日本株は輸出中心に反発、急速な円高一服で見直す-底入れ遠い(3)

午前の東京株式相場は5日ぶりに反発。 外国為替市場での急速な円高がやや一服するなど外部環境が小康状態となり、 トヨタ自動車など輸出関連株が上昇。みずほフィナンシャルグループが売買代 金首位で4%超の上昇率となるなど、米大手金融機関の決算が予想よりも良か ったことを背景に銀行株も反発した。不動産や海運など下落期間中に下げの大 きかった業種の上げも目立ち、不動産は東証1部の業種別上昇率で首位だった。

住友信託銀行の島津大輔調査役によると、「円安と下げ過ぎの反動から先 物中心にショートカバーが入った」という。ただ、米国の景気や為替など外部 要因の不安定さは残っていることから相場の底入れ感は依然出ていないとし、 「自律反発の動き」(同氏)と見ていた。

午前の日経平均株価は前日比152円44銭(1.1%)高の1万3656円95銭、 TOPIXは12.13ポイント(0.9%)高の1314.50。東証1部の売買高は概 算で11億7823万株、売買代金は1兆3421億円。値上がり銘柄数は1185、値 下がり銘柄数は457。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種が22、値下がり業種が 11。電気機器、輸送用機器、銀行、不動産、鉄鋼、機械、保険、卸売が高い。 医薬品、陸運、電気・ガスなど景気動向に左右されにくいディフェンシブ関連 株は安く、証券・商品先物取引は軟調。

外部環境小康、リターン・リバーサルも

為替や米国株など外部環境がやや小康状態となり、買いが終始先行した。 外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=107円台で推移し、16日の105円台 から円高の勢いがやや鈍化。15日に前日比2.2%安だった米ダウ工業株30種 平均は16日に0.3%安と下げ幅が縮小した。外部環境に対する警戒ムードは 消えていないが、足元でやや落ち着きを示したことが好感されている。

TOPIXの13週移動平均からの下方かい離率が16日時点で13%まで 拡大し、騰落レシオ(25日平均)が59.5%と昨年8月20日以来の低水準とな るなど、テクニカル面では「売られ過ぎ」とされるシグナルが相次いでいる。 東洋証券の児玉克彦シニア・ストラテジストは、「シティグループなど注目度 の高い金融機関が決算を終え、きょうのメリルリンチの決算発表で悪材料出尽 くしの可能性がある」と指摘。28日の米国での一般教書演説における経済対 策期待、29日からの米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測など を控え、「指標面の割安感も加わって一段の下値を売り込みにくい」(同氏) とした。

売られ過ぎを見直す動きは業種別で顕著だった。TOPIXの10日から 16日までの4日続落期間(TOPIXは8.6%安)で、業種別の下落率上位は ①鉱業(16%安)、②機械(15%安)、③卸売(15%安)、④海運(15%安)、 ⑤不動産(13%安)だった。この日午前の東証1部では、業種別上昇率では不 動産がトップとなり、海運が2位、機械は7位となるなど「リターン・リバー サルの動きが出ている」(住友信託の島津氏)としていた。

不動産が上昇率首位

中でも上げが目立ったのは不動産。UBS証券が「株価の上昇余地は大き い」と指摘したほか、モルガン・スタンレー証券によるJ-REITへの投資 判断引き上げも支援材料となった。1月の月例経済報告では、住宅建設につい ての判断を内閣府が上方修正する方針を固めた、と17日付の日本経済新聞朝 刊が報道。株価下落後に相次いで支援材料が重なったことで、反発の勢いが強 まった。東証1部の上昇率上位には、アーバンコーポレイション、サンシティ、 ケネディクス、ゴールドクレストなど関連株が並んだ。

また、銀行株も上昇。米国のJPモルガン・チェースやウェルズ・ファー ゴが16日発表した07年10-12月期(第4四半期)決算で利益が予想を上回 ったことなどが安心感を誘った。

ソフバンクが反発、山崎パンは急落

個別では、株価の調整を背景として日興シティグループ証券が格上げした ソフトバンクが6営業日ぶり反発。ゴールドマン・サックス証券が買いの投資 判断を示した三菱商事や住友商事も上昇した。オーストラリア産発電用の日本 向け石炭価格が大幅に上昇する可能性があると17日付の日本経済新聞が報じ たことで、三井鉱山や太平洋興発など低位石炭株も上げた。国内市販用タイヤ のメーカー出荷価格を4月から値上げする横浜ゴムは5営業日ぶりに上昇。

半面、ゴールドマン・サックス証券が格下げした山崎製パンが売られ、午 前の東証1部値下がり率2位。07年11月期の連結純損失が拡大したもようと 発表のキャンドゥも急落。国で決められた古紙パルプ配合率を下回っている製 品が葉書以外にもあったと発表した日本製紙グループ本社、07年11月中間期 が営業増益予想から一転して減益となったもようの三協・立山ホールディング スはともに最安値を更新。売買代金上位では、任天堂が大幅続落となった。

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