東京外為:円が乱高下、株安止まらず高値更新も-105円狙う動き(2)

東京外国為替市場は円が乱高下。米サブプ ライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題の影響拡大で、世界的な景気 減速懸念が強まる中、世界的な株安の流れに歯止めがかからず、リスク資産圧 縮の動きから朝方は円買いが先行し、対ドルでは約2年8カ月ぶりの高値を更 新した。ただ、急激な円高に対する警戒感もあり、その後は持ち高調整の動き から1円近く値を下げるなど、円は上下に振れる展開となった。

新光証券の鈴木健吾為替ストラテジストは、「テクニカル的にも方向はドル 売り・円買いが強く、株の下落を受けたリスクリダクション(縮小)、サブプラ イムが震源ということでのドル売り、円買いの流れは今しばらく続く」といい、 ドル・円は節目である105円を狙う値動きになっていると指摘する。

一方、今週末から来週にかけてはダボス会議でのポールソン米財務長官の 講演や米国の一般教書演説、FOMC(米連邦公開市場委員会)などイベント が予定されており、「サブプライム対策なども予想されるので、週後半には一方 的な悲観論にも歯止めがかかってくる可能性もある」(鈴木氏)という。

円が乱高下

この日の東京市場では、アジア株や欧州株の下落を背景に円高が進んだ前 日からの流れを受け継ぎ、朝方から円買いが先行。ドル・円は1ドル=106円ち ょうど付近で早朝の取引を開始すると、午前9時前には前日付けた円高値を突 破し、一時1ドル=105円62銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)と、 2005年5月11日以来の水準まで円高に振れた。

ただ、その後は「海外勢を中心とした利食いや本邦輸入のドル買いも見ら れ」(鈴木氏)、持ち高調整の動きが徐々に活発化。「106円20銭を超えてからは ストップ(損失を限定するための円売り・ドル買い注文)もあった」(資産管理 サービス信託銀行資金為替部の野村祥宏調査役)といい、円は106円50銭まで 反落した。

一方、同水準では円の押し目買い意欲が強く、午後に入り日本株やアジア 株が下げ幅を拡大すると、円は再び105円台へ値を戻すなど、底堅い展開が続 いた。

ユーロ・円も朝方に1ユーロ=152円32銭と昨年8月17日以来、5カ月ぶ り高値を更新した後、いったん153円80銭まで円が反落し、その後は153円ち ょうどをはさんでもみ合う格好となっている。

額賀福志郎財務相は22日午前の閣議後会見で、円相場が一時、約2年8カ 月ぶりの円高水準を付けたことについて「具体的にコメントすることを差し控 えたい」と述べる一方、大規模介入の必要性については「考えていない」と明 言した。また、日経平均株価が約2年3カ月ぶりに1万3000円台を割ったこと については「さまざまな指標や市場の動きを見ながら対応を考えていく必要が ある。今は一喜一憂する状況にはない。しっかり見ていく」との考えを示した。

一方、米国の景気悪化に続き、欧州経済の下振れリスクが意識される中、 ユーロ・ドルは一時、1ユーロ=1.4391ドルと昨年12月26日以来の水準まで ユーロ安・ドル高が進んだ。

株安止まらず―日経平均は1万3000円割れ

22日の東京株式相場は大幅続落。日経平均株価は終値ベースで約2年4カ 月ぶりに節目の1万3000円を割り込み、下落率(前日比5.7%安)は米同時多 発テロが起きた翌日の2001年9月12日以来の大きさとなった。

アジア株も軒並み大幅安となり、日本時間午後には香港ハンセン指数が前 日比8%安、インドネシアのジャカルタ総合指数は同10%を超える下げとなる 場面も見られている。また、株価急落を受け、インドのボンベイ、ナショナル 両証券取引所は取引開始直後に取引停止を余儀なくされた。

みずほコーポレート銀行国際為替部の田中義久調査役は、「株がすぐ反転す るような状況でないので、株価下落の流れは変わらないとみられることから、 基本的には円高方向、引き続きクロス円(ドル以外の通貨の対円相場)が重い 状況は変わらない」とした上で、目先はきのう祝日のため休みだった北米勢の 動向に注目している。

日銀、07年成長率を下方修正

日本銀行は22日午後、同日開いた金融政策決定会合で、無担保コール翌日 物金利の誘導目標を「0.5%前後」とする方針を維持することを全員一致で決め た。

日銀はまた、1月の金融経済月報を公表。昨年10月末に示した経済・物価 情勢の展望(展望リポート)の中間評価を行い、2007年度の成長率は1%台半 ばから後半とみられる「潜在成長率をやや下回る」と下方修正した。08年度は 「潜在成長率をやや上回る」としているが、こうした見通しには「海外経済や 国際金融資本市場をめぐる不確実性、エネルギー・原材料価格高の影響などに は注意する必要がある」としている。

福井俊彦日銀総裁は午後、定例会見で、市場の一部で利下げ観測が出てい ることは「承知している」とし、「背景となる経済や金融市場の先行きを判断す る上で微妙な段階に差しかっている」と述べた。一方で、金融政策については 「あくまでフォワード・ルッキング(先見的)に先々を見通し、確信を持って 政策判断を行なう」と言明した。

--共同取材 柿崎元子 Editor:Norihiko Kosaka, Hidenori Yamanaka

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