日本株(終了)日経平均は2年ぶり13000円割れ、世界連鎖安パニック

東京株式相場は大幅続落し、日経平均株 価は終値ベースで約2年4カ月ぶりに節目の1万3000円を割り込んだ。米サ ブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連投資に伴う評価損計上の 動きが中国などにまで広がりを見せる中、前日からの世界的な株安連鎖が継続。 中国やインドなどアジア地域の株価がこの日も大幅安となり、リスク許容度の 低下を背景に世界的な「質への逃避」による株式敬遠の動きが鮮明化した。東 証1部の97%が下げる全面安。

企業年金連合会の年金運用部株式グループリーダー、山本卓チーフ・ファ ンドマネージャーは、「多くの投資家が新興国の台頭による世界的な経済成長 の持続性を信じ込んでいたが、やっと今になって自分たちのロジック(論理) に欠陥があることに気付き始めたところだ」と話している。

下落率は01年9月の米テロ直後来、沈む時価総額

日経平均株価の終値は前日比752円89銭(5.7%)安の1万2573円5銭、 TOPIXは同73.79ポイント(5.7%)安の1219.95。日経平均の下落率は、 ニューヨークで米国同時テロが起きた翌日の2001年9月12日(6.6%)以来 の大きさ。東証1部の売買高は概算で27億8912万株、売買代金は同3兆543 億円、値下がり銘柄数は1682、値上がりは31。東証業種別指数は33指数がす べて下げた。

日経平均が1万2500円台で終えるのは、05年9月11日に実施された衆 議院総選挙で自民党が圧勝し、その後小泉政権の基盤強化、構造改革期待など から上昇基調を強める前の同年9月8日以来のことだ。東証1部の時価総額は 392兆3328億円と、同じく05年9月8日以来の400兆円割れ。

結果的に小泉政権への期待などを含んだ上昇分がはく落した格好になった この日の相場について、新光証券エクイティ情報部の高橋幸男マーケットアナ リストは、「世界的な同時株安の様相を呈してきた」とした上で、日本独自の 側面について「政策の転換が必要だが、政府は手を打とうとしていない。政府 の危機感が薄いのではないだろうか」と話していた。

一時下げ渋り、アジア安で再度売り圧力

前日21日の日経平均先物3月物は、大阪証券取引所での夜間取引で値を 切り下げ、1万3080円で終了。また、シンガポール市場では1万2895円で終 えていた。21日の米国市場は休場だったが、GLOBEX(シカゴ先物取引 システム)の電子取引での清算値は1万2650円と一段安。こうした流れを引 き継ぎ、この日の日経平均はCME清算値にさや寄せする形で朝方から先物主 導で下げを広げた。

午前10時過ぎからは、投資指標やテクニカル指標での割安感、売られ過 ぎ感を背景に買い戻される場面があったが、中国株が大幅続落で始まると、じ りじりと値を切り上げていた日経平均も息切れ。10時40分過ぎから午前取引 終了にかけては再度売りに押される展開となった。

午後はアジア株が全面的に連日で大幅安となったことを受け、市場センチ メントは一段と悪化、日本株への売りがさらに強まるきっかけとなった。興銀 第一ライフ・アセットマネジメントの宮田康弘シニアポートフォリオマネジャ ーは、中国やインドなどアジア株の調整はこれまで小さかった分、「サブプラ イム問題を引き金にした米経済減速の影響が避けられないようだと、アジア株 への売りは当面止まらない可能性もある」と指摘。その場合には、「グローバ ルな投資家は日本株も当然売ってくる」(同氏)という。

日本時間午後のアジア株は、香港ハンセン指数と上海総合指数が5%超下 げるなど中国株が一段安となった。また、ムンバイSENSEX30種指数は、 日本時間1時25分の取引開始直後に10%近く下げ、インドのボンベイ、ナシ ョナル両証券取引所では取引が一時停止となった。

ブリヂスト、コンビニ、コナン商、松竹が安い

個別では、天然ゴムなど原材料価格の高騰や為替の円高傾向から08年12 月期の連結営業利益が前期推定比7%減になりそうと、22日付の日本経済新 聞朝刊が伝えたブリヂストンが急落し、昨年来安値を更新。セブン&アイ・ホ ールディングス、ローソン、ファミリーマート、サークルKサンクスといった コンビニエンスストア株は軒並み安。日本フランチャイズチェーン(FC)協 会が発表したコンビニ会員11社の2007年12月の既存店売上高が前年同月比

1.1%減と、3カ月連続のマイナスとなったことを売り材料視した。

公募増資と追加売り出しに伴う第三者割当増資により、最大で発行済み株 式数の12.5%を発行すると発表したコーナン商事が急落し、東証1部の値下 がり率トップ。映画興行でヒット作に恵まれず、08年2月期通期の連結最終 損益が2億6000万円の赤字(従来予想の10億円の黒字)になりそうだと午後 2時に発表した松竹は大幅続落し、昨年来安値を更新した。

アルテック、ホシデンが上昇

半面、調剤薬局の売り上げが増え、07年4-12月期の連結純利益が2.9 倍に伸びた総合メディカルが反発。利益率の低い産業資材の卸売事業を抑制し、 事業の選択と集中を進めたことが奏功、朝方に07年11月業績予想を上方修正 したアルテックは4日続伸。みずほ証券が21日付で今来期の業績予想を上方 修正し、最上位の投資判断「1」を確認したホシデンは反発した。

新興市場は3指数とも安値更新

国内新興市場は、世界連鎖株安の流れで東証1部銘柄が大きく売り込まれ た影響を受けて、主要3指数がそろって大幅続落。ジャスダック指数の終値は 前日比3.26ポイント(5.2%)安の59.73と、昨年来安値を更新。東証マザー ズ指数は48.60ポイント(7.4%)安の608.17、大証ヘラクレス指数は54.29 ポイント(5.5%)安の936.62で終え、両指数とも算出来安値を記録した。

市場では、「信用取引で新たに追い証(追加担保の差し入れ)を迫られた 個人投資家による換金売りが膨らんだ影響も大きい」(SMBCフレンド証券 の中西文行チーフストラテジスト)との声も聞かれた。

個別では、楽天、SBIイー・トレード証券、インデックス・ホールディ ングス、サイバーエージェント、ACCESS、ぐるなびといった時価総額上 位銘柄がそろって売られた。インフルエンザ診断薬が振るわず、08年3月期 の業績見通しの下方修正と無配見通しを発表したカイノスは急落。半面、イン テリジェンス、中央物産、ゲームオンが上昇。

--共同取材:浅野 文重 Editor:Shintaro Inkyo

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