日本株は連日安値へ、世界株安連鎖続く-遠のくデカップリング(2)

東京株式相場は大幅続落し、連日で昨年来 安値を更新する見通し。中国の大手商業銀行が米サブプライム(信用力の低い 個人向け)住宅ローン関連投資に関する評価損を計上する必要があるとの懸念 から、世界的な景気減速、株安連鎖への警戒感が強まっている。銀行や証券な ど金融株のほか、世界景気に敏感な商社や機械、海運株なども下げそうだ。外 国為替市場では円高が一段と進行、自動車や電機など輸出関連株にも採算悪化 を懸念した売りが出やすく、前日に続きほぼ全面安となる公算もある。

ファンドクリエーションの木下晃伸インベストメントアナリストは、「米 景気が減速しても、新興国経済の好調は続くとみる『デカップリング論』が後 退してきた」と指摘。同氏は、日経平均株価が1万3000円の節目を割り込む展 開も想定しておく必要があると見ている。

日経平均先物3月物は、21日の大阪証券取引所での夜間取引で値を切り下 げ、1万3080円で終えている。また、シンガポール市場では1万2895円で終 了。21日の米国市場は休場だったが、この流れを引き継ぐ格好で取引されたシ カゴ先物市場(CME)での清算値は1万2650円となっている。

東京終了後にアジア株下げ拡大

21日は、東京株式市場の取引終了後に、アジア株が軒並み下げ幅を広げた。 上海証券取引所と深セン証券取引所の人民元建てA株に連動しているCSI 300指数は、前週末比268.73ポイント(5%)安の5145.73で終了。下落率は 07年7月5日以来で最大となった。また、香港ハンセン指数は同1383.01ポイ ント(5.5%)安の23818.86と、01年9月12日以来の大幅下落。このほか、イ ンドのムンバイSENSEX30種指数、シンガポールのFTSE ST指数など も大幅安となった。

香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP、オンライン版) は21日、中国の銀行大手、中国銀行が、米国のサブプライム(信用力の低い個 人向け)住宅ローン投資に絡む評価損で、通期が減益または赤字になる可能性 があると伝えた。この報道を受ける形で、サブプライム関連の評価損計上の動 きがアジアの銀行業界全体に波及するのではと懸念された。CSI300の金融株 指数は6.2%安と、業種別10指数の中で最大の下げを記録。

欧州株も大幅安、デフォルトリスク拡大

21日は欧州株式相場も大幅安。世界の経済成長が鈍化し、企業のデフォル ト(債務不履行)が増えるとの懸念が広がった。600銘柄で構成するダウ欧州株 価指数は前週末比5.7%安の308.77と、昨年6月1日に付けた高値から23%安 と、弱気相場入りし、アリアンツやBNPパリバなど金融株の下げが目立った。

同日のクレジット・デフォルトスワップ(CDS)市場では、欧州の社債 保有リスクが過去最大を記録。米アムバック・フィナンシャル・グループなど 金融保証企業の格下げが社債売りにつながるとの観測が広がった。欧州中央銀 行(ECB)の政策委員会メンバー、ウェリンク・オランダ中央銀行総裁は20 日、ユーロ圏の経済成長率がECB予想を下回る可能性があるとの見通しを示 した。こうした動きは、東京市場でも信用収縮に対する懸念が強まる一因とな りそうだ。

為替市場ではリスク回避に伴う円高

外国為替市場では、ユーロやドルなどに対して円高が進行。ブッシュ米大 統領が18日発表した景気刺激策が市場の悲観論修正につながらず、21日のアジ ア株や欧州株がほぼ全面安となったことから、リスク回避に伴う円の買い戻し が加速している。22日早朝の東京外国為替市場では、1ドル=105円80銭付近 (ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)、1ユーロ=152円90銭近辺で取 引されている。

日銀政策決定会合

日本銀行は21、22日に金融政策決定会合を開催。同会合の結果は、22日午 後に発表される。併せて、昨年10月に示した経済・物価情勢の展望(展望リポ ート)の中間評価もまとめる。またこの日夕方には、福井俊彦総裁が会見を開 く段取りとなっている。世界的に金融市場が波乱の色彩を強める中、福井総裁 の発言内容が注目される。

7&iやブリヂストが下落公算、カゴメは逆行高か

個別では、セブン&アイ・ホールディングス、ローソンなどコンビニエン スストア株が売られそうだ。日本フランチャイズチェーン(FC)協会が発表 したコンビニ会員11社(16チェーン)の2007年12月の既存店売上高が前年同 月比1.1%減の6168億円で、3カ月連続のマイナスとなったため。天然ゴムな ど原材料価格の高騰や、為替の円高傾向から08年12月期の連結営業利益が前 期推定比7%減の2050億円程度になりそうと、22日付の日本経済新聞朝刊が伝 えたブリヂストンも軟調となる見込み。

半面、野菜飲料や乳酸菌飲料の販売好調で、07年4-12月期の連結営業利 益が前年同期比13%増の109億円と、通期計画の102億円をすでに上回ったカ ゴメが逆行高となりそうだ。高機能の自動車照明機器の販売が伸び、07年4―12 月期の連結営業利益が前年同期比38%増の175億円前後、社内の想定を10億円 程度上回ったと、22日付の日経新聞朝刊が伝えた小糸製作所にも投資資金が向 かう可能性がある。

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