東京外為:ドル軟調、米FRB議長の議会証言を警戒-107円前半中心

午前の東京外国為替市場のドル・円相場は 1ドル=107円台前半を中心に、前日のニューヨーク時間午後5時に付けた107 円64銭からドルが水準を切り下げて推移した。米連邦準備制度理事会(FRB) の景気判断が弱気に傾くなか、この日はバーナンキ議長の議会証言や住宅関連 指標の発表を控えて、警戒感からドルの上値が抑えられた。

住友信託銀行マーケット資金事業部門の松本三郎チーム長は、米国の経済 指標は年初から弱いものの方が目立っており、景気後退懸念は根強いと説明。 「これから出る指標についても遅行的に昨年末以降の景気減速を示す内容が多 くなることから、短期的には引き続きサブプライム(信用力の低い個人向け) 住宅ローン問題の根深さが意識されやすい」として、ドルの戻り局面では売り 圧力が強まるとみている。

ドルは戻り待ちの売り需要も

16日に米国で発表された昨年12月の鉱工業生産指数と消費者物価指数(C PI)が市場の予想を上回ったことで、今月の連邦公開市場委員会(FOMC) で0.75ポイントの大幅利下げが実施されるとの観測が緩和。外為市場では、ド ルが買い戻され、ロンドン時間に105円92銭(ブルームバーグ・データ参照、 以下同じ)と、2005年5月12日以来の安値を付けていたドルの対円相場は107 円93銭まで値を戻した。

ドルは大きく値を下げたあとに反発する展開となったことで、「いったん はダウンサイド(下落方向)リスクが収まった」(三菱東京UFJ銀行市場業 務部・金成大介上席調査役)感もあるという。

ただ、この日の東京市場では、ドル・円相場が107円台後半で取引を開始 したもの、「利益確定の動きや国内輸出企業のドル売り」(住友信託銀・松本 氏)に押され、午前10時には106円92銭まで軟化。その後は107円ちょうど を挟んだ水準でドルの上値が重い展開が続いている。

米景気の先行き不透明感くすぶる

FRBが16日に発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)では、11月 後半から12月にかけての「経済活動は緩やかに拡大したものの、そのペースは 一段と鈍った」とされている。また、住宅関連指標も引き続き弱含みとなった。

こうしたなか、この日はバーナンキFRB議長が下院予算委員会で経済見 通しについて議会証言をするほか、12月の住宅着工・建設許可件数が発表され る。

ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替営業部の斎藤裕司部長は、これまで買 われていた原油やアジア株が売られ、安全資産に資金が向くなど、明らかにリ スク回避の構図になっていると指摘。「積極的にドルを買っていくところでも ない」といい、引き続き米金融機関の決算や経済指標の発表を控え、ドルの戻 りは限られるとみている。

バーナンキ議長は、先週10日に行った講演で、景気拡大への「下振れリス ク」に対処するために「一段の金融緩和が必要になる可能性は十分ある」との 見解を示している。市場では、「前回の講演で既にかなり踏み込んだ発言をし ており、そこから大きくトーンが変化するとは考えにくい」(住友信託銀・松 本氏)との指摘もある。

ユーロ圏当局者も景気に慎重姿勢

一方で、欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、ルクセンブルク 中央銀行のメルシュ総裁が15日のインタビューで、「経済活動に下振れリスク があることは明らかだ」と述べるなど、ユーロ圏当局者から景気に慎重な発言 が目立っている。

ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=1.4594ドルと、2日 以来の水準までユーロ安・ドル高が進行。この日の東京市場では1.46ドル台後 半までユーロが値を戻して推移しているものの、「昨年末以降は消去法的にユ ーロが選好されてきたところがあるが、ユーロ圏景気の減速の可能性がくすぶ りはじめてくると、もう一段のユーロ下落の可能性もある」(三菱東京UFJ 銀・金成氏)との警戒感が残る。

ユーロ・円相場は前日に一時1ユーロ=156円29銭と、昨年9月10日以来 のユーロ安値を付けている。その後は158円台前半まで値を戻す場面もみられ たが、この日は157円ちょうどを挟んで取引されている。

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