米国:法律事務所も気候変動に熱視線-弁護士顧問料は時給700ドル

米国では、環境問題専門家のうち、弁護士が最も 高い報酬を得る職業になりつつある。

ブルームバーグ・ニュースが米国の法律事務所のウェブサイトを基に実施した調 査によると、収益で上位100位以内に入っている事務所のうち20カ所が企業向けに気 候変動に関する助言業務を開始している。弁護士らは、顧客に対し、クリーンエネル ギー事業向け融資や米連邦議会へのロビー活動に関する助言を行っている。顧問料は 通常、1時間当たり500-700ドル(約7万4400円)に上る。

米住宅市場が過去27年で最も低迷した状態にあり、不動産やストラクチャード・ ファイナンス(仕組み金融)専門の弁護士が失業するなか、エイキン・ガンプ・スト ラウス・ハウアー・アンド・フェルド、ヘラー・アーマン、シェパード・マリン・リ ヒター・アンド・ハンプトンなどの法律事務所は, 地球温暖化関連分野に参入した。 温暖化ガス削減に向け、米議会は排出権取引の義務付けを検討しており、気候変動関 連法案成立への動きが加速している。

ワシントンを拠点とするエイキン・ガンプ(弁護士数1023人)で、総勢50人の チームを率いる共同責任者、ポール・ギッターマン氏は「2006年の11月の中間選挙以 降、政治課題として気候変動に対する注目が高まっている」と指摘する。

米公益事業持ち株会社PG&Eなどは、米議会が、汚染度の高い企業が財政的な 負担を担う、いわゆる「カーボン・クレジット」を利用した市場を設立するよう求め ている。ギッターマン氏のチームは、これらの企業を顧客とし、助言している。米上 院のジョン・ウォーナー議員とジョゼフ・リーバーマン議員は、欧州の排出権市場を 参考にした法案を提出した。法律関係者らは、二酸化炭素の排出量削減枠の義務付け に反対するブッシュ米大統領の退任後、関連法案の一部が成立すると予想している。

国際的な課題

シカゴを拠点とするベーカー・アンド・マッケンジー(弁護士数3335人)は、こ の分野のパイオニア的な存在で、約10年前に気候変動担当チームを創設した。米国内 の業務を統括するリチャード・セインズ氏によると、創設して2年後には利益が出る ようになった。

セインズ氏によると、弁護士60人を擁するこのチームの07年の収入は推定1500 万-2000万ドル。米業界誌「アメリカン・ローヤー」によると、ベーカー・アンド・ マッケンジーの06年の収入は総額15億2000万ドルだった。

セインズ氏は「われわれは、気候変動が、米国を拠点とする多国籍企業に影響を 及ぼす重要な国際的法律問題の1つだと考えた。実際に現在、そうなっている」と語 る。

セインズ氏らは、法律顧問業務の金額は明らかにしていない。ジョーンズ・デイ (ワシントン)の環境問題担当パートナー、チャック・ウェーランド氏によると、米 国の主要都市にある大手法律事務所の気候変動担当パートナーの顧問料は通常、1時 間当たり500-700ドルだという。

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