CFS:アインファとの統合案否決-イオン勝利も先行き不透明(5)

ドラッグストアのCFSコーポレーションは 22日、同日開いた臨時株主総会で調剤薬局最大手アインファーマシーズと経営統 合するとの議案が否決されたと発表した。同議案をめぐっては、筆頭株主で総合 スーパー国内最大手のイオンが反対を表明し、委任状争奪戦に発展していた。イ オンが勝利する結果になったが、激しい争奪戦のあとだけに関係はこじれたまま で、まだ先行きは不透明な状況だ。

議決の結果は、議決権行使率は約92%で、議決権総数(5万4319票)に対 し、賛成票の割合が56.6%(2万3290票)、反対票が42.8%(3万748票)だ った。CFSは決議に必要な議決権数の3分の2以上の賛成を得られなかった。 経営陣同士が合意したM&A(企業の合併・買収)が株主総会で否決されるのは、 2007年2月の東京鋼鉄に続いて日本では2例目。

これを受けてCFSの石田健二会長は総会終了後に記者会見し、「否決とい う結果は誠に残念だが、方向性には過半数の支持が得られた」として統合案への 賛同が多数を占めた点を強調し、アインファとは「今後も友好関係を維持してい きたい」と述べた。一方、イオンに対しては「話し合いの場を持ちたい」としな がらも、こじれてしまった関係をどう修復できるのか「分からない」とも語り、 アインファへの友好姿勢との違いを見せた。

さらに同会長は「現実は厳しく受け止めるが、理念は否定されたと思わな い」とし、株主の「総意がどこにあるか分析し、今後も企業価値向上と業績回復 に努めたい」と述べ、現時点で辞任する意思がないことを示した。

TOB、岡田社長は「現時点で考えてない」

イオンの岡田元也社長はCFSの社外取締役を務めているが、今回は取締役 側ではなく、株主側の席に座って出席した。岡田社長は総会後の記者会見で、統 合案が否決されたことについて「CFS経営陣は結果を重く受け止めてほしい い」と述べるとともに、「イオンの提案に同意してほしい」としてCFSに再考 を促し、両社の協力強化にあらためて期待を示した。

ただ、岡田社長はCFSの石田会長に対しては「42.8%の反対票を重く受け 止め、自らの進退をよく考えてもらいたい」とも語った。今後、CFS株に対す るTOB(株式公開買い付け)を行う可能性については「現時点では考えていな い」とだけ述べた。

株主総会では、イオンは個人株主に加え、CFSの大株主である主要取引銀 行の一部などからも賛同を得た。CFSの松岡健二副社長によると、純投資目的 の金融機関は8割が賛成票を投じたが、政策投資目的の金融機関は6割がイオン 側を支持したという。食品メーカーや卸会社を中心に、CFSの取引先株主の一 部も統合反対や棄権にまわった。個人投資家(創業家など除く)は6割がCFS、 4割がイオンに票が流れた。

アインファも同日、臨時株主総会(札幌市)を開き、CFSとの統合案が可 決された。賛成は96.1%だった。CFSはアインファとの友好関係の継続を望ん でいるが、イオンはCFSのみとの提携強化を図りたいため、両社はこの先も平 行線をたどる可能性がある。

次の一手に注目

CFSは2000年4月にイオンと資本業務提携し、出資先のドラッグストアが 加盟する「ウェルシア・ストアーズ」の中核企業となった。しかし04年10月に はイオンのグループ戦略と自社の方針との相違を理由に提携解消を発表。イオン の保有するCFS株の買い戻しも申し入れたが、イオンは解消の事実はないとし て応じず、両社は対立していた。06年1月にはイオンとの提携解消の方針を撤回 し、新しい協力関係を築くことで基本合意した。だが、これまで具体的な提携内 容をイオン側は再三提案してきたが、両社間でまとまった成果はなかった。

コスモ証券の小川浩一郎アナリストは「筆頭株主としての威厳は保てたが、 否決しただけでは何も状況は変わらない。ドラッグストアは低迷する小売業界の 中で成長性が見込める事業なだけに、今後の青写真をイオンがどれだけ明確に描 けるかが問題。CFSへの資本関係の見直しなど、イオンが次の一手をどう出す かが注目される」という。

CFSとアインファの統合案は、4月に共同持ち株会社「CFSアインホー ルディングス」(仮称)を設立。調剤薬局を含むドラッグストア業界で売り上げ 規模首位のマツモトキヨシに次ぐ2位の新会社が誕生するというもの。CFSと アインファの株式移転比率は0.3対1.25で、アインファ1株につき新会社株

1.25株、CFS株1株には同0.3株を割り当てる。

この移転比率に対し、CFSに15%出資しているイオンは「CFSの株主に とって不利」と反発。アインファと統合してもCFSの企業価値は向上しないと も主張し、統合案の白紙撤回を要求してきたが、CFS経営陣は拒否した。イオ ンは統合案を否決するため委任状の勧誘を昨年12月から開始していた。

CFS株は統合案の否決の報道が市場に伝わったあと、東京証券取引所が売 買を一時停止した。停止直前の株価は前日比21円(4.2%)安の482円、アイン ファ株もジャスダックが売買を一時停止した。午後1時4分の時点では同57円 (3.7%)安の1488円だった。イオン株の終値は、同70円(5.3%)安の1261円。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE