日本株は安値更新、米景気の後退警戒で全面安に-紙パは急落(2)

午前の東京株式相場は急反落し、取引時 間中の昨年来安値を更新した。米国景気後退や円高への警戒から、トヨタ自動 車が52週安値となるなど輸出関連中心に売りが増加。米金融機関の損失拡大 も響いて銀行株が売られ、国際市況安を背景に三菱商事などの大手商社株、海 運株の下げも大きくなった。再生紙偽造問題が拡大したパルプ・紙株は東証1 部の業種別下落率で首位となり、東証業種別全33指数は全業種が安い。

りそな信託銀行アセットマネジメント部の黒瀬浩一チーフ・ストラテジス トは、「米実体経済の悪化の根源は金融機関の損失拡大によるバランスシート の問題にある」と主張。これに対し、米国では流動性対策や財政政策、利下げ などフローの対策のみに現在は焦点を当てているとし、「対策のピントがずれ ている以上、景気悪化の勢いを和らげる程度の効果しか出ないだろう」(同 氏)との見解を示した。

午前の日経平均株価は前日比387円67銭(2.8%)安の1万3395円78銭、 TOPIXは33.62ポイント(2.5%)安の1296.82。日経平均、TOPIX はともに17日に付けた安値を下回った。東証1部の売買高は概算で10億 3348万株。値上がり銘柄数は217、値下がり銘柄数は1432。

米景気指標は転落傾向、住宅関連損失も大

米景気の一段の悪化を示す指標が相次いだことで、取引開始直後から全面 安の様相を呈した。米フィラデルフィア連銀が17日発表した1月の同地区製 造業景況指数はマイナス20.9と前月(マイナス1.6)から急低下し、01年10 月以来の最低へと転落。同指数の落ち込みが際立ったことで、「今年1-3月 期の米実質国内総生産成長率は小幅なマイナスとなる可能性が高くなった」 (日興シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミスト)という。

実体経済を押し下げているサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ロ ーン問題の関連では、米大手証券メリルリンチが同住宅ローンに関連した資産 で167億ドルの評価損を計上。12月の住宅着工件数も前月比14%減の100万 6000戸と、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値 114万5000戸を下回った。りそな信託の黒瀬氏は、「サブプライム関連の損 失額はまだ峠を越えていない」と警告している。

世界経済に対する減速懸念から、輸出関連株や市況関連株など幅広く売り が広がり、日経平均は前日比で一時418円安の1万3365円まで下げた。17日 の原油価格や海運市況が下落したことから、東証1部業種別下落率の上位には 卸売、石油・石炭製品、海運、非鉄金属など市況関連業種が目立つ。

古紙配合率の調査結果で午前11時から会見を開く王子製紙が急落。キヤ ノンや富士ゼロックスなどが再生紙販売を中止する日本製紙グループ本社も続 急落し、再生紙偽造問題が深刻化しているパルプ・紙株も大幅安。

日本固有の問題も下げに拍車

国内では18日に招集される通常国会で、福田康夫首相は午後2時から施 政方針演説を行う。今回の施政方針演説について、市場では福田首相の強いリ ーダーシップを示すメッセージとはなりにくいとされている。野村証券プロダ クト・マーケティング2部の佐藤雅彦エクイティ・マーケットアナリストは、 「日本株の下げは米国景気減速によるものだけでなく、政治のリーダーシップ の無さという日本独自の問題が響いている」と見ていた。

ベスト電が急落、半導体の一角高い

個別では、08年3月期連結最終損益が赤字に転落すると16日発表して前 日は売り気配だったハピネットの取引が成立し、東証1部値下がり率首位とな った。エディオンの提携提案を拒否したベスト電器、08年11月期連結営業利 益が前期比52%減見通しの北興化学工業はそろって急落した。KBC証券が 投資判断を「売り」に引き下げたキッコーマンも大幅安。

このほか、23日に上場廃止となることが確実となった日興コーディアル グループが急落。CLSAアジアパシフィック・マーケッツが新規アンダーパ フォームとした野村ホールディングスと大和証券グループ本社はそろって52 週安値を更新。

半面、12月北米半導体製造装置BBレシオの改善からエルピーダメモリ やSUMCOなど半導体関連株の一角が上昇。07年4-12月期の単独営業利 益が前年同期比17%増となったアルファシステムズが大幅続伸となった。07 年4-12月期の連結純利益が前年同期比13%増のホギメディカル、いちよし 経済研究所が極めて投資妙味ありに格上げしたソネット・エムスリーも高い。

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