1月18日の海外株式・債券・為替市場

○米国株:4日続落。ブッシュ政権が1500億ドルの財政刺激策を発表したもの の、リセッション(景気後退)入りを回避することはできないとの見方から売り が続いた。S&P500種株価指数は週間ベースで5年ぶりの大幅な下げとなった。

アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)やバンク・オブ・ アメリカ(BOA)、ワコビアを中心に金融株が売られ、S&P500種の金融 株指数は2003年9月以来の水準に下落した。米携帯電話サービス3位のスプ リント・ネクステルは25年余りで最大の値下がり。加入者の減少規模がアナ リスト予想を上回った。

S&P500種株価指数は前日比8.06ポイント(0.6%)下げて1325.19。 年初からの下落率は9.8%と、年明けとしては過去最悪の滑り出し。ダウ工業 株30種平均は同59.91ドル(0.5%)安の12099.30ドルで終えた。ナスダ ック総合指数は同6.88ポイント(0.3%)下落の2340.02ポイント。ニュー ヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は2対3。

フィデュシアリー・トラスト(ボストン)のマイケル・マレーニー氏は 「株式市場全体で不安な心理が続いており、刺激策を実施してもリセッション を回避するには不十分かもしれない。問題の1つは市場が予想したほど規模が 大きくなかったことだ」と指摘した。

ブッシュ大統領が国内総生産(GDP)の1%に相当する1500億ドルの 刺激策を発表すると、主な株式指数は朝高から下げに転じた。同景気対策には 企業の税優遇措置や「米国民に対する直接、かつ早急な所得税軽減措置」(大 統領)が含まれている。

週間ベースの下げ

S&P500種は今週、5.4%安と、週間ベースとしては2002年7月以降 で最大。ダウ平均は4%安、ナスダックは4.1%下落した。

ゼネラル・エレクトリック(GE)とIBMが米国外の成長により、米景 気減速の悪影響を克服するとの見解を示したため、朝方は買いが先行した。

S&P500種の金融株指数は前日比1.8%下落。年初からは18%下げた。 2007年は21%安。

スプリント・ネクステルは25%安。約4000人の人員削減を明らかにした。 2007年10-12月(第4四半期)の解約件数は約68万3000件。2007年通 年では120万件となった。

弱気相場入りに接近

主な株価指数はピークから20%安のいわゆる弱気相場入りに近づいている。 S&P500種とダウ平均は昨年10月9日の最高値から15%下落。ナスダック は10月31日に付けた直近高値から18%安。中型株で構成するラッセル 2000指数は昨年7月13日の高値から21%下落している。香港やアイスラン ドの主な株価指数はすでに弱気相場入りしている。

BOAは金融保険株の投資判断を引き下げた。経済成長の失速と損失拡大 の可能性が理由。BOAはMBIAやアムバック・ファイナンシャル・グルー プ、セキュリティー・キャピタル・アシュアランスの判断を「買い」から「中 立」へ引き下げた。

BOAのアナリストは18日付のリポートで「金融保証会社は最悪な状態 にある。損失が最悪のシナリオになる可能性はわずか6カ月前は小さかったが、 今はその確率は高い」と指摘した。

アムバックの格下げ

米格付け会社フィッチ・レーティングスは18日、金融保証大手アムバッ ク・ファイナンシャル・グループの保険部門であるアムバック・アシュアラン スの保険会社財務格付け(IFS格付け)を「AA」とし、最高格付けの「A AA」から2段階引き下げたと発表。さらに引き下げる可能性があるとの見方 も示した。アムバックは18日、株価が過去2日間で70%下落したことを受け、 10億ドルの増資を取りやめると発表していた。株価は4セント安の6.20ドル で終了。

MBIAは7.3%安。セキュリティー・キャピタルやXLキャピタル・ア シュアランスも安い。

ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)も下落。モルガン・スタンレーが債券 市場の損失拡大リスクを理由に投資判断を引き下げたことが売りを誘った。

GEとIBMの上昇

GEは上昇。継続事業ベースの利益は68億2000万ドル(1株当たり68 セント)と前年同期から増加。アナリストの1株当たり利益予想と一致した。 ジェットエンジンや発電用タービンの海外販売が好調だった。

IBMも高い。2008年通期利益が最大で1株当たり8.3ドルとの見通し を示した。アナリスト予想は7.90ドル。

○米国債:2年債が上昇、利回りは2004年以来の低水準に押し下げられた。ブ ッシュ米大統領が景気刺激策を発表したが、経済がリセッション(景気後退)に 陥るとの懸念は緩和されず、債券が買われた。

2年債と10年債の利回り格差は過去3年で最小になった。米株式相場もブ ッシュ大統領の景気刺激策発表にもかかわらず、下落した。年初からこれまで、 米国債の値上がり率はすべての償還期間について過去20年で最大。市場参加者 は連邦公開市場委員会(FOMC)がフェデラルファンド(FF)金利誘導目標 を大幅に引き下げるとみている。

RBCキャピタル・マーケッツの米国債トレーダー兼ストラテジストのショ ーン・マーフィー氏は、「問題はまだ存在している。財政刺激策はイールドカー ブをさらにスティープ化させることになる」と語った。

キャンター・フィッツジェラルドによると、2年債利回りは前日比6ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01ポイント)低下して2.35%。2年債価格(表面 利率3.75%、2009年12月償還)は3/32上げて101 22/32となった。

債券利回り低下

今週の債券相場上昇で2年債利回りは14bp低下した。18日は一時、2004 年8月以来の低水準となる2.33%まで低下する場面もあった。過去1カ月間で 利回りは78bp低下。これは1987年以来で最大の低下幅。

10年債利回りはほぼ変わらずの3.63%。週間ベースでは16bp下げた。 前日には3.60%と、2003年7月以来の最低を記録した。

米証券業金融市場協会(SIFMA)の勧告により、18日は2時までの短縮 取引だった。21日はキング牧師生誕記念日で休場となる。

メリルリンチのデータによると、米国債の投資リターンはすべての償還期限 を対象に1月1日以来2.25%と、少なくとも1987年以来で最高を記録した。

米景気拡大策

ブッシュ米大統領は米国の経済成長を維持するためには約1500億ドル規模、 もしくは実質国内総生産(GDP)の1%規模の景気拡大策を「一刻も早く実施 する必要がある」と述べた。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は17日、1000億ドルの財 政刺激策は今年下半期の経済成長に「実質的な」効果をもたらすだろうとの見解 を示した。

0.75ポイント利下げ観測強まる

金利先物市場動向によると、1月30日のFOMC会合までにFF金利誘導 目標が0.75ポイント引き下げられる確率は72%、0.5ポイントの利下げを織り 込む確率は28%だった。

2年債利回りは10年債利回りよりも1.29ポイント低い。利回り格差は 2004年12月以来で最大。イールドカーブのスティープニング化は利下げが見込 まれ、短期債への需要の高さを反映している。

ブルームバーグ・ニュースがまとめた調査によると、3月末までに10年債 利回りは3.87%、2年債は2.87%まで上昇すると見込まれている。

○NY外為:週間ベースで、円が対ドルで上昇。ブッシュ米大統領が提 案した景気刺激策がリセッション(景気後退)回避に十分でないとの観 測が背景。

ブッシュ大統領はホワイトハウスで記者会見し、米国の経済成長を 維持するためには約1400億ドル(約15兆円)規模の景気拡大策を「一 刻も早く実施する必要がある」と述べた。

同大統領によると、景気拡大策は実質国内総生産(GDP)の約 1%に相当する。また、米民間調査機関コンファレンス・ボードが発表 した12月の米景気先行指標総合指数(LEI)は3カ月連続の低下とな った。

ニューヨーク時間午後4時11分現在、ドルは対円で1ドル=106円 66銭。週間ベースでは円は対ドルで2%上昇した。円は対ユーロでは1 ユーロ=155円89銭。円は一時、4カ月ぶりの高値となる同155円70 銭を付けた。週間ベースでは円はユーロに対し3%上昇。ドルは対ユー ロで1ユーロ=1.4611ドル。

ブッシュ大統領はまた、景気刺激策には企業の税優遇措置や「米国 民に対する直接、かつ早急な所得税優遇措置」が含まれていると述べた。

ドルの軟調

英スタンダード・チャータード銀行のシニア通貨ストラテジスト (ニューヨーク在勤)、マイク・モラン氏は「市場は今回示された景気 刺激策が十分早急に景気てこ入れにつながるとは納得していない」と述 べた。さらに「ドルは円に対して軟調になっている」と語った。

コンファレンス・ボードが発表した12月の米景気先行指標総合指数 (LEI)は前月比0.2%低下した。

米リッチモンド連銀のラッカー総裁はこの日の講演後、記者団に対 し、景気失速を示す最近のデータを受け、追加利下げ検討へ「一段と前 向きになった」と述べた。

シカゴ商品取引所(CBOT)のFF金利先物相場によると、FO MCが30日の定例会合で現行4.25%のFF金利誘導目標を3.5%に引き 下げる確率は72%とみられている。0.5ポイントの利下げにとどまると する見方は28%に低下した。

ポンドはドルに対し前日比0.9%安の1ポンド=1.9537ドル。昨年 12月の英小売売上高が予想外に低下したことが背景だった。

リスク回避

円は今週、上昇。世界の株安で、景気拡大見通しに基づく取引に対 するトレーダーの信頼感が弱まっていることが背景だった。S&P500 種株価指数はこの日0.6%下落、年初来では9.8%安と、年初めとしては 最悪のスタートとなっている。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンのシニア通貨ストラテジスト、 マイケル・ウールフォーク氏は「投資家の間で引き続きリスク回避姿勢 が見られ、円買いを促している」と付け加えた。

ユーロは今週、軟調な推移となった。ユーロ圏経済が鈍化し、欧州 中央銀行(ECB)が利下げに動くとの観測が背景だった。

○英国債:相場は下落。2年債に対する10年債の上乗せ利回りは拡大した。

10年債利回りは4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げ4.45% となった。一時は4.40%と、2006年3月以来の低水準まで低下する場面もあっ た。同国債(2018年3月償還、表面利率5%)価格は0.32ポイント下げ104.47 だった。2年債利回りは2bp上げ4.30%。

○欧州債:今週の欧州国債相場は上昇し、3週連続のプラスとなった。米景気減 速の影響がユーロ圏にも波及するとの見方から、欧州中央銀行(ECB)による 利上げ観測が後退した。

景気減速懸念の高まりを背景にドイツ2年債相場が上昇し、ドイツ10年債 利回りの2年債に対する上乗せ利回りは拡大。ここ1年半で最大となった。EC B政策委員会メンバーによる今週の発言で、ECBがインフレ警戒のトーンを弱 めつつある兆候が示された。

クレディ・スイス・グループ(チューリヒ)の債券ストラテジスト、カース テン・リノウスキ氏は、「国債相場の見通しは引き続き総じて明るい」と指摘。 「市場関係者は、欧州経済が米景気減速の打撃を受け、ECBが2008年中に政 策金利を引き下げる可能性があるとのシナリオを描いている」と語った。

2年債利回りはロンドン時間午後4時40分までに、前週末比26bp低下し

3.46%と、2006年6月以来の低水準となった。前日比では5bp下げた。同国 債(2009年12月償還、表面金利4%)価格は前週末比0.46ポイント上げ

100.95。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   (1)(212) 893-3007

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