東京外為:円弱含み、アジア株高でリスク回避緩和-米株動向を警戒

午前の東京外国為替市場では円が弱含み。 ドル・円相場は一時1ドル=107円38銭(ブルームバーグ・データ参照、以下 同じ)と、3営業日ぶりの円安値を付け、その後は106円台後半で推移した。 米金融当局が大幅な緊急利下げに踏み切ったことでアジアの株式市場が落ち着 きを取り戻したことから、リスク回避に伴う円キャリートレード(低金利の円 で調達した資金を高金利通貨などに投資する取引)の巻き戻し圧力が緩和した。

中央三井信託銀行総合資金部の北倉克憲主席調査役は、「今回の米金融当 局の措置は迅速性という点で評価され、アジア株の下値不安はいったん落ち着 いた」としたうえで、円相場は損失を限定するための売り注文を巻き込んで一 段安の展開になったと説明する。

ただ、日経平均株価が大幅反発したものの、「1200円を超える過去2営業 日の下げ幅を取り戻すまでには至っていないことから、円相場には不安定さが 残る」(北倉氏)ともいう。引き続き株価動向次第の相場展開が見込まれ、「き のうの取引でプラスに浮上できなかった米株の動向を見極めたい」(同)との 意向を背景に円の下値は限定された。

日経平均は1万3000円維持できず

米連邦公開市場委員会(FOMC)は22日、フェデラルファンド(FF) 金利の誘導目標を従来の4.25%から0.75ポイント引き下げ、3.5%とすると発 表。また、公定歩合も0.75ポイント引き下げて4%とされた。

22日の欧州株式市場は、緊急利下げを好感してほぼ全面高。米株式相場は 続落して取引を開始し、ダウ工業株30種平均は一時400ドルを超える下落とな ったものの、徐々に下げ幅を縮小する展開となった。

この日の東京市場では、日本株を中心としたアジア株の動向をにらみなが らの展開が継続。日経平均株価が1万3000円台を回復する場面では、リスク投 資を回避する動きが弱まっているとの見方から、ドル・円相場は107円38銭ま で円が下落。ユーロ・円相場は一時1ユーロ=157円15銭と、3営業日ぶりの 水準までユーロ高・円安が進んだ。

しかし、日経平均は1万3000円をしっかりと維持できず、同水準を軸に上 下に振れる展開となっており、株価が伸び悩む局面では円売りが鈍化。午前の 取引終盤にかけては、ドル・円相場は106円台後半、ユーロ・円相場も156円 台前半まで円が水準を切り上げて推移した。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドのヘッド・オブ・FXストラテ ジー・ジャパンの山本雅文氏は、「利下げが行われたということで、取りあえ ず円高圧力が和らいだ形となり、全般的に円が弱くなっている」として、東京 時間日中は、米緊急利下げを受けたアジアの株価動向をにらみながらの展開に なるとしている。

米欧金利差が逆転

一方、今回の緊急利下げによって、FF金利の誘導目標は欧州中央銀行(E CB)の政策金利4%を下回る格好となった。ユーロ・ドル相場はこの日の東 京時間早朝の取引で一時1ユーロ=1.4684ドルと、3営業日ぶりの水準までユ ーロ高・ドル安が進んでいる。

また、FOMCの声明では、「短期金融市場での緊張はやや緩和したもの の、金融市場では広範にわたり状況が引き続き悪化している」との認識が示さ れた。中央三井信託銀の北倉氏は、「米金融当局はサブプライムの余波で、実 体経済面への影響が出てきていることに言及しており、これから発表される経 済指標が悪いと、一段の利下げが催促される可能性がある」として、ドル自体 にはネガティブ要因になるとみている。

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