リーマン証・田中氏:「不況通貨」円は95円も―ユーロは1.4ドルへ

リーマン・ブラザーズ証券の田中泰輔チー フ外国為替ストラテジストは21日、ドル安・円高の背景や1ドル=100円割れ の可能性、ユーロ・ドルの見通しなどについて、以下のようにコメントした。

ドル安・円高の背景について:

「基本構図はドル安。米経済が悪化して米金利が下がる、米国は経常赤字 国である、ということからドル安になるというのは昔から何度も繰り返されて きた古典的なパターンで、それに沿ってドル安・円高になっている」

「円やスイス・フランには不況通貨という色彩があり、経常赤字国である 米国で事態が悪くなってドル安になると、黒字国通貨であるスイス・フランや 円が買われやすくなる。これは世界のお金の巡りが悪くなってきて、赤字国に お金が入りにくい、黒字国にお金が滞留しやすい、だからいや応なく通貨が押 し上げられるという側面がある」

ドル相場の見通しについて:

ここ数年ドルからユーロなどへの資産分散が続いてきたが、「それによって 米国資産が信認を失っているというわけでもなかった。ここ2-3年ドル安が 続いてくる中で、トリプル安でもなく、米株はむしろ最高値を更新してきた」

米資産については、「基本的に安くなった後には、そこを買いたいという投 資家がいる。信認を失っていないので、割安になったドル資産については、粛々 と買おうという人がいることは認識しておく必要がある」

「ドル安が長年続いてきた結果、ユーロ、ポンド、カナダ・ドルなどがす べて割高になっている。これらの通貨は、それぞれの国の景気、金利がピーク アウトしてくると、景気循環上の売り圧力を受けるようになる。ユーロ・ドル は今年、1ユーロ=1.4ドル、ポンド・ドルは1ポンド=1.9ドルに向かって下 落してくると思っている」

円は、「まずは当面のドル安環境の中で円高圧力を受けて、その後は『その 他通貨』が売られてくる中で円高圧力を受けてしまう。ドル・円は、ドル安局 面の中で1ドル=105円、100円と向かっていって」、まだ市場に残っているポ ジションが「どうも100円で止まりそうもないと思った瞬間に処分されて、95 円まで突っ掛けていくという展開もみている」

「100円がらみでは(介入も)最終的にせざるを得ないという面があるのかな と思っているが、最近は介入しないのではないかという情報も出ているので要 注意だ」

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