1月16日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を更新します)

○米国株:相場は続落。S&P500種株価指数は1年2カ月ぶりの水準に下げた。 インテルが15日夕に発表した1-3月期(第1四半期)の売上高見通しがアナ リスト予想に届かなかったため、ハイテク株を中心に売りが優勢になった。原油 価格の下落はエネルギー株の売りを誘った。

インテルは売上高見通しがアナリスト予想を最大で6.9%下回ったため、 株価は5年ぶりの大幅安。原油相場が1カ月ぶりの低水準となり、エクソンモ ービルやシェブロンを中心にエネルギー株も下げた。

S&P500種株価指数は前日比7.75ポイント(0.6%)下げて

1373.20。年初からの下落率は6.5%となり、年明け11営業日としては過去 最悪の滑り出しとなった。ダウ工業株30種平均は同34.95ドル(0.3%)安 の12466.16ドルとなった。ナスダック総合指数は同23ポイント(1%)下 落の2394.59ポイント。アジア株は昨年8月以来の安値となり、欧州株は過 去6営業日で5日目の下落。世界的に株安が進み、今年に入ってから全世界で 2兆5800億ドルの時価総額が消失した。

スワースモア・グループ(フィラデルフィア)で15億ドルの資産運用に 携わるカート・ブラナー氏は「油断できない状況であるのは確かで、インテル の発表は好材料からは程遠い内容だった。避難できる場所は少なく、個人消費 は現在、非常に弱くなっているようだ」と述べた。

テクノロジー株の下落

テクノロジー株とエネルギー株の下げがこの日のS&P500種全体の 下げの80%を占めた。S&P500種の情報技術(IT)株指数は昨年10月 31日に付けた高値から17%下落。ピークから20%安のいわゆる弱気相場入り に近づいている。エネルギー株指数は昨年12月26日の高値から10%下落し ている。

JPモルガン・チェースやウェルズ・ファーゴが発表した2007年10- 12月期(第4四半期)決算で利益が予想を上回ったため、主要株価指数の下げ は限定的だった。データベースソフト最大手のオラクルがソフトウエアメーカ ーのBEAシステムズを買収すると発表したことも支援材料となった。ニュー ヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は1対1。

米連邦準備制度理事会(FRB)が16日発表した地区連銀経済報告(ベ ージュブック)は、11月後半から12月にかけての「経済活動は緩やかに拡大 したものの、そのペースは一段と鈍った」と指摘した。バーナンキFRB議長 は17日、景気見通しについて議会証言する予定。12月の米消費者物価指数 (CPI)は前月から伸びが減速。インフレが過去17年間で最も上昇した07 年から鈍化していることを示唆した。

インテルは12%安。1-3月期の売上高は最悪の場合94億ドルにとどま ると予想した。アナリスト予想平均は101億ドル。リーマン・ブラザーズはイ ンテルの目標株価を23%下方修正し、23ドルに設定した。

アップルは続落。前日に発表した新製品が投資家の期待に沿えなかったこ とが引き続き売り材料となった。

原油相場は1.06ドル(1.15%)安の1バレル=90.84ドル。エネルギ ー省の発表した石油在庫が予想以上に増加してことが売り材料となった。エク ソンやシェブロンのほか、コノコフィリップスも安い。

金融保証大手のアムバック・ファイナンシャル・グループは39%安。同社 は16日、配当を67%引き下げ、10億ドルを超える増資を実施する方針を明 らかにした。「AAA」の格付けを維持することが狙い。アムバックと同業の MBIAは保証する債務担保証券(CDO)やサブプライム(信用力の低い個 人向け)住宅ローン関連証券の価値が急落しているため、格付け会社が格付け を見直している。

JPモルガン、ウェルズ・ファーゴ

JPモルガンは5.8%上昇。この日、時価総額でシティグループを抜いて 米銀2位となった。総収入は7%増の174億ドルとアナリスト予想を上回った。 一方、純利益は34%減と、アナリスト予想よりも悪かった。

米銀大手ウェルズ・ファーゴも高い。1株当たり利益が41セントと、ア ナリスト予想の40セントを上回った。

S&P500種の金融株指数は1.3%高と、全10セクターで上昇率首位と なった。ベアー・スターンズのアナリストは金融株の投資判断を「マーケット ウエート」に引き上げた。価格が評価損と減益を反映した水準にまで下落した ことが理由。

○米国債:相場は下落。12月の消費者物価指数(CPI)と鉱工業生産が市場予 想を上回り、連邦公開市場委員会(FOMC)の今月の利下げ幅が0.5ポイント を上回との観測が弱まった。

10年債利回りは一時、約4年ぶりの低水準に迫る場面もあった。住宅市場 の混迷とサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンに関連した証券に よる損失拡大を受けて、投資家は米国がリセッション(景気後退)に陥るとの 見方を強め、債券に買いを入れていた。

サントラスト・バンクの個人資産運用部門ストラテジストを務めるアンデ ィ・リッチマン氏は、「今月FOMC開催前の緊急利下げを予想していた市場関 係者は、おそらく今はそれは起こらないと考え直しているだろう。多くの材料が 織り込み済みだ」と語った。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後4時3分 現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント) 上昇して3.73%。一時は2003年7月以来の低水準となる3.61%まで下げた。 10年債価格(表面利率4.25%、2017年11月償還)は13/32下げて104 1/4 となった。2年債利回りは1bp上昇して2.50%。

金利先物市場動向によると、1月30日のFOMC会合までにフェデラルフ ァンド(FF)金利誘導目標が少なくとも0.75ポイント引き下げられる確率は 36%、今週はじめは50%を超えていた。0.5ポイントの利下げを織り込む確率 は64%だった。

1984年10月2日以来、FOMCの利下げ幅が一度で0.5ポイントを上回 ったことはない。当時、FOMCはフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を

1.75ポイント引き下げた。その後、2001年1月には2度、0.5ポイントの利下 げを実施している。

CPI、鉱工業生産

米労働省が発表した12月のCPIは前月比0.3%上昇と11月の0.8%上 昇から伸びが鈍化した。ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト76 人の予想中央値は0.2%上昇だった。2007年通年では食品とエネルギーを除く コア指数は2.4%上昇だった。

米金融当局が注目する食品とエネルギーを除く個人消費支出(PCE)コア 価格指数は11月に前年同月比2.2%上昇と、07年3月以来で最大となった。

米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した2007年12月の米鉱工業生産 指数(製造業、鉱業、公益事業の生産を対象、季節調整値、1997年=100)は前 月比変わらずとなった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト74 人の予想中央値は0.2%低下だった。前月は0.3%上昇と、速報値から修正され なかった。

FRBが発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)は、11月後半から 12月にかけての「経済活動は緩やかに拡大したものの、そのペースは一段と鈍っ た」と指摘した。各地区連銀は年末商戦について「失望する結果だった」と報告 した。

10年債利回りは過去1カ月間で56bp低下した。1カ月間での低下幅は 1987年11月以来で最大。サブプライム住宅ローンに関連した資産の評価損を明 らかにする企業が相次ぎ、投資家は安全への逃避を求めて米国債に流れた。過去 1カ月間の2年債利回りも低下、2001年9月以来で最大の下げを記録した。

相対力指数

10年債先物の相対力指数(RSI、期間9日)は74と、10日の60から上 昇した。同指数が70を上回ると、「買われ過ぎ」として相場下落の可能性が高 いことを示す。RSIが87を記録した11月26日には10年債が下落し、利回 りは翌2週間で30bp上昇した。

30年債利回りは6bp上昇して4.33%。一時は2005年6月以来の低水準 となる4.23%をつけた。

○NY外為:ユーロが対ドルで下落。欧州中央銀行(ECB)の政策委 員会メンバー、ルクセンブルク中央銀行のメルシュ総裁がユーロ圏の景 気拡大に対する「下振れリスク」を指摘したことが嫌気され、ユーロは ドルに対し年初来最大の下げとなった。

メルシュ氏のコメントでECBも今年、米連邦公開市場委員会(F OMC)と同様に利下げを実施するとの観測が強まり、トレーダーはユ ーロ売りを出した。15日にはトレーダーがECBは政策金利を4%で据 え置くかもしくはインフレ抑制のために利上げに動くとみていたころか ら、ユーロは対ドルで最高値付近に上昇していた。

パトナム・インベストメンツ(ボストン)で運用に携わるパレシ ュ・ウパダヤ氏は「メルシュ氏のコメントは警鐘だ」と指摘。「ECB による利下げの可能性が高まっていることは事実だ。市場はユーロが極 めて安定しているとの見方に安住していた」と加えた。

ニューヨーク時間午後4時18分現在、ユーロは対ドルで前日比1% 下落し1ユーロ=1.4659ドルと、昨年12月14日以来の大幅な下げとな った。前日は同1.4804ドルだった。ユーロは円に対して1ユーロ=157 円57銭に下落。前日は同158円8銭だった。

メルシュ氏は15日のインタビューで、「経済活動に下振れリスクが あることは明らかだ」と指摘。インフレリスクが高まってきたが、為替 相場や原油相場、米景気減速、信用市場の混乱などから「物価動向の落 ち着きも認識している」と述べた。

ECBの政策見通し

金利先物相場はトレーダーが年内に、03年以来初となるECB利下 げを織り込み始めたことを示している。3カ月物EURIBOR(欧州 銀行間出し手金利)先物6月限は0.115ポイント低下し4.105%。同金 利は1999年から米サブプライム住宅ローン市場の混乱で信用収縮が発生 した昨年8月まで、ECBの政策金利を平均18ベーシスポイント上回っ ていた。

オンライン外為取引会社ゲイン・キャピタル傘下のフォレックス・ ドット・コムの為替チーフストラテジスト、ブライアン・ドラン氏は 「今年の景気減速に伴い、ECBは利下げを実施する可能性がある」と 指摘した。

シカゴ商品取引所(CBOT)のFF金利先物相場によると、 FOMCが30日の定例会合で現行4.25%のFF金利誘導目標を少なく とも3.75%に引き下げる確率は現在100%とみられている。また、1週 間前にはゼロだった3.5%への利下げ確率は現在、36%に上昇している。

米連邦準備制度理事会(FRB)が16日発表した地区連銀経済報告 (ベージュブック)は、11月後半から12月にかけての「経済活動は緩 やかに拡大したものの、そのペースは一段と鈍った」と指摘した。

経済指標がドル下支え

ドルは対円で1ドル107円51銭に上昇。前日は同106円78銭だっ た。一時は同105円92銭に下落する場面もあった。106円を割り込む円 高となったのは05年5月以来だった。信用市場の損失拡大で、キャリー トレードの解消が促進されたことが背景だった。

ドルは対スイス・フランでは過去最安値の1ドル=1.0838フラン を付けた。メリルリンチを含む米金融機関がシティグループに続き米住 宅ローン関連で一段の評価損を計上するとのアナリスト予想が背景だっ た。

昨年11月の対米証券投資統計では、ドルの下落にもかかわらず海外 投資家の米資産取得意欲がそれほど弱まっていないことが示された。こ れを受けてドルは対円での下落分を縮小し始めた。

FRBが発表した07年12月の米鉱工業生産指数(製造業、鉱業、 公益事業の生産を対象、季節調整値、1997年=100)は前月比変わらず となった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中 央値は0.2%の低下だった。同指標もドルの支援材料となった。

○英国債:2年債相場は下落。2年ぶりの低水準にあった同利回りは上昇に転じ た。イングランド銀行が2月7日の金融政策委員会(MPC)で政策金利を引き 下げるとの観測が後退した。

2年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げ

4.25%。同国債(2009年12月償還、表面利率5.75%)価格は0.05ポイント 下げ102.70。一方、10年債利回りは1bp下げ4.38%となった。

金利先物動向によれば、金利先物9月限は2bp上げ4.77%となった。イ ングランド銀が政策金利を5.75%から0.25ポイント引き下げた先月6日は

5.04%だった。

○欧州債:相場は上昇。ドイツ10年債利回りは7週間ぶりに4%を下回った。 米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題で経済成長が減速する との懸念が広がったことが背景。

また金融機関が抱える信用関連の損失がさらに拡大するとの見方から、世界 的に株価が下落、これを背景に安全投資としての国債需要が高まった。

欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、ルクセンブルク中央銀行の メルシュ総裁は16日、ユーロ圏の景気下振れリスクが高まっていると指摘。こ れを受けて、ドイツ10年債利回りは10カ月ぶりの低水準まで低下した。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダの債券ストラテジスト、リチャード・マク ガイアー 氏(ロンドン在勤)は、「欧州国債にはかなりの割安感が出ているため、 投資家は強気になれる材料を待ち望んでいる」と指摘。「米景気見通しのさらな る悪化で欧州経済への下振れリスクが一段と拡大し、国債相場がさらに上昇する 余地があるとの観測が広がっている」と語った。

10年国債利回りはロンドン時間午後4時41分までに、前日比5bp下げ

3.97%となった。同国債(2018年1月償還、表面金利4%)価格は0.38ポイ ント上げ100.19。2年債利回りは10bp低下し3.54%だった。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   (1)(212) 893-3007

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