債券は上昇、株安受け1.315%と2年4カ月ぶり低水準―日銀据え置き

債券相場は上昇(利回りは低下)。世界的な 株安連鎖を背景に、日経平均株価が1万3000円台を割り込む大幅続落となった ことを受けて、安全資産の国債に資金が流入する「質への逃避」の買いが続い ている。新発10年債利回りは1.315%と約2年4カ月ぶりの低水準を更新した。 一方、日本銀行はこの日の金融政策決定会合で、全会一致で金融政策の現状維 持を決めた。

東京先物市場で中心限月3月物は、前日比40銭高の138円86銭で寄り付 いた。直後に138円94銭をつけ、中心限月で2005年9月以来の高値水準まで 達した。その後は高値圏でのもみ合いとなり、午後1時55分現在、32銭高い 138円78銭で取引されている。

日経平均は大幅続落。午後の取引開始直後に再び600円超の下げとなり、 午前につけた安値を更新した。

みずほインベスターズ証券マーケットアナリストの井上明彦氏は、「日経平 均が1万3000円割れで定着するようだと、新発10年債利回りの1.3%割れは時 間の問題」との見方を示している。

新発10年債利回り1.315%、5年債は0.785%

現物債市場で新発10年物の289回債利回りは、前日比4ベーシスポイント (bp)低い1.32%で寄り付いた。その後は1.32―1.33%で推移し、午前10時 すぎに株価が一時的に持ち直すと1.335%をつけた。午後に入ると低下基調を強 めており、1時30分前には1.315%まで低下。新発10年債としては2005年9 月6日以来、およそ2年4カ月ぶりの低水準をつけた。

岡三証券投資戦略部の坂東明継シニアストラテジストは、「先物が上昇し、 現物債が引っ張られている状態。金融機関などは3月末の決算期を控えている ことから保有残高維持のため、売るに売れない状態」と説明した。

中期債も堅調。5年物の69回債利回りは、2bp低い0.785%で寄り付いた。 新発5年債としては、約2年ぶりの0.8%割れとなり、2006年1月18日以来の 低水準。新発2年債利回りは一時0.515%まで低下し、2006年3月13日以来の 低い水準をつけた。

日銀「展望リポート」中間評価で下方修正か

日銀はこの日午後、金融政策決定会合で、無担保コール翌日物金利の誘導 目標を「0.5%前後」とする方針を維持することを全員一致で決めた。ブルーム バーグ調査によると、有力日銀ウオッチャー17人全員がこの日の日銀金融政策 決定会合で金融政策の現状維持を予想していた。

債券相場も日銀決定会合の結果に対し、反応は限定的だった。岡三証券の 坂東氏は、「日銀の金利据え置きは予想通り。市場はすでに織り込んでいた」と 述べた。

市場参加者の関心は、昨年10月に示した「経済・物価情勢の展望(展望リ ポート)」の中間評価や福井俊彦総裁会見などに集まっている。内外の景気後退 懸念が高まるなか、12月の金融経済月報で、下方修正した景気の現状と、特に 先行きをどのように判断するのか注目される。

UBS証券チーフストラテジストの道家映二氏は、中間評価について、「景 気判断が下方修正されよう。今年度の実質国内総生産(GDP)成長率につい て、大勢見通し(中央値)はプラス1.8%になっているが、予測値の見直しはせ ず、『潜在成長率を下回る』との表現により、事実上、引き下げる」と予想する。

(債券価格)                           前日比       利回り
長期国債先物3月物         138.86      +0.40        1.522%
売買高(億円)             37656
10年物289回債            101.62                 1.315%(-0.045)
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