ECBとイングランド銀も利下げ必要になる公算-エコノミストの見方

欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀 行は、米連邦準備制度に続いて利下げが必要になるかもしれないと、エコノミ ストらはみている。米リセッション(景気後退)が世界経済の成長を減速させ るリスクが高まっているためだ。

元英中銀のエコノミストでUBSのエコノミスト、アミット・カラ氏(ロ ンドン在勤)は「米国の利下げは、欧州と英国でのより大幅で迅速な利下げに つながる可能性がある」との見方を示し、イングランド銀による今年4回の利 下げとECBの2回の利下げを予想した。

米連邦公開市場委員会(FOMC)はこの日、緊急会合を開きフェデラル ファンド(FF)金利の誘導目標を0.75ポイント引き下げ3.5%とした。欧州 株は上昇したものの、米株が上昇に転じるには至っていない。

米欧の利回り格差拡大はユーロ高に拍車を掛け、輸出を抑制して既に減速 の兆しが見える欧州経済を脅かす。ドイツの投資家信頼感は既に、1992年1月 以来で最低となっている。

スペインのイベルカハ・ヘスティオンで運用に携わるアルベルト・エスペ ロシン氏は「市場は助けを求めていた」として、「ECBも米当局に倣うべきだ」 と述べた。

カナダ銀行は22日の定例会合で、政策金利を0.25ポイント引き下げ4% とした。

波及の兆候

金利先物の動向は、ECBとイングランド銀による利下げ観測の高まりを 示している。現在の政策金利はそれぞれ4%と5.5%。イングランド銀の5.5% は主要7カ国で最も高い。ユーロ建て金利先物6月限の先物金利は22日、3.80% と21日の3.94%から低下した。英ポンド金利先物6月限の先物金利は3ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)低下し4.89%。

しかし、ECBとイングランド銀はインフレ抑制重視姿勢を崩そうとしな い。イングランド銀行は2月7日に予定されている金融政策決定委員会(MP C)を前倒しする考えはないと表明。ECBのシュタルク理事と政策委員会メ ンバー、メルシュ・ルクセンブルク中銀総裁は米利下げについてコメントを控 えた。イングランド銀のキング総裁は、今年の英インフレ率が少なくとも10年 で最高となる可能性があるとの認識を示し、利下げ余地は小さいことを示唆し た。

ユーロはこの日上昇し、フランクフルト時間午後6時33分(日本時間23 日午前2時33分)現在、1.1%高の1ユーロ=1.4613ドル。23日に付けた過去 最高は1.4967ドル。

BNPパリバのエコノミスト、ケン・ワトレット氏(ロンドン在勤)は、 米当局の行動が「応急処置にすぎないことが明白になれば、状況はさらに悪化 するだろう。そうすればECBは行動せざるを得なくなるだろう」と指摘した。

ベアー・スターンズのロンドン在勤チーフエコノミスト、デービッド・ブラ ウン氏は、イングランド銀行が来月、ECBが4-6月(第2四半期)に利下 げをすると予想するものの、米同時テロの際のような予定外の緊急会合を開く とは考えていない。

ユーロ圏のインフレ率も6年ぶり高水準の3.1%と、ECBが上限の目安と する2%を超えており、ECBも利下げ余地はあまりない。ただ、米国の低迷 が欧州経済に波及する兆候が、ECBの姿勢を変化させる可能性もある。CI BCワールド・マーケッツのエコノミスト、オードリー・チルドフリーマン氏 は「ECBの視点から見てすら、状況は最近、劇的に変わった。インフレを懸 念しているべき時ではない」と述べた。

ベアー・スターンズのブラウン氏は、イングランド銀もECBも、早めの 利下げが望ましいとして、利下げの時期を遅らせれば将来の利下げ幅が大きく なるだけだと指摘した。

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