1月17日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国株とNY外為を更新します)

○米国株:3日続落。米国がリセッション(景気後退)入りするとの懸念が強ま り、売りが膨らんだ。3日間の下げとしては2002年以降で最大。

フィラデルフィア連銀が発表した1月の同地区の製造業景況指数が2001 年10月以来の最低に落ち込み、エクソンモービルやゼネラル・エレクトリッ ク(GE)、バンク・オブ・アメリカ(BOA)を中心に売りが膨らんだ。メ リルリンチの決算がアナリスト予想を大幅に上回る損失となったことも売りを 誘った。金融保証大手のMBIAとアムバック・ファイナンシャル・グループ も急落。「AAA」の信用格付けが引き下げられるとの懸念から売りが膨らん だ。S&P500種株価指数は全10セクターが下げた。

S&P500種株価指数は前日比39.95ポイント(2.9%)下げて

1333.25。年初から9.2%下げている。ダウ工業株30種平均は同306.95ド ル(2.5%)安の12159.21ドルで終えた。ナスダック総合指数は同47.69 ポイント(2%)下落の2346.90ポイント。ニューヨーク証券取引所(NY SE)の騰落比率は1対7。

パイオニア・インベストメント・マネジメントの運用担当者ジョン・キャ リー氏は「問題は深刻化しているようだ」と指摘。「これほど悪い年明けは記 憶にない。今後数カ月も厳しい状況が続くだろう」と述べた。

弱気相場入りに接近

主な株価指数はピークから20%安のいわゆる弱気相場入りに近づいている。 S&P500種とダウ平均は昨年10月9日の最高値から14%余り下落している。 ナスダックは10月31日に付けた直近高値から18%安。中型株で構成するラ ッセル2000指数は昨年7月13日の高値から20%下落している。

メリルは10%安。ゴールドマン・サックス・グループやベアー・スターン ズも安い。

メリルの第4四半期の純損失は98億3000万ドル(1株当たり12.01 ドル)。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想は、1株当たり4.82ドル の赤字だった。07年通期でも、1989年以来初の赤字決算となった。

S&P500種の金融株指数は年初から11%安。07年は21%下落した。

金融保証大手のアムバック・ファイナンシャル・グループは一時65%下落。 MBIAは最大43%下げる場面があった。格付け会社のムーディーズ・インベ スターズ・サービスとスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、MBI Aとアムバックの格付けを引き下げ方向で見直すと明らかにしたことが売り材 料となった。

米モーゲージ保険最大手のMGICインベストメントは14%下落。

テネシー州最大の地銀ファースト・ホライゾン・ナショナルは13%安と地 銀株の下げの中心となった。07年10-12月期決算で継続事業ベースの最終損 益が赤字となり、減配を発表したことが嫌気された。

製造業活動の失速

1月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は予想以上にマイナス幅が拡 大。住宅着工件数は1991年以来の低水準となり、2007年通年では1980年 以来で最大の落ち込みとなった。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は下院予算委員会で証言 し、経済成長見通しが悪化していると述べた。ただ、今年の「リセッション入 りを予想していない」とも語った。

USグローバル・インベスターズのシニアトレーダー、マイケル・ナスト 氏は「現在、市場では悪材料がはんらんしている。住宅が足かせとなり、リセ ッション入りする可能性がある」と述べた。

○米国債:相場は上昇。バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長が議会証 言で、追加利下げの用意があることを示したほか、フィラデルフィア連銀が発表 した1月の同地区の製造業景況指数が2001年10月以来の最低に落ち込んだこ とから、債券の買いが膨らんだ。

バーナンキ議長は、「財政出動は基本的に支援になり得る。金融政策単独よ りも財政刺激策と併せた方が経済をより広範に支援することが可能だ」と述べた。 さらに、リセッション(景気後退)リスクに対する保険として「実効ある追加行 動」を取る用意があると再度表明した。市場では議長の発言を受けて、今月に少 なくとも0.5ポイントの利下げが決定されるとの見方が強まった。

RBCキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、T・J・マータ氏は、 「バーナンキ議長は市場が抱くネガティブな景況感を打ち消そうとしているので はないのは確かだ」と述べ、フィラデルフィア連銀の発表した製造業景況指数は 「リセッションを声高に叫んでいる。債券相場はまだ大きく上昇する」と語った。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後3時52 分現在、10年債利回りは前日比12ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイン ト)低下して3.61%。1月2日以来で最大の低下だった。10年債価格(表面利 率4.25%、2017年11月償還)は1上げて105 7/32となった。

0.5ポイント超の利下げ見通し

金利先物市場動向によると、1月30日のFOMC会合までにフェデラルフ ァンド(FF)金利誘導目標が少なくとも0.5ポイント引き下げられる確率は 54%、0.75ポイントの利下げを織り込む確率は46%だった。

フィフス・サード・アセット・マネジメントの債券責任者、ミッチェル・ス テープリー氏は、「バーナンキ議長は状況が厳しくなったらFOMCは進んで実 際に対策を講じるという姿勢を示した。市場は明らかにリセッションを織り込ん でいる」と語った。

2年債利回りは12bp下げて2.40%。10年債利回りよりも1.21ポイント 低い。イールドカーブのスティープニング化は短期債への需要の高さを反映して いる。2年債利回りとFF金利の差は1.80ポイントと、1981年以来で最大と なっている。

フィラデルフィア連銀指数、住宅着工件数

フィラデルフィア連銀が発表した1月の同地区の製造業景況指数はマイナス

20.9だった。同指数のゼロは景況感の拡大と縮小の境目を示す。2007年通年の 平均値は5.1だった。

商務省が発表した12月の住宅着工件数は2007年通年では住宅着工件数は 25%減と、1980年以来で最大の落ち込みだった。

サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンの混迷に伴う損失はさら に拡大する可能性がある。ニューヨーク株式市場で金融保証大手のMBIAとア ムバック・ファイナンシャル・グループの株価が急落。「AAA」とされている 信用格付けが引き下げられるとの懸念から、両社とも株式上場以来で最大の値下 がりを記録した。

また、米メリルリンチは2007年10-12月(第4四半期)決算で、同社過 去最大の赤字を計上。評価損は167億ドルに達した。

米財務省は24日に20年物インフレ連動債(TIPS)の入札(80億ドル) を実施する。

○NY外為:ドルが対円で下落。バーナンキ米連邦準備制度理事会(F RB)議長は景気支援のために「実効ある追加行動」を取る用意があ ると再び表明した。また、米フィラデルフィア連銀が発表した1月の 同地区の製造業景況指数は急低下。これらを悪材料にドルは対円で2 年半ぶりの安値に接近した。

バーナンキ議長発言で今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で の少なくとも0.5ポイントの利下げと、今四半期中にさらにあと1回の 利下げ観測が強まったことから、トレーダーはドルを売った。フィラデ ルフィア連銀地区の製造業景況指数は2001年10月以来の最低に落ち込 み、景気の失速が示唆された。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンのグローバル・マーケット・ グループで世界戦略を担当するサマルジット・シャンカー氏は「1月以 降も積極的な米利下げが継続される可能性が非常に高い」と指摘。さら に、この日のリポートで「景気に対する一段の下押しリスクが増し、ド ルの上値を抑えている」と付け加えた。

ニューヨーク時間午後4時11分現在、ドルは対円で1ドル=106円 81銭に下落。前日は同107円64銭だった。ドルは対ユーロでは1ユー ロ=1.4657ドルに軟化。前日は同1.4652ドルだった。また、ユーロは 円に対し1ユーロ=156円54銭。前日は同157円72銭だった。

バーナンキ議長は下院予算委員会で証言し、2008年の経済成長見通 しについては「悪化している。景気の下振れリスクは一段と鮮明になっ てきた」との見方をあらためて表明した。また、「一時的な」財政刺激 策が経済成長を支援するのに役立つとの見方を示した。

米フィラデルフィア連銀が発表した1月の同地区の製造業景況指数 はマイナス20.9と前月のマイナス1.6から急低下した。

一段と積極的な利下げ

英スタンダード・チャータード銀行のシニア通貨ストラテジスト、 マイク・モラン氏(ニューヨーク在勤)は「一段と積極的な利下げが予 想される」と述べ、「市場は統計に注目し、リセッションに向かってい ると認識するだろう」と語った。

シカゴ商品取引所(CBOT)のFF金利先物相場によると、 FOMCが30日の定例会合で現行4.25%のFF金利誘導目標を少なく とも0.5ポイント引き下げる確率は現在100%とみられている。3.5%へ の利下げ確率は58%に上昇した。4月末までに金利が3%、あるいはそ れ未満に低下する確率は現在73%とみられている。

米商務省が発表した12月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換算、 以下同じ)は前月比14%減の100万6000戸と、1991年以来の低水準。 ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は114 万5000戸だった。前月は117万3000戸(速報値118万7000戸)に下方 修正された。

円が上昇

円は主要16通貨すべてに対して上昇した。米景気の失速が世界中に 波及するとの懸念から円のキャリートレードを手じまう動きが加速した。 円は南アフリカ・ランドに対し前日比2.7%上昇し、昨年8月以来の高 値をつけた。南アの政策金利は11%となっている。

米証券大手メリルリンチが発表した07年10―12月期(第4四半 期)決算で損失額がアナリスト予想の倍を上回ったことを受けて、米リ セッション観測がますます強まり、ドルが下げ始めた。

メリルの発表資料によると、第4四半期の純損失は98億3000万ド ル(1株当たり12.01ドル)。前年同期は23億5000万ドル(同2.41ド ル)の純利益だった。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想は、1 株当たり4.82ドルの赤字だった。

一方、欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、ルクセンブ ルク中央銀行のメルシュ総裁はこの日、10日の定例政策委員会では利下 げが議論されなかったことを明らかにした。これがユーロの支援材料と なった。

○英国債:2年債相場は下落。イングランド銀行による早期利下げへの観測が後 退したことが背景。2年債に対する10年債の上乗せ利回りはここ3週間で最小 となった。

ギーブ英中銀副総裁は17日、景気が鈍化するなか、中銀は政策金利に対す る姿勢を「さらに中立」にする可能性があると語った。これを受けて、国債相場 はさらに下落した。

アンシンジェール・ドゥ・ボーフォールの債券アナリスト、マーク・オスワ ルド 氏(ロンドン在勤)は、「イングランド銀による利下げへの市場関係者の観 測は行き過ぎだった。国債相場がこの水準からさらに上昇するのは困難とみられ る」と述べた。

2年債利回りはロンドン時間午後4時23分までに、前日比3ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)上げ4.28%。一時は10bp上昇し4.36%をつ け

た。同国債(2009年12月償還、表面利率5.75%)価格は0.07ポイント下げ

102.63だった。

2年債と10年債の利回り格差は1bp縮小し12bpと、先月26日以降で 最小となった。先週初めは20bpだった。

○欧州債:2年国債相場は5営業日連続で上昇。バーナンキ米連邦準備制度理事 会(FRB)議長の議会証言が利下げの必要性を強調したと受け止められ、米景 気減速の影響がユーロ圏にも波及するとの懸念が再燃した。

5日連続の相場上昇で、ドイツ2年債利回りは2006年9月以来の水準まで 低下した。10年債利回りとの利回り格差は拡大し、ここ1年半で最大となった。 欧州中央銀行(ECB)がこの日発表した月報でインフレ率は今年、大きく低下 するとの見方を示したことを受け、ECBが景気下支えに向けて利下げに踏み切 るとの観測が強まった。

野村インターナショナルの債券ストラテジスト、ショーン・マロニー氏(ロ ンドン在勤)は、「質への逃避で2年債相場は上昇した」と指摘。「信用懸念が 引き続き残っている」と述べ、「10年債相場の上昇は困難」との見方を示した。

2年債利回りはロンドン時間午後5時31分までに、前日比4bp下げ

3.51%となった。同国債(2009年12月償還、表面金利4%)価格は0.08ポ イント上げ100.87。2年債に対する10年債利回りの上乗せ幅は4bp拡大し 46bpと、2006年7月以降で最大となった。

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