東京外為:円軟調、日本株高でリスク回避が一段と緩和―107円前後

午前の東京外国為替市場では円が下落。ド ル・円相場は一時1ドル=107円38銭と、3営業日ぶりの円安値を付け、その 後は107円ちょうどを挟んでもみ合い。米金融当局が大幅な緊急利下げに踏み 切ったことで、景気の先行き懸念を背景としたリスク投資からの資金引き揚げ 連鎖に歯止めがかかるとの見方から、円キャリートレード(低金利の円で調達 した資金を高金利通貨などに投資する取引)の巻き戻し圧力が緩和している。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドのヘッド・オブ・FXストラテ ジー・ジャパンの山本雅文氏は、米FOMC(連邦公開市場委員会)の定例会 合を1週間後に控えたタイミングでの緊急利下げということで、市場にはサプ ライズになったと説明。「利下げが行われたということで、取りあえず円高圧 力が和らいだ形となり、全般的に円が弱くなっている」として、東京時間日中 は、米緊急利下げを受けたアジアの株価動向をにらみながらの展開になるとし ている。

日経平均が1万3000円回復、円売り後押し

米FOMCは21日夕に緊急会合を開き、フェデラルファンド(FF)金利 の誘導目標を従来の4.25%から0.75ポイント引き下げ、3.5%とすることをき め、22日に発表した。緊急利下げは2001年9月17日以来になる。また、公定 歩合も0.75ポイント引き下げて4%とされた。

FOMCは声明で「短期金融市場での緊張はやや緩和したものの、金融市 場では広範にわたり状況が引き続き悪化している」との認識を示した。緊急利 下げについては「景気見通しの悪化と成長の下振れリスクの上昇を考慮した」 としている。

22日の欧州株式市場は、緊急利下げを好感してほぼ全面高。米株式相場は 続落して取引を開始し、ダウ工業株30種平均は一時400ドルを超える下落とな ったものの、徐々に下げ幅を縮小する展開となった。

この日の東京市場では、日経平均株価が1万3000円台を回復する場面がみ られ、リスク投資を回避する動きが弱まっているとの見方から、再び低金利の 円に売り圧力がかかりやすくなっている。このため、ユーロ・円相場は一時1 ユーロ=157円15銭と、3営業日ぶりの水準までユーロ高・円安が進んでいる。

一方、リスク回避に伴うドルへの資金回帰の動きが修正されている面もあ り、ユーロ・ドル相場は早朝の取引で一時1ユーロ=1.4684ドルと、3営業日 ぶりのドル安値を付けている。

米金融機関の損失拡大懸念くすぶる

半面、今回の米緊急利下げについては、「後追い的な部分もあり、米国株 が最後は下がってしまっていることから、安心して高リスク資産に投資しよう という雰囲気が戻っているとは見えない」(三菱UFJ証券クレジット市場部 為替課長・塩入稔氏)との指摘も聞かれる。

また、米銀2位のバンク・オブ・アメリカ(BOA)と米銀4位のワコビ アが22日発表した10-12月(第4四半期)決算では、ともに利益が前年同期 比で急減。米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンに関連し た評価損が2行合わせて60億ドル(約6400億円)超に達したことが響いてお り、信用収縮懸念が依然としてくすぶっている状況から、積極的に低金利の円 を売って高金利通貨に投資する動きは見込みにくい面も残る。

--共同取材:吉川淳子 Editor:Tetsuzo Ushiroyama、Norihiko Kosaka

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