MBIAとアムバック、CDO保証でつまずく-高利益狙いが落とし穴

MBIAやアムバック・ファイナンシャル・ グループなど金融保証会社は、地方債保証で高い収益を上げてきた。MBIA の過去5年の平均利益率は39%と、S&P500種株価指数構成企業の平均の4 倍強(ブルームバーグ調べ)。アムバックはさらに高く48%だった、

しかし、そうした良い時代は終わった。地方債のせいではない。さらに高 い利益を狙って参入した米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン 関連証券の保証事業が、落とし穴となった。大手金融保証会社の一部は、資本 目減りにつながるような巨額支払いの可能性に直面している。株価は急落し、 最高位の「AAA」格付けは見直し対象となった。フィッチ・レーティングス は18日、アムバックの格付けを「AA」に引き下げた。

既存の大手がサブプライム問題の対応に追われる間に、中核となる地方債 の保証事業には投資家ウォーレン・バフェット氏のバークシャー・ハサウェイ が参入した。

仕組み金融市場に関するアドバイスを提供するアデルソン・アンド・ジェ ーコブ・コンサルティングのマーク・アデルソン氏は「健全で堅実、旧態依然 ながら利益の出る事業は、バークシャーの方に集まるかもしれない」と話す。 そのような事業は「金融保証会社の土台だった」と同氏は指摘した。

危機の芽は、保証会社が債務担保証券(CDO)という商品を発見した約 6年前から育っていた。ウォール街の投資銀行は住宅ローン担保証券や企業買 収向け融資債権をCDOに組成し、機関投資家向けに販売していた。

有利なビジネス

高い格付けと保証料の高さにひかれ、保証会社はデフォルト(債務不履行) 時の支払い保証をCDO保有者に販売した。保有者の多くはCDOを組成した 銀行自身だった。格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の2007 年12月19日付のリポートによると、金融保証会社はサブプライム関連資産を 少なくとも一部に含むCDO1270億ドル(約13兆4700億円)相当に保証を提 供していた。

自治体や非営利団体にアドバイスするキャピタル・マーケッツ・マネジメ ントの経営者、ロバート・フラー氏は「利益率が高く安易なビジネスに見えた ため、金融保証会社は仕組み金融に比重を移し過ぎた」が、「仕組み商品は保 証会社を食い尽くす化け物に変身した」と話した。

転機は昨年訪れた。3大格付け会社は昨年、数千本のCDOを格下げした。 11月だけでも2000本余りが格下げされ、UBSの昨年12月13日付のリポート によると、フィッチの格下げ幅は平均で9.6段階だった。

CDOなどサブプライムローンやホームエクイティ・ローン(住宅担保融 資)を裏付けとした証券の格下げを受け、S&Pは昨年12月に、金融保証会社 は190億ドルの損失の可能性に直面しているとの結論に達した。保証会社は格 下げを回避するため、増資に走った。フィッチは昨年12月末に、MBIAとア ムバック、FGICが4-6週内にそれぞれ10億ドルの資本を増強しなければ 「AAA」格付けを失うと伝えた。

増資や減配

MBIAは昨年12月、投資会社ウォーバーグ・ピンカスから最大10億ド ルの出資を受けると発表。1月9日には減配を発表し、さらにその2日後には サープラスノート(自己資本に参入される社債)で10億ドルを調達した。アム バックは16日に最高経営責任者(CEO)を更迭し、減配を発表。10億ドル余 りの増資計画も示したが、2日後に同計画を撤回した。

最高格付けを持つ金融保証会社のなかで、今のところ仕組み金融市場の落 とし穴にはまっていないのは、ファイナンシャル・セキュリティー・アシュア ランス・ホールディングス(FSA)とアシュアード・ギャランティーの2社 だけだ。

CDOの誘惑は、多くの金融保証会社にとって抗し難いものだった。証券 の格付けはほとんどAAAで、少ない資本で保証を提供することができた。S &Pは07年の業界リポートで、「この種のリスクは、金融保証会社にとって最 も高収益とみなされている」と書いた。S&Pによると、CDOの保証で得ら れる料金は格付け会社が引き当てを求める資本額の50%で、他の種類の仕組み 金融商品保証のリスク調整後利益率8%に比べ有利だった。保証会社が勘定に 入れていなかったのは、格付け会社もCDOのリスクを読み違え、大幅に過小 評価していたという点だ。

貪欲さが落とし穴

調査会社グラハム・フィッシャーのマネジングディレクター、ジョシュア・ ロスナー氏は「金融保証会社は引き受けたリスクに比べ保証料が安過ぎた」と 語り、銀行を評価損から守る代わりに保証会社自体の信用力が低下してしまっ たとして「貪欲さから落とし穴に落ちた」と指摘した。

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