一橋大学の国枝准教授:租特法改正案審議、期限切れなら混乱必至

一橋大学国際・公共政策大学院の国枝繁樹 准教授は18日放送のブルームバーグ・ニュースのテレビ放送で、租税特別措置 法改正案の国会審議の焦点などについて語った。主な発言は以下の通り。

揮発油税の暫定税率を維持する租税特別措置法改正案審議の焦点:

「租税特別措置法とは、政策的理由に基づき、一般的な税法での取り扱い と異なる取り扱いを行うことを定めた法律で、それぞれの措置には、期限が定 められているケースがほとんど。このため、2008年3月末に期限切れとなって いる措置については、3月末までに改正がなされないと、期限の到来した特別 措置は廃止されてしまう」

「租税特別措置法は一体で審議すべきだ。減税措置だけ可決し、増税措置 だけを否決するというような『いいとこ取り』は望ましくない。特定財源とさ れる税目については予算との直接の関係もあるので、予算との整合性も必要だ」

「期限切れになると、例えばガソリンの揮発油税については25円税金が低 くなるが、期限の前後でガソリン価格が乱高下するので混乱する可能性がある。 このほか、金融の関係では非居住者用にオフショア市場で、利子の源泉課税の 非課税措置がとられているが、これがなくなると、4月1日以降、金融・資本 市場が大混乱に陥る恐れがある」

改正案が長期間成立しない場合:

「予算で見込まれた税収が確保できなくなり、国および地方自治体は歳入 不足に陥る恐れがある。特に道路特定財源の場合、道路建設資金が不足するこ ととなり、道路建設の抑制が必要になる。逆に、道路整備関連支出はそのまま で、他に増税が行われなければ、財政赤字が拡大し、将来世代の負担がさらに 重くなる」

揮発油税の暫定税率が当初の狙いから変わっていないか:

「揮発油税などの暫定税率は1974年に、当時の道路整備5カ年計画の財源 不足に対応するために導入されたもの。それが、道路整備の必要性が継続して いるということで、継続されてきている」

「租税特別措置の妥当性は、政策的理由が現在においても正当なものかに より判断されるべきものなので、暫定税率なのに『30年続いているのはおかし い』という批判自体は当たらない。重要なのは、現在、想定されている道路建 設が、人口減少などが見込まれる中、本当に必要なものなのかという点で、そ の点については、十分な議論が必要だ」

「他方で、当初の政策目的とは異なるが、化石燃料に対する課税の現在的 な意義として、二酸化炭素排出を抑制する地球温暖化対策という側面があるこ とにも留意すべきだ。暫定税率を含めた石油関連税制は、将来的には、環境税 として再整理していく方向性も考えられる」

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