三洋電:携帯電話機事業の京セラへの売却合意、400億-500億円で(3)

経営再建中の三洋電機は21日、採算が悪化 している携帯電話機・PHS事業を京セラに売却することで最終合意したと発表 した。売却は会社分割方式で実施。金額は400億-500億円で、売却時の同事業 の資産内容を勘案し、4月1日付で売却を実施した後に最終的な額を決定する。

京セラの川村誠社長、三洋電の山岸健太郎副社長(米ゴールドマン・サック ス出身)らが京都市内で記者会見して発表した。三洋電は昨年10月に、同事業 売却の交渉相手を京セラに絞ると発表していた。売却が両社の業績に影響するの は来期(2009年3月期)以降。発表文によると、同事業分離で三洋電の来期の 連結業績は、売上高が2500億円程度減少、総資産も700億円程度縮小する見込 み。

三洋電の携帯事業の年商は前期(07年3月期)で2770億円と、連結売上高 全体の12.5%を占める。一方、京セラの場合、携帯電話端末やPHS基地局など で構成する「通信機器関連事業」は、今期の9月中間期で売上高が前年同期比

2.8%減の1139億円、営業損益は1億円の赤字(前年同期は10億円の赤字)と なっている。

北米展開などでシナジー目指す

会見で川村・京セラ社長は、三洋電が米大手携帯事業者スプリント・ネクス テルに端末を納入するなどの実績を持つことを強調。同じく北米で事業展開して いる京セラが譲り受ければ「シナジー(相乗)効果」が見込めると利点を強調。 日本市場は携帯電話の普及一巡や販売慣習の変更で急拡大を見込めないこともあ り、買収後は北米での事業展開を強化する方針を示した。

川村氏はまた、国内外での知名度が高いとして、買収後も三洋製の製品につ いては「当面は三洋ブランドを使用する」と説明。買収に伴い「国内800人を含 め2000人の人員を引き受け、リストラなどは考えていない」と語った。

収益計画は不明確

川村社長は会見で両社の携帯事業を合算した売り上げ規模が「4000億円程 度」に達し、京セラの「中核事業」になると述べた。しかし、同事業の今期売り 上げ予想は三洋電が2432億円、京セラは2280億円であることからすれば、700 億円程度目減りする計算になる。

川村社長はまた、買収後の事業の損益について「2けたは欲しい」と語り、 10%以上を目指す考えを示した。しかし、同席した山本康行・京セラ執行役員に よると、同社の同事業の足元の損益は「国内は黒字、海外は赤字で、足して黒 字」の状態。三洋電の山岸氏も採算が厳しいことを認めている。スプリント・ネ クステルが業績不振でリストラを表明している状況下で、どう採算向上を図るか について川村氏は明言しなかった。

また、三洋電は年末に、過去の決算訂正問題に絡み東京証券取引所から監理 ポスト指定を受けるなどしているが、川村氏はこうした「客観状況の変化」は、 買収額の決定とは全く関係ないと強調。「純粋に評価」して額を決めたと語った。

中期戦略

三洋電の今期連結純損益予想は200億円の黒字(前期は454億円の赤字)と、 4年ぶり黒字転換を見込んでいる。営業利益予想は前期比0.9%増の500億円。 この数字には携帯事業の売却をカウントしていない。

昨年11月に発表した09年3月期から3年間の中期経営戦略では、世界一の シェアを持つリチウムイオン電池などへの注力で収益力を強化。営業利益を11 年3月期には900億円、可能なら1000億円に引き上げる計画だ。

東海東京調査センターのアナリスト廣瀬治氏は、携帯事業の売却について、 「三洋は経営資源を二次電池や太陽電池事業に集中するとしているので、これで やりやすくなる」としながらも、「懸念が全てなくなったわけではなく、例えば 白物家電事業の継続を望むならば、商品ラインアップの拡充が必要だろう」と指 摘している。

三洋電では、06年3月の増資引き受けで再建原資3000億円を提供した米ゴ ールドマン・サックスや大和SMBC、三井住友銀行が投資回収目的で、非中核 事業の売却を進めている。携帯・PHSはかつて中核事業だったが、前期には国 内での販売不振により初の営業赤字に転落していた。

三洋電の株価終値は前週末比7円(5.0%)安の132円、京セラは310円 (3.6%)安の8300円。

--共同取材 鈴木宏 Editor: Kenzo Taniai, Hitoshi Ozawa

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