日本株は大幅反発へ、米緊急利下げで景気警戒和らぐ-輸出中心(2)

東京株式相場は、3営業日ぶりに大幅反 発する見通し。米国の緊急利下げで景気の先行きに対する過度な警戒感が和ら ぎ、自動車など輸出関連株中心に幅広く買いが優勢となりそう。海外で金融株 が見直された流れから銀行株が高くなり、卸売、機械、海運、非鉄金属など年 初からの下落率が大きい業種にも見直し買いが予想される。

日興コーディアル証券エクイティ部の西広市部長は、「追加利下げなど米 国のさらなる追加対策に対する期待感や円高の一服から、自律反発に入るだろ う」と予想。日経平均株価は1万3100円まで上昇する可能性があると指摘し ている。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物3月物の22日清算値は1万 3110円で、大阪証券取引所の通常取引終値(1万2510円)に比べて600円高 だった。

0.75ポイント引き下げ

米連邦公開市場委員会(FOMC)は21日に緊急会合を開き、フェデラ ルファンド(FF)金利の誘導目標を従来の4.25%から0.75ポイント引き下 げて3.5%にすると22日に発表した。定例会合以外での緊急利下げは2001年 9月17日以来となる。景気見通しの悪化と成長の下振れリスクの上昇を考慮 し、定例会合である29-30日前の利下げとなった。

21日が休場だった米国株市場は、休場中の世界株安を反映する形で22日 の取引開始直後は大幅下落したものの、徐々に下げ渋る展開となった。一方、 欧州株式市場では米利下げによる景気先行きと銀行収益に対する下支え期待か ら、ダウ欧州株価指数は前日比2.2%高の315.55と6日ぶりに反発した。

緊急利下げが米景気悪化に歯止めをかけるとの見方は大勢ではないが、足 元では景気に対する過度の悲観一色だったことから、東京市場もきょうは景気 下支え期待などからいったん下値で見直し買いが増加する可能性がある。米依 存度の高いトヨタ自動車やソニーなど輸出関連株をはじめ、UBSやバンク・ オブ・アメリカなど欧州や米国で金融株に対する買いが顕著だったことから、 銀行株も高くなる見込み。

クレディ・スイス証券の市川眞一ストラテジストは今回の利下げについて、 「世界の金融市場の機能を完全に回復させ、日本株の本格的な反転要因となる にはまだ不十分」と分析。その一方で、「米国が『実質ゼロ金利政策』へ向け 大きく舵を切ったとすれば、中長期的には日本株にとっても好材料」(同氏) と重要な一歩になると評価している。

米主要株価3指数の22日終値は、S&P500種株価指数が前営業日比

14.69ポイント(1.1%)安の1310.50、ダウ工業株30種平均は128.11ドル (1.1%)安の1万1971.19ドル、ナスダック総合指数は47.75ポイント (2%)安の2292.27。

米ダウ指数は取引開始直後に一時464ドル(3.8%)安の1万1634ドルま で売られる場面もあったが、その後は下げ幅を縮小させた。1万2000ドルを 下回ったのは2006年以来で初めて。

売られ過ぎ指標も

東京市場で日経平均は、今週の2日間で1288円(9.3%)下落した。予想 配当利回りは1.89%、日経平均のPER(株価収益率)は13.6倍、騰落レシ オが52.7%となるなど、「複数の指標が売られ過ぎや割安を示唆するなど下げ 過ぎ警戒感が出ている」(日興コーデ証の西氏)。海外株式や為替市場など外 部要因が落ち着きを示しつつあり、売られ過ぎ銘柄も上昇の公算が大きい。

ブルームバーグ・プロフェッショナルによると、東証1部で年初からの下 落率が大きい上位10業種は、鉱業、石油・石炭製品、卸売、証券・商品先物 取引、機械、パルプ・紙、海運、非鉄金属、ゴム製品、輸送用機器。これらは 同期間のTOPIXの下落率が17%に対して21%以上の指数下落となってお り、上昇率が大きくなることも想定される。

なお、日興シティグループ証券では22日付で、商社セクターに対して 「米国景気後退に伴う業績への影響は限定的」とするリポートを作成。同セク ターは08年度も増益を達成する可能性は高いとして、強気の投資判断を強調 している。

オービックや7&iなど上昇公算

個別では、07年4-12月期連結営業利益が前年同期比16%増となり、記 念配当実施も行うオービック、傘下の銀行子会社セブン銀行が2月29日にジ ャスダック市場に上場するセブン&アイ・ホールディングス、ドトール店で提 供するブレンドコーヒーの価格を従来の180円から200円に値上げするドトー ル・日レスホールディングスなどが上昇しそう。

半面、鉄スクラップなどの原料価格高騰で08年3月期の利益予想を減額 修正した東京製鉄、ゴールドマン・サックス証券が投資判断を引き下げたアド バンテスト、オリンパス、スター精密などは軟調となる見通し。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE