08年の銅相場は7年ぶり下落か-米景気減速や中国の景気抑制策で

銅相場は2008年に、米経済のリセッション (景気後退)入りのリスクや中国政府の景気抑制策の影響で、年間ベースで7年 ぶりの下落となる可能性がある。

米リゾルブド(アリゾナ州)のデービッド・スレルケルド社長は、米国が 1980年以降で最悪となる住宅市場の不振に見舞われており、パイプやワイヤー の販売が減少すると述べている。また中国向けの銅の輸出ペースも、金利の引き 上げや今夏の北京五輪向けの設備建設の完了により鈍化するだろうと指摘。国際 銅研究会(ICSG)は、チリとコンゴ民主共和国が銅の供給量を増やすと予想 している。

07年5月に、銅相場がその年のピークを付けたと正確に予測したスレルケ ルド氏は、「現在の銅相場の水準には驚いている」と述べた上で、「この水準を 正当化するような実需はない」と指摘した。

銅相場は過去3回の米国のリセッションのたびに下落しており、フランスの 銀行最大手BNPパリバによれば、今年末までに7%下げる可能性がある。米ゴ ールドマン・サックス・グループは銅相場下落の影響で、銅生産会社で世界上位 3社の米フリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールド、オーストラ リアのBHPビリトン、スイスのエクストラータの利益が減少する恐れがあると 指摘している。02年以降、3社の株価はそれぞれ年平均で少なくとも32%上昇 している。

70億ドル相当の資産を運用するダイアパソン・コモディティーズ・マネジ メントの最高投資ストラテジスト、ショーン・コリガン氏(ローザンヌ在勤)は 「われわれは、資金を引き揚げるだろう」と述べた。コリガン氏によれば、ダイ アパソンは非鉄金属相場の下落を予想し、後に価格が下がったところで買い戻せ るように空売りを始める可能性が強い。

着実な08年のスタート

ロンドン金属取引所(LME)の銅相場は、今年に入り最初の2週間で 11%上昇し1トン当たり7400ドルとなった。これは過去20年余りで最も良いス タートとなる。01年以降、銅相場は年間ベースで毎年上昇しており、06年5月 11日には過去最高値となる1トン当たり8800ドルを付けた。

ICSGは、今年銅の供給が需要を24万9000トン上回り、供給超過が01 年以来最大になると予測している。過去最高値水準への相場上昇に伴う投資増加 により、チリやメキシコ、ザンビア、コンゴ、ペルーの各国で生産量が増加する とみている。

米メリルリンチやモルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス、野村セ キュリティーズ・インターナショナルなど一部の大手証券会社は、今年の米リセ ッション入りを予想している。またリーマン・ブラザーズ・ホールディングスは 中国について、利上げや融資抑制で今年の経済成長率が9.8%と、02年以降で最 低になるだろうと指摘している。

日本の住宅市場鈍化

ゴールドマンによれば、日本が今年リセッションに陥る確率は50%。東京 商工リサーチによれば、建設業界における企業倒産件数は07年に4年ぶりの高 水準に増加した。

BNPパリバの金属アナリスト、デービッド・サーテル氏(ロンドン在勤) は「欧米や日本の景気鈍化や中国での金融引き締め策を考えると、銅需要を強く 刺激する要因はどこにも見当たらない」と述べた上で、「こうした環境下では、 供給面での混乱がない限り、銅相場が07年の平均を維持する方法は何もない」 と指摘した。

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