米国債:上昇、2年債が主導-FOMCの緊急利下げで買い膨らむ(2)

米国債市場は上昇。米連邦公開市場 委員会(FOMC)がリセッション(景気後退)回避のために緊急利下 げを実施したことを受け、2年債が上げ相場を主導した。

2年債相場は、米同時多発テロ後に債券市場が再開された2001年9 月13日以来最大の上げとなった。トレーダーが29-30日の定例会合で 一段の利下げが実施されると見始めていることが背景。10年債利回りは 03年半ば以来の低水準を付けた。FOMCは緊急会合を開き、フェデラ ルファンド(FF)金利の誘導目標を従来の4.25%から0.75ポイント 引き下げ、3.5%に設定した。声明では緊急利下げについて「景気見通し の悪化と成長の下振れリスクの上昇を考慮した」と説明した。

オッペンハイマーファンズのチーフエコノミスト兼債券部門責任者、 ジェリー・ウェブマン氏はブルームバーグ・ニュースとのテレビインタ ビューで「市場への衝撃を意図したドラマチックな動きだった」と指摘。 「リセッションのリスクは非常に大きい。2年債利回りは市場参加者が 追加利下げを予想していることを示している」と付け加えた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、2年債利回りはニュー ヨーク時間午後4時8分現在、前週末比30ベーシスポイント(bp、1bp =0.01ポイント)低下して2.04%。01年9月13日の53bpの低下以来 最大の下げ。一時は04年4月以来の1.99%まで下げた。2年債価格 (表面利率3.75%、2009年12月償還)は1/2以上値上がりして102 9/32となった。

株価の下落を受けた安全性への逃避で、3カ月物財務省短期証券 (TB)利回りは52bp低下し2.31%となった。これは8月20日以来 の大幅な低下だった。10年債利回りは一時、3.43%まで低下した。

米緊急利下げ

2年債は過去5週間の相場上昇で利回りが約1ポイント低下してい る。昨年12月に失業率が2年ぶりの高水準に上昇したことに加え、製造 業部門の鈍化で30日の定例会合前に利下げが実施されるとの見方が強ま っていたことが背景。

BNPパリバ・セキュリティーズの米国債トレーディングの責任者、 ジェフリー・フェイゲンウィンター氏は緊急利下げの「時機は熟してい た」と述べた。

定例のFOMC会合を待たない緊急利下げが最後に実施されたのは 01年9月17日。このときは米同時多発テロ攻撃を受けて50bpの利下 げが実施された。98年と01年に実施された過去4回の緊急利下げでは いずれも、その後の定例会合で追加利下げが決定している。

シカゴ商品取引所(CBOT)のFF金利先物相場によると、30日 のFOMCで金利がさらに50bp引き下げられ3%となる確率は76%と みられている。1週間前にはトレーダーは今月中に政策金利が3.5%を 下回る水準に引き下げられる可能性はないとみていた。

株式と債券相場

ウェルズ・ファーゴ・キャピタル・マネジメント(ミルウォーキ ー)で約30億ドルの資産を運用するジェイ・ミューラー氏は「緊急利下 げに不意を突かれた市場はさらに金利見通しを下げている」と指摘。 「FF金利がどこまで低下するか、市場の見通しは大きく下方修正され た」と述べた。

ゴールドマン・サックス・グループとクレディ・スイス、バークレイ ズ・キャピタルは、米政策金利が来週さらに0.5ポイント引き下げられ、 最終的には2.5%まで低下するとみている。4月末までにこの水準に金利 が低下する確率は、金利先物市場では49%とみられている。

世界的な株価の下落も米国債相場を押し上げた。米経済が一段と鈍 化している兆候が増えるなか、主要株価指数は東京からパリに至るまで そろって下落した。

30年債利回りは4.195%と、05年7月以来の低水準を付けた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE