ABNアムロやMFS、株式に弱気-今は前回調整の03年より危険大

米株式市場の指標、S&P500種株価指数が 2003年に直近のピークから10%下落したとき、大手株式投資家は強気だった。

今回は違う。ベアリング・アセット・マネジメントのアンドルー・コール 氏やABNアムロ・アセット・マネジメントのジュースト・バン・リーンダー ズ氏、MFSインベストメント・マネジメントのジェームズ・スワンソン氏な ど機関投資家は、保有または売りで様子を見ている。株価水準は割安なものの、 株は今、前回調整の03年当時よりも危険な状態にあると運用者らはみている。

コール氏は「今は、当時よりもはるかに危険な状態だ」として、「08年は資 金温存の年になるだろう。現金比率を大きくしていることを明言してはばかる 気にはならない」と述べた。

コール氏のベアリング・アセットは03年に債券と現金に比べ株式の比率を 高くしていたが、今年は米リセッション(景気後退)の兆候が強まるなかで株 式を「アンダーウエート」にしたと、同氏はインタビューで述べた。

米金融当局による昨年9月以来1ポイントの利下げも、株式相場について の投資家の見方を明るくさせてはいない。株式は債券との比較で1974年以来の 割安水準となっているが、債券への資金移動は止まらない。

株式は21日、さらに割安になった。MSCI世界指数が3%安と、02年以 来で最大の下落を演じたからだ。米リセッションが世界の成長を鈍化させると の懸念を背景に、株価は香港やロンドン、ブラジルなど各地の市場で下落した。

資金流出

米投資信託協会(ICI)によると、投資家は昨年5-11月の毎月、米株 ファンドから資金を引き揚げた。一方、債券ファンドへの07年の資金流入は米 株上昇相場が始まった02年以来で最大だったという。

モルガン・スタンレーの投資責任者、デービッド・ダースト氏は、「『現実 を直視して行動しろ』と投資家に言っている」という。同氏は先月、現金比率 を16%に引き上げることや、資金を株式から、為替や金利、商品の先物に投資 するヘッジファンドに移すことを勧めた。

ABNのリーンダーズ氏は、企業利益の減少と証券各社の米リセッション 予想に動揺したという。ブルームバーグ・データによると、07年10-12月(第 4四半期)のS&P500種株価指数構成企業の利益は平均17%減少した可能性 がある。7-9月(第3四半期)の2.5%減は02年以来で初の減益だった。

ABNは第4四半期に株式比率を減らし現金と国債、投資適格級社債を増 やした。MFSのスワンソン氏は昨年末に株式の3分の1を売り、米国債を増 やしたという。

最悪の船出

S&P500種は年初からの13営業日で9.8%下落し、07年は1957年の指数 算出開始以来で最悪の船出となった。スワンソン氏は米サブプライム(信用力 の低い個人向け)住宅ローン関連の金融機関の損失が最大2000億ドル(約21 兆円)と今までに明らかになっている額の2倍に達すると予想し、株価は一段 と下落するとみている。

MSCI世界指数は21日に3%下落し、昨年10月31日からの下落率は17% に達した。21日はハンセン指数が5.5%安、英FT100種指数が5.5%安、ブラ ジルのボベスパ指数が6.6%安だった。スワンソン氏は「何もかもに『今すぐ売 れ』というペンキが塗られつつある」として、「こういう下げの数字を次々と見 ているうちに、投資家の心理状態が変わってくる。本物のリセッションと弱気 相場で、2度と回復しないという気持ちに陥るのは簡単だ」と話す。

同氏は、今は買い時ではないとして、「暗闇の中で手探りをしているような 状態だ。底に足が着いて幾分の明かりが見えることを期待しても、今は前方を 見るには暗過ぎる」と述べた。

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