東京外為:ドル軟調、米FRB議長の議会証言を警戒-107円前後

午前の東京外国為替市場ではドルが軟調に 推移している。ドル・円相場は1ドル=107円ちょうど前後と、前日のニューヨ ーク時間午後5時に付けた107円64銭から再びドルが水準を切り下げる展開と なっている。米連邦準備制度理事会(FRB)の景気判断が弱気に傾くなか、 この日はバーナンキ議長の議会証言や住宅関連指標の発表を控えて、警戒感か らドルの上値が抑えられている。

三菱東京UFJ銀行市場業務部の金成大介上席調査役は、「米景気の減速 懸念がくすぶるなかで、住宅セクターの動きは特に警戒されるうえ、緊急利下 げのうわさもありバーナンキ議長がどういった発言をするかが注目される」と して、積極的にドルを買い戻す動きにはなりにくいとみている。

FRBの景気判断は弱気

FRBが16日に発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)では、11月 後半から12月にかけての「経済活動は緩やかに拡大したものの、そのペースは 一段と鈍った」とされている。また、住宅関連指標も引き続き弱含みとなった。

こうしたなか、この日はバーナンキFRB議長が下院予算委員会で経済見 通しについて議会証言をするほか、12月の住宅着工・建設許可件数が発表され る。

ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替営業部の斎藤裕司部長は、これまで買 われていた原油やアジア株が売られ、安全資産に資金が向くなど、明らかにリ スク回避の構図になっていると指摘。「積極的にドルを買っていくところでも ない」といい、引き続き米金融機関の決算や経済指標の発表を控え、ドルの戻 りは限られるとみている。

海外市場でドル買い戻し

半面、16日に米国で発表された昨年12月の鉱工業生産指数は前月比変わら ずとなり、ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想の0.2%低下を上回っ た。また、12月の消費者物価指数(CPI)も前月比0.3%上昇と11月の0.8% 上昇から伸びが鈍化したものの、市場予想の0.2%上昇より強めの結果となった。

これを受けて、今月の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75ポイントの 大幅利下げが実施されるとの観測が弱まり、米債券相場は下落。外為市場では、 ドルが買い戻され、ロンドン時間に105円92銭(ブルームバーグ・データ参照、 以下同じ)と、2005年5月12日以来の安値を付けていたドルの対円相場は107 円93銭まで値を戻した。

ドルは大きく値を下げたあとに反発する展開となったことで、「いったん はダウンサイド(下落方向)リスクが収まった」(三菱東京UFJ銀・金成氏) 感もあるという。

ユーロ圏当局者も景気に慎重姿勢

一方で、欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、ルクセンブルク 中央銀行のメルシュ総裁が15日のインタビューで、「経済活動に下振れリスク があることは明らかだ」と述べるなど、ユーロ圏当局者から景気に慎重な発言 が目立っている。

ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=1.4594ドルと、2日 以来の水準までユーロ安・ドル高が進行。この日の東京市場では1.46ドル台後 半までユーロが値を戻して推移しているものの、「昨年末以降は消去法的にユ ーロが選好されてきたところがあるが、ユーロ圏景気の減速の可能性がくすぶ りはじめてくると、もう一段のユーロ下落の可能性もある」(三菱東京UFJ 銀・金成氏)との警戒感が残る。

ユーロ・円相場は前日に一時1ユーロ=156円29銭と、昨年9月10日以来 のユーロ安値を付けている。その後は158円台前半まで値を戻す場面もみられ たが、この日は157円ちょうどを挟んで取引されている。

--共同取材:吉川淳子 Editor:Tetsuzo Ushiroyama,Hidenori Yamanaka

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