午前の日本株は大幅反落、米対策期待はく落-輸出中心に全面安(2)

週明け午前の東京株式相場は大幅反落し、 主要株価指数はこの日のほぼ安値圏で終了。18日に発表された米国の景気対 策に対する米株式相場の反応が悪く、米景気後退への警戒感を背景にトヨタ自 動車やソニーなど輸出関連株を中心に幅広く下落した。金融保証会社(モノラ イン)に対する格下げで米金融株の下げが目立った影響から、三菱UFJフィ ナンシャル・グループやミレアホールディングスも安い。東証1部の値下がり 銘柄数は1532、値上がり銘柄数は139。東証業種別33指数はすべて下げた。

日経平均株価の午前終値は前週末比466円1銭(3.4%)安の1万3395円 28銭、TOPIXは同39.80ポイント(3%)安の1301.70。日経平均、TO PIXともに、16日に付けた終値ベースの昨年来安値を下回っている。東証 1部の売買高は概算で8億9854万株。

ちばぎんアセットマネジメント運用部の長壁啓明ファンドマネージャーは、 18日の米国では、ブッシュ大統領による景気刺激策の発表と同時に、「米連 邦準備理事会(FRB)が協調して緊急利下げに動くとの期待もあっただけに、 失望感は大きい」と話す。

前週末の反動、後半にじり安

18日の米株式相場が4日続落し、同日の米シカゴ先物市場(CME)に おける日経平均先物3月物の18日清算値が1万3560円と、18日の日経平均 株価(1万3861円)を大きく下回ったことを受け、この日の日本株は売り先 行で始まった。前週末の日本株は米景気対策に対する期待を背景に、朝安後に 急速に持ち直して終えていたが、米景気の発表を受けた米市場の反応が悪く、 東京市場も反動売りが膨らんだ格好だ。

朝方の先物主導による売りが一巡すると、日経平均は1万3500円の節目 を前にいったん下げ止まったかのように見えたが、午前10時過ぎにこれを割 り込むと、再び値を切り下げて下値を模索。午前の取引終了間際に日経平均の 下げ幅は469円まで拡大、そのまま安値圏で取引を終えた。

米景気対策発表は効果の持続性疑問も

ブッシュ米大統領は18日、米国で高まっている景気悪化のリスクに対応 するため、最大1500億ドル(約16兆円)規模の緊急景気拡大策を提案した。 同大統領は、「ファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)は強くても、経済 が悪化するリスクがある」とし、同策には企業の税優遇措置や、米国民に対す る直接、かつ早急な所得税軽減措置が含まれているという。米議会との協議が 続いているため、拡大策の詳細には言及しなかった。

東洋証券の大塚竜太情報部長は、米景気対策について「米国民や企業に対 する税金優遇措置にとどまり、短期的なカンフル剤にはなったとしても、効果 の持続性に欠ける内容」との見方を示した。また、詳細が不明なことも「投資 家の米経済の先行き不安感を晴らすには至らなかった一因」(同氏)という。

米モノライン格下げ、保険に悪影響大きい

18日の米国市場では、アメリカン・インターナショナル・グループ(A IG)やバンク・オブ・アメリカ(BOA)、ワコビアを中心に金融株が売ら れ、S&P500種の金融株指数は2003年9月以来の水準に下げた。米格付け 会社フィッチ・レーティングスが18日、モノライン大手アムバック・ファイ ナンシャル・グループの保険部門であるアムバック・アシュアランスの保険会 社財務格付け(IFS格付け)を「AA」とし、最高格付けの「AAA」から 2段階引き下げたことなどを受け、米金融市場の波乱が意識された。

ちばぎんアセットの長壁氏は、モノラインの格下げで「証券化商品の格付 けも連動して引き下げられた場合、銀行や証券会社も悪影響は避けられないが、 最も大きな影響を被るのは保険会社だろう」との見方を示している。保険会社 の中にはモノラインの保険を引き受けているところもあるようで、「証券化商 品のデフォルトが生じた場合には保険金の支払いに応じる必要が出てくる可能 性がある」(同氏)ためだ。この日は、金融株が全体的に売られたが、特に大 手保険株の下げが目立った。最大手のミレアHDが4.2%安となったほか、三 井住友海上火災保険、あいおい損害保険は5%超の下落。

三越と伊勢丹が4%超安、電通は大幅続落

個別では、日本百貨店協会が18日発表した07年12月の全国百貨店売上 高が前年同月比2.3%減の8753億円と2カ月ぶりに前年実績を下回ったこと を受け、百貨店株の一角が安い。三越と伊勢丹は4%超下落。メリルリンチ日 本証券が18日付で投資判断を「買い」から「中立」に下げた電通は8.2%安 と大幅続落。業界の再編をにらみ、半導体事業を今春にも分社化する方針を固 めたと20日付の朝日新聞朝刊で伝わった富士通は反落。

このほか、公共投資削減で官需が縮小傾向、競争激化で販売価格下落も重 なり、今期(2008年5月期)の連結最終損失が拡大する見通しの前澤工業は 急落し、上場来安値を記録。販売不振や有価証券評価損の計上で07年3-11 月の連結純利益が同45%減と落ち込んだ東京スタイルは3営業日ぶり反落。

新生銀やふくおかF高い、DNAは上昇率トップ

半面、米投資会社によるTOB(株式公開買い付け)が成立、買い付け上 限としていた発行済み株式数の22.7%を取得された新生銀行が急反発。日興 コーディアルグループの23日上場廃止が確定したことに伴い、日経平均株価 の構成銘柄に補充されることになったふくおかフィナンシャルグループが小幅 続伸。みずほ証券が18日付で投資判断を「中立」から「買い」に引き上げた エルピーダメモリは3日続伸。

携帯交流サイトのモバゲータウンの会員数が寄与し、08年3月期の連結 純利益が前期比2.5倍の63億円(従来計画は45億円)になるもようと発表し たディーエヌエーは11%高で、東証1部の値上がり率トップ。日産ネットワ ークが増資を引き受け筆頭株主に浮上した東日カーライフグループも急騰。

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