ユーロ相場下落は時間の問題、賃上げが成長の足かせ-専門家の見方

鉄道技士や車掌のおかげで、ユーロ相場が これまでのドルと同様の動きを始めるのは時間の問題になっている。

ドイツの鉄道労働者3万人が加盟する労組GDLは先週、賃上げ率を最低 限に抑えたい欧州中央銀行(ECB)の要請に配慮することなく、会社側から 11%の賃上げを勝ち取った。今年はこの労働協約がユーロ圏の労働者1億5000 万人の約半数にとって、賃金交渉の基準になる可能性があると言うのは、米銀 2位バンク・オブ・アメリカ(BOA)の主任欧州エコノミスト、ホルジャー ・シュミーディング氏だ。

UBSの為替ストラテジスト、ジェフリー・ユー氏(チューリヒ在勤)は、 トリシェECB総裁が賃上げに伴う購買力の拡大を受け、インフレ抑制のため 自らの意思より長く政策金利の据え置きを強いられるかもしれないと指摘す る。

政策金利据え置きが長引けば長引くほど、経済成長ペースや過去2年間で 20%上昇したユーロ相場が脅かされるリスクは大きくなる。ユーロのプットオ プション(売る権利)のプレミアムは、ほぼ3年ぶりの高水準に達している。

ユー氏は「成長ペースに着目している投資家の資金がユーロを離れている」 と指摘。「実際、ユーロ圏経済に価値は見いだせない」と語った。

ユーロの対ドル相場は過去5営業日で1.8%下落し、3週間ぶりの安値とな る1ユーロ=1.4533ドルになった。トリシェ総裁が、インフレが加速すれば政 策金利を現行の4%から引き上げる可能性を示したことが背景にある。

ブルームバーグが43人を対象にまとめた予想中央値によると、今年の対ド ル相場は前年比3.7%安の1ユーロ=1.40ドルになる見込み。2009年は同10.5 %安の1.30ドルになるとみられている。対円相場は今年が2.8%安の1ユーロ =151円、09年が8%安の143円の見通し。

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