富士通:半導体3月に分社化、開発生産拠点も再編-費用100億円(2)

国内半導体メーカー4位の富士通は21日、半 導体事業を3月をめどに分社化すると発表した。開発・生産拠点も再編、先端技術 の開発拠点「あきる野テクノロジセンター」(東京都あきる野市)の生産設備を、 2008年度上期までに量産拠点の三重工場(三重県桑名市)に移す。

新会社の資本金、新会社名、役員人事、事業計画などの詳細は近く発表する。 設備移管などに伴い発生する費用は除却損などで約100億円。今期(2008年3月 期)の業績に与える影響は、31日に予定している第3四半期(07年10-12月)の 業績発表時に開示する。

分離・独立は、経営を効率化し収益を改善するのが目的。半導体事業の今期売 上高予想は前年度比12%増の5300億円と、全社売上高の約10%を占める。営業損 益は数十億円の黒字に転換(前年度は約200億円の赤字)する見込みだが、設備投 資が過去数年間にわたり約1000億円と全社の3分の1以上を占める割には、連結 決算への収益貢献度は低い。

開発体制では、業界で09年ごろにも始まる45ナノ(ナノは10億分の1)メ ートル世代半導体の量産をスムーズに立ち上げるために、あきる野センターでは不 十分と判断、直径300ミリメートルウエハーラインを持つ三重工場へ一本化し効率 化する。あきる野センターには直径200ミリメートルのラインがある。

00年7月に設立したあきる野センターでは、サーバーやスパコンなど最先端 の技術を必要とする半導体製品を試作・少量生産。これまで90ナノと65ナノ両世 代のプロセス技術開発・試作を行い、それを三重工場に移植、量産を立ち上げた実 績もある。今後は設計・開発機能に専念し、約2000人の従業員のうち約350人も 再配置する。

利益率5%へ自立促進

中期計画で10年3月期に5%以上の営業利益率を目指す富士通にとって、半 導体、サーバー、ハードディスク駆動装置(HDD)など収益の低いハードウエア 事業のてこ入れは急務。

黒川博昭社長は昨年、「ハードウエア事業の領域は大きな課題。特に半導体は まだまだ努力が必要」とのメッセージを明確に発信、「原則として、投資は各事業 が生み出すキャッシュフローの範囲内でやってもらう」と、自立を強く促し始め た。同時にHDDや半導体について「他社と組む選択肢は否定しない。ずっと1人 でやっていけるとは思っていない」と、あらゆる可能性を模索する考えを示してい た。

小倉正道副社長も昨夏「長い目で見ると、半導体とHDDは当社に限らず単独 では生き残れない状況になりつつある」と表明し、事業立て直しに向け提携や経営 形態の見直しを検討する方向を明確にしていた。一つの考え方として「自力でキャ ッシュフローを生み出し、利益を上げる自己完結型の経営ができるかがポイント」 としていた。

富士通株の株価は前日比11円(1.5%)安の715円(午後2時39分現在)。

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