モルガンS:サムライ債502億円を起債-スプレッド水準など好感(4)

米大手証券会社、モルガン・スタンレー が18日、総額502億円の円建て外債(サムライ債)の発行条件を決定した。 2005年9月発行の第7回債(550億円、7年債)以来2年4カ月ぶりとなる。 サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題で大きく揺れる米国金 融機関が低金利の資金を日本市場で調達することとなった。主幹事のモルガ ン・スタンレー証券担当者が明らかにした。

主幹事を務めたモルガン・スタンレー証券のシンジケーション部によると、 固定利付債は投資顧問、生保、損保、公的機関を中心とした機関投資家など、 変動利付債は地銀、系統下部を中心とした地方の投資家などに販売できたとコ メントした。モルガン・スタンレーは定期的にグローバルに資金調達を行って おり、今回は海外の金融機関が日本市場で発行した社債スプレッド(金利上乗 せ幅)が投資家にとって投資妙味がある水準だと判断したという。

みずほ証券の石原哲夫シニア・クレジットアナリストは、「サブプライム 問題では今後も不透明感があり、海外の金融機関が発行するサムライ債では07 年のような2000億円程度のような大型起債はできない状況だ」としたうで、 「モルガン・スタンレーは、資産規模が1兆ドル超で、シティグループ、バン ク・オブ・アメリカなど米国の大手銀行と遜色ない規模の金融機関だ。さらに、 今後の格下げがあっても1段階にとどまるだろう」とコメントした。

「日本の機関投資家の資金量は米国に次いで世界第2位と大きく、サムラ イ債を受け入れるだけの余裕があり、今後も欧米のサムライ債の発行が続く可 能性はあるだろう」(石原氏)という。

サブプライム「プレミアム」を好感

モルガン・スタンレーが発行した第7回債(2012年9月償還)のスプレッ ドは、2005年8月発行時点では、円スワップレート+25bp(1bp=0.01%)程 度だったのが、サブプライム問題の影響などで現在では、+120bp程度まで拡 大し、この水準で推移している。 今回のサムライ債もおおむね流通市場の実 勢を反映したものといえる。

サブプライム問題の影響で海外発行市場でのスプレッドが大幅に拡大する なか、日本の発行市場では全般的に海外市場ほどスプレッドが拡大していない。 このような環境で、海外金融機関が日本市場で発行したサムライ債のスプレッ ド水準は割安な水準にあるといえる。

固定・変動で502億円

モルガンSが起債したのは、4年債(固定利付債)200億円、4年債(変 動利付債)302億円で、表面利率はそれぞれ、2.18%、3カ月円LIBOR+ 120bp(1bp=0.01%)。発行価格は2本とも100円。

米国の金融機関のサムライ債発行としては07年6月のメリルリンチ債 (550億円)、バンク・オブ・アメリカ債(2150億円)以来、6カ月ぶり。ま た、欧州の金融機関では、バークレイズ・バンク、ドイツ銀行ロンドンが07 年9月から10月にかけて、それぞれ、1400億円、1470億円のサムライ債を発 行している。

モルガン・スタンレーの格付けは、ムーディーズがAa3、スタンダー ド・アンド・プアーズ(S&P)がAA-、フィッチ・レーティングスがAA -、格付投資情報センター(R&I)がAAとしている。いずれも、比較的高 い「ダブルA格」を維持している。

モルガン・スタンレーは07年8月8日、発行総額5750億円の発行登録を 実施している。有効期間は07年8月16日から2年間。モルガン・スタンレー は07年9-11月期(第4四半期)決算で、94億ドルの評価損を計上し1986 年の上場以来で初めて大幅赤字に転落、中国の政府系ファンドなどから出資を 受けている。

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