剤「マイカミン」の追加適応症を米国で取 得したアステラス製薬がそれぞれ5日ぶりに上昇。携帯電話用の半導体生産大 手の米テキサス・インスツルメンツの好決算などから、東京エレクトロンは3 日ぶりに反発した。07年4-12月期連結営業利益が前年同期比16%増となり、 記念配当実施も行うオービックは急伸。07年4-12月期の連結営業利益が前 年同期比倍増したアグレックスは午後に急騰した。

半面、ゴールドマン・サックス証券が格下げしたソニーは売買代金首位で 1年超ぶりに5000円割れ。アップルの1-3月期見通しが市場予想を下回り、 携帯音楽プレーヤーの普及スピードが鈍化すると受け取られたフォスター電機 は急落。東証1部売買代金上位ではKDDI、JR東日本などが軟調。

新興市場は上昇

新興市場は3日ぶり上昇。東証1部市場の急反発を受け、時価総額上位銘 柄や直近下落率の大きい銘柄を中心に買われた。ジャスダック指数の終値は前 日比0.40ポイント(0.7%)高の60.13、東証マザーズ指数は11.68ポイント (1.9%)高の619.85、大証ヘラクレス指数は13.93ポイント(1.5%)高の

950.55。個別では楽天、SBIイー・トレード証券、ユビキタス、ミクシィ、 ぐるなびが上げた。野村証券金融経済研究所が新規に投資判断を5段階で 「2」としたジュピターテレコムは大幅高。半面、インデックス・ホールディ ングス、マネーパートナーズ、フィンテック グローバルなどは安い。

--共同取材:浅井 真樹子   Editor:Shintaro Inkyo

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