日本株(終了)昨年来安値、国内外景気の後退懸念-輸出中心に全面安

週明けの東京株式市場では、日経平均株 価、TOPIXがともに昨年来安値を更新した。18日に発表された米国の景 気対策に対する米株の反応が悪く、米景気後退への警戒感を背景にトヨタ自動 車やソニーなど輸出株を中心に幅広く下落。対ユーロでの円高進行や、マンシ ョン販売の減速を示す統計が発表され、国内景気の後退懸念も意識された。三 菱UFJフィナンシャル・グループやミレアホールディングス、三井不動産な ど時価総額の大きい内需株も下げ、東証1部の9割超が下げるほぼ全面安。

日経平均株価の終値は前週末比535円35銭(3.9%)安の1万3325円94 銭、TOPIXは同47.76ポイント(3.6%)安の1293.74。日経平均終値の 下げ幅は大発会の4日(616円)に次ぎ、今年に入って2番目の大きさ。

東証1部の売買高は概算で21億7811万株、売買代金は同2兆5484億円。 値下がり銘柄数は1596、値上がりは103。東証業種別指数では33業種すべて が下げた。

大和住銀投信投資顧問の門司総一郎チーフストラテジストは、米景気刺激 策の内容が市場の期待値に届かなかったことで、投資家の間では「米国の金融 機関や経済全体が一段と不安定になるとの警戒感が高まった」という。

また日本経済については、これまで米国と比べて楽観的に見られていたが、 「直近の機械受注や不動産関連の統計などを見ると、減速は避けられないとい った印象だ」としていた。

不動産経済研究所(東京都新宿区)が21日午後1時に発表したマンショ ン市場動向によると、2007年12月に首都圏で発売されたマンションは前年同 月比20.2%減の8190戸となった。4カ月連続の減少で、都心を中心とする急 ピッチな価格上昇で購入意欲が低下している。首都圏の契約率は59.3%で前 年同月比14.1ポイントの低下、前月比では4.7ポイント低下した。50%台は 92年2月以来、契約率は適正水準と言われる70%を5カ月連続で下回った。

前週末の反動、540円安まで下げる

18日の米株式相場が4日続落し、同日の米シカゴ先物市場(CME)に おける日経平均先物3月物の18日清算値が1万3560円と、18日の日経平均 株価(1万3861円)を大きく下回ったことを受け、この日の日本株は売り先 行で始まった。前週末の日本株は米景気対策に対する期待を背景に、朝安後に 急速に持ち直して終えていたが、米景気の発表を受けた米市場の反応が悪く、 東京市場も反動売りが膨らんだ格好だ。

朝方の先物主導による売りが一巡すると、日経平均は1万3500円の節目 前にいったん下げ止まったかのように見えたが、午前10時過ぎにこれを割り 込むと、再び値を切り下げて下値を模索。午前の取引終了間際に日経平均の下 げ幅は469円まで拡大、午前はそのまま安値圏で終えた。

午後の取引開始直後にさらに下げを広げた後に急速に下げ渋る場面があっ たが、買い戻す勢いは鈍く午後2時前から再び下落幅を拡大。2時43分には 540円安の1万3320円まで下げた。中国の上海総合指数と香港ハンセン指数 がともに3%超下げるなど、アジア株がほぼ全面安となったことが、市場セン チメントを弱めた面もある。マネックス証券投資情報部の小沼利幸氏によると、 「18日のように午後に大きく値を切り上げることへの期待があった中で、買 い戻す動きが鈍かったために、見切り売りが膨らんだ格好だ」という。

米モノライン格下げ、保険に悪影響大

18日の米国市場では、アメリカン・インターナショナル・グループ(A IG)やバンク・オブ・アメリカ(BOA)、ワコビアを中心に金融株が売ら れ、S&P500種の金融株指数は2003年9月以来の水準に下げた。米格付け 会社フィッチ・レーティングスが18日、金融保証会社(モノライン)大手ア ムバック・ファイナンシャル・グループの保険部門であるアムバック・アシュ アランスの保険会社財務格付け(IFS格付け)を「AA」とし、最高格付け の「AAA」から2段階引き下げたことなどを受け、米金融市場の波乱が意識 された。

ちばぎんアセットマネジメント運用部の長壁啓明ファンドマネージャー氏 は、モノラインの格下げで「証券化商品の格付けも連動して引き下げられた場 合、銀行や証券会社も悪影響は避けられないが、最も大きな影響を被るのは保 険会社だろう」との見方を示している。保険会社の中にはモノラインの保険を 引き受けているところもあるようで、「証券化商品のデフォルトが生じた場合 には保険金の支払いに応じる必要が出てくる可能性がある」(同氏)ためだ。

この日は、金融株が全体的に売られたが、特に大手保険株の下げが目立っ た。最大手のミレアHDが4.8%安となったほか、三井住友海上火災保険、あ いおい損害保険は5%超の下落。

三越と伊勢丹が5%超安、電通は大幅続落

個別では、日本百貨店協会が18日発表した07年12月の全国百貨店売上 高が前年同月比2.3%減の8753億円と2カ月ぶりに前年実績を下回ったこと を受け、百貨店株の一角が安い。三越と伊勢丹は5%超下落。メリルリンチ日 本証券が18日付で投資判断を「買い」から「中立」に下げた電通は8.6%安 と大幅続落。業界の再編をにらみ、半導体事業を今春にも分社化する方針を固 めたと20日付の朝日新聞朝刊で伝わった富士通は反落。

このほか、マンション発売戸数の落ち込みを背景に、三井不、三菱地所、 大経など不動産株にも下げが目立った。公共投資削減で官需が縮小傾向、競争 激化で販売価格下落も重なり、今期(2008年5月期)の連結最終損失が拡大 する見通しの前澤工業は急落し、上場来安値を記録。販売不振や有価証券評価 損の計上で07年3-11月の連結純利益が同45%減と落ち込んだ東京スタイル は3営業日ぶり反落。

新生銀やふくおかF上昇、消費者金融高い

半面、米投資会社によるTOB(株式公開買い付け)が成立、買い付け上 限としていた発行済み株式数の22.7%を取得された新生銀行が反発。日興コ ーディアルグループの23日上場廃止が確定したことに伴い、日経平均株価の 構成銘柄に補充されることになったふくおかフィナンシャルグループは続伸。 みずほ証券が18日付で投資判断を「中立」から「買い」に引き上げたエルピ ーダメモリは大幅に3日続伸。米投資ファンドが株式総数の5%超を保有して いることが明らかになったアイフルが3連騰。武富士やアイフル、プロミスと いった他の消費者金融株にも買いが波及した。

携帯交流サイトのモバゲータウンの会員数増で、08年3月期の連結純利 益が前期比2.5倍の63億円(従来計画は45億円)になるもようのディー・エ ヌ・エーは13%高で、東証1部の上昇率トップ。アインファーマシーズとの 経営統合を諮る臨時株主総会をあす開くCFSコーポレーション、日産ネット ワークが増資を引き受け筆頭株主に浮上した東日カーライフグループも急騰。

新興市場は3指数とも反落

国内新興市場は、東証1部大幅安の影響を受けて主要3指数がそろって反 落。ジャスダック指数の終値は前日比0.55ポイント(0.9%)安の62.99。東 証マザーズ指数は23.60ポイント(3.5%)安の656.77。大証ヘラクレス指数 は20.56ポイント(2%)安の990.91。

個別では、楽天、インデックス・ホールディングス、サイバーエージェン ト、ミクシィなど時価総額上位のインターネット関連株が下落。日興シティグ ループ証券が投資判断を「買い」から「中立」に引き下げた竹内製作所は急反 落。2008年3月期通期の業績予想を下方修正したAQインタラクティブはス トップ安(値幅制限の下限)まで売り込まれた。半面、ワークスアプリケーシ ョンズ、アーク、ザッパラス、大阪証券取引所が上昇。

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