日本株(終了)輸出中心に5日ぶり反発、円高一服-政策期待も支えに

東京株式相場は5日ぶりに急反発。急激 な円高の一服や米財政政策など政策期待から、トヨタ自動車など輸出関連株や 続落期間中に下落が目立った業種を中心に幅広く見直された。三菱地所が前日 比7%高となるなど、アナリストから株価の割安感が指摘された不動産が東証 1部の業種別上昇率で首位。みずほフィナンシャルグループなど銀行株も高い。 日経平均株価の上昇率は、今年に入ってから最も大きくなった。

日経平均株価の終値は前日比278円94銭(2.1%)高の1万3783円45銭、 TOPIXは28.07ポイント(2.2%)高の1330.44。東証1部の売買高は概算 で28億7万株、売買代金は3兆2708億円。売買代金が4日連続で3兆円超と なるのは8月中旬以来約5カ月ぶりで、売買エネルギーも回復傾向にある。値 上がり銘柄数は1409、値下がり銘柄数は266。

岡三投資顧問の伊藤嘉洋常務は、「米国の政策への期待感が支えとなって、 株価の割安感を評価する買いが出てきた」と指摘。米利下げ観測に加え、「10 兆円規模の財政政策が出動されれば、米企業業績と景気の腰折れを回避できそ うだ」(同氏)との見解を示した。

東証業種別33指数の騰落状況は、値上がり業種が28、値下がり業種が5。 電気機器、輸送用機器、銀行、機械、不動産、保険、鉄鋼、卸売が高い。医薬 品、証券・商品先物取引、その他製品は軟調。

政策期待で売り込みにくさ

米国景気や為替の先行き不透明感を背景に、ボラティリティの高い相場展 開となった。前日の米国株の下げ渋りや1ドル=107円台へ入った為替の小康 状態から反発して取引を開始。午後には、円強含みと中国株安からTOPIX が心理的節目である1300ポイントを05年9月以来、2年4カ月ぶりに下回っ たが、その後は反転した。TOPIXは03年3月から07年2月までの上昇幅 の半値押しである1294の手前の1297で下げ止まり、「下値のだめ押しとなっ た」(岡三投資顧問の伊藤常務)と受け止められた。大引けにかけて一段高と なったTOPIXと日経平均は、今年に入って3度目の前日比上昇となった。

米国では議会民主党とブッシュ大統領が、国内経済のてこ入れが不可欠と の立場をすでに表明。ブッシュ大統領が28日の一般教書演説で、減税などの 財政措置を打ち出す可能性が指摘されている。また、23日から開催される世界 経済フォーラム年次総会では福田首相が出席するほか、2月9日には東京で7 カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が開催される予定。「1月末から2月 初頭にかけ世界の経済政策協調が演出され、株価のリバウンドの契機となる展 開を想定しておきたい」(野村証券金融経済研究所の岩澤誠一郎チーフ・スト ラテジスト)との声が出ている。

日本株はPER(株価収益率)などバリュエーション面からの割安感に加 え、テクニカル面でも「売られ過ぎ」を示唆する指標が増加している。テクニ カルでは200日移動平均線(前日引け時点)からのマイナス20%が大底とされ るが、日経平均はきょうの安値時点で19.7%、TOPIXは20.7%。騰落レ シオ(25日平均)も16日時点で59.5%と昨年8月20日以来の低水準。相場 の先行きに対してはなお見方が分かれるものの、政策期待と売られ過ぎがきょ うの大幅上昇の原動力となった。

リターン・リバーサル

売られ過ぎを見直す動きは業種別で顕著だった。TOPIXの10日から 16日までの4日続落期間(TOPIXは8.6%安)で、業種別の下落率上位は ①鉱業(16%安)、②機械(15%安)、③卸売(15%安)、④海運(15%安)、 ⑤不動産(13%安)だった。この日の東証1部では、業種別上昇率では不動産 がトップとなり、機械や海運も上位となるなど、「リターン・リバーサルの動 きが出ている」(住友信託銀行の島津大輔調査役)としていた。

特に不動産では、三菱地所や三井不動産などが軒並み急騰。昨年12月27 日から10営業日続落となっていた東証REIT指数は11日ぶりに反発となっ た。UBS証券は「不動産の株価の上昇余地は大きい」と指摘したほか、モル ガン・スタンレー証券によるJ-REITへの投資判断引き上げも支援材料と なったという。

半面、4日続落期間中の騰落率で1.7%のプラスとなっていた医薬品株は、 武田薬品工業などが反落して指数は前日比マイナスとなった。

信越化が高い、キャンドゥは急落

個別では、07年4-12月期連結純利益が前年同期比27%増と伸びた信越 化学工業が4日ぶり反発。ゴールドマン・サックス証券が投資判断を格上げし た三菱商事や住友商事が5日ぶり上昇、株価の調整を背景として日興シティグ ループ証券が格上げしたソフトバンクは6営業日ぶりの反発となった。オース トラリア産発電用の日本向け石炭価格が大幅に上昇する可能性があると17日 付の日本経済新聞が報じたことで、太平洋興発や三井鉱山など石炭株も高い。 内閣府が1月の月例経済報告で住宅建設の判断を上方修正するとの報道から、 積水ハウスや長谷工コーポレーションなど住宅・建設株も軒並み高。

半面、07年11月期の連結純損失が拡大したもようのキャンドゥ、ゴール ドマン・サックス証券が格下げした山崎製パンがともに急落。国で決められた 古紙パルプ配合率を下回っている製品が葉書以外にもあった日本製紙グループ 本社、07年11月中間期が営業増益予想から一転して減益となったもようの三 協・立山ホールディングスはともに最安値。増資による希薄化懸念で、不動産 投資信託で国内最大の日本ビルファンド投資法人は52週安値を更新した。

新興3市場も反発

国内の新興3市場もそろって5日ぶり反発。東証1部市場が午後に急速に 切り返したことで投資家心理が改善し、これまでの急落による追い証(追加担 保の差し入れ義務)への懸念が和らいだ。ジャスダック指数の終値は前日比

0.13ポイント(0.2%)高の62.58。東証マザーズ指数は25.22ポイント (4.1%)高の645.62。大証ヘラクレス指数は21.91ポイント(2.3%)高の

970.40。

個別では、楽天、テレウェイヴ、ngi group、ミクシィ、大阪証 券取引所、マネーパートナーズが上げた。半面、SBIイー・トレード証券が 続急落し、アセット・マネジャーズ、ゼンテック・テクノロジー・ジャパンな どは安い。

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