日本株(終了)連日安値、日米景気と円高警戒-輸出と銀行中心に売り

東京株式相場は大幅続落。日経平均株価 とTOPIXはともに昨年来安値を連日で更新した。米国のサブプライム(信 用力の低い個人向け住宅)ローン問題の広がりを受けた日米景気後退の可能性 に警戒感が高まった。為替市場では一時1ドル=105円台まで円高が進行、採 算悪化が警戒されるトヨタ自動車や任天堂など輸出関連株が売られた。邦銀の サブプライム関連の追加損失への懸念もあり、みずほフィナンシャルグループ など銀行株も大幅安。アジア株の下落も、市場心理の悪化につながった。

日経平均株価の終値は前日比468円12銭(3.4%)安の1万3504円51銭、 TOPIXは同47.83ポイント(3.5%)安の1302.37。東証1部の売買高は 概算で30億2815万株と、昨年8月10日(33億5413万株)以来の高水準を 記録。売買代金は同3兆5001億円と、昨年12月14日(3兆9484億円)以来 の高水準。値下がり銘柄数は1601、値上がりは94とほぼ全面安。東証業種別 33指数では32業種が下落、上昇は電気・ガス、医薬品の2業種のみ。

損保ジャパン・アセットマネジメントの木谷徹シニア・インベストメン ト・マネージャーは、2日に発表された米供給管理協会(ISM)製造業景況 感指数が急落したほか、4日の雇用統計で失業率が上昇したことで、「サブプ ライム問題の実体経済への影響が顕著になってきたと警戒心を強めていた」と 指摘。こうした中で、前日の米銀最大手のシティや半導体最大手のインテルの 決算、さらに米小売統計の悪化により、「米国のリセッション入りリスクはさ らに高まった」(同氏)との認識を示した。

急落・反転・再下落、日経平均は大発会来の下落率

この日も日本株は安く始まった。日経平均は朝方から値を切り下げ、午前 9時半過ぎに前日比378円安の1万3594円まで下げ幅を広げる場面があった。 その後もしばらく底値圏で推移したが、10時過ぎから急速に買い戻され、午 前の日経平均は高値引け。大和証券投資情報部の野間口毅上席次長は、現状の 日本株について「PERやPBR、配当利回りといった投資指標面や、25日 移動平均線からの下方かい離率や騰落レシオなどテクニカル指標面では説明が つかない水準まで売り込まれている」との見方を示した。

午後に入ると、日本の3大銀行グループが米欧銀行に出資の用意があると 伝わったことなどを受けて、みずほFのほか、午前の引け際に一時プラスに転 じた三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ もあらためて売られた。損保ジャパン・アセットの木谷氏は、邦銀による米欧 銀への出資について「日本の銀行が余力を持っていることを示すほか、将来的 には業績面でのシナジー効果も期待できるが、地合いの悪い現状では目先の出 資負担が嫌気されたようだ」と見ていた。

香港H株指数などアジア株の下落も警戒され、日経平均は午後の取引で再 び下値模索となり、結局ほぼ安値引け。下げ幅、下落率の大きさは東証再開来、 大発会としては過去最悪だった1月4日(616円安、4%安)以来だった。

米株急落と105円台の円高、悪循環に陥る

15日の米株式相場は、ダウ工業株30種平均が277.04ドル(2.2%)安の

12501.11ドルと大幅反落。シティが創業以来で最大の純損失を計上したほか、 昨年12月の小売売上高が予想に反して減少したことを嫌気し、ダウ指数の終 値ベースの下落率は今年に入った10営業日では最大だった。

12月の米小売売上高がマイナスに落ち込んだことなどから、米経済が後 退に向かっているとの観測が強まり、15日のニューヨーク外国為替市場では、 円が対ドルで2005年以来の高値に上げる円高が進行。16日の東京外国為替市 場でも円高が進み、円・ドル相場は1ドル=105円台後半まで円高・ドル安が 進んだ。こうした為替相場の動きは、米国の景気不安とともに日本の輸出関連 株には収益の先行き懸念が誘発される点で逆風だ。日本株の大幅安を受けてリ スク回避に伴う円買いの動きも加わり、為替と株式の両市場で悪循環に陥った。

機械受注も反動減

一方、内閣府が午前8時50分に発表した11月の機械受注は、国内設備投 資の先行指標とされる「船舶・電力を除く民需」(季節調整値)が前月比

2.8%減となった。ブルームバーグ・ニュースによる民間調査機関41社への事 前調査の中央値は前月比4.0%減が予想されていた。事前予想よりは減少幅が 少なかったものの、米国経済の減速懸念や原油高に伴うコスト上昇など企業部 門をめぐる外部環境は厳しくなっている。

みずほ投信投資顧問の柏原延行執行役員は、「昨年10-12月期の米企業 決算が大きく落ち込むリスクがあるほか、マクロ面でも米国経済の減速を示す 指標が今後相次ぐ可能性が高い」とし、日本経済の米依存度の高さを勘案すれ ば、「国内景気の減速感が強まることも避けられないだろう」(同氏)という。

政局不安も売り材料に

福田康夫内閣の支持率が大きく低下したとのニュースが一部で伝わり、市 場では「外国人投資家を中心に政局の混迷を警戒した売りも出ているようだ」 (みずほ投信の柏原氏)との声も聞かれた。16日付の読売新聞朝刊によると、 同紙が12、13日に実施した全国世論調査で、福田康夫内閣の支持率は45.6%。 昨年12月の前回調査より6.9ポイント低下し、内閣発足来、初めて5割を切 った。不支持率は41.6%(前回比6.3ポイント増)。同紙では、年金記録漏 れ問題の完全な解決が難しくなったことなどが影響したようだとしている。

半導体関連に売り、ファナックは下落寄与トップ

東芝、SUMCO、アドバンテスト、東京エレクトロンなどの半導体関連 株が売られ、新光電気工業やイビデンといったICパッケージ銘柄も大幅安。 米インテルが15日の通常取引終了後に発表した07年10-12月決算と、08年 1-3月の業績見通しがアナリスト予想に届かず、株価は時間外取引で急落。 こうした流れが、東京市場の関連銘柄にも波及した。また、機械受注が2カ月 ぶりにマイナスとなったことを受け、コマツや三菱重工業といった機械株も連 日安。ファナックは10%安で、日経平均の下落寄与度トップ。

ファンド向けの不動産売却収入が減少し、07年11月期の連結売上高が前 の期比25%減のパシフィックマネジメントがストップ安(値幅制限の下限) 水準まで売り込まれた。残暑が長引いたことで婦人衣料品の秋物が苦戦、08 年2月通期の連結営業損益が24億円の赤字となる見込みのレナウンもストッ プ安比例配分。豆乳商品市場の縮小で07年4-12月期の連結営業利益が前年 同期比39%減の16億円となった紀文フードケミファは連日の昨年来安値。

日平トヤマはストップ高気配で値付かず

半面、東証1部の93%が下げる中、日平トヤマ株がストップ高(値幅制 限の上限)買い気配のままで取引を終えた。同社株を3割弱保有するコマツが、 友好的なTOB(株式公開買い付け)を実施する方針を固めたと16日付の日 本経済新聞朝刊で報じられ、TOB価格にプレミアムが付くと期待された。電 源開発(Jパワー)は4営業日ぶりに急反発。筆頭株主の英投資ファンド、 ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンドが電源開発株を現状の9.9% から20%まで引き上げる意向との報道を受けた。みずほ証券が15日に投資判 断を上げている日本ハムが急伸し、東証1部上昇率で3位(外国株除く)。

新興市場は3指数とも安値更新

国内新興市場は、さえない東証1部の影響を受け、主要3指数がそろって 大幅に4日続落。ジャスダック指数の終値は前日比3.66ポイント(5.5%)安 の62.45と、連日で昨年来安値を更新。東証マザーズ指数は38.68ポイント (5.9%)安の620.40と約4カ月ぶりに算出来安値。大証ヘラクレス指数は

48.02ポイント(4.8%)安の948.49と2日連続で算出来安値を記録した。

個別では、楽天、サイバーエージェント、ソネットエンタテインメント、 USENなどインターネット関連の主力株が下落。SBIホールディングスが SBIイー・トレード証券を株式交換で完全子会社化すると発表したことを受 け、Eトレードは理論株価にさや寄せする格好でストップ安となった。半面、 テレウェイヴ、ゼンテック・テクノロジー・ジャパン、ぐるなびが上昇。2008 年11月期に年間2000円の初配当を実施すると発表した関門海も高い。

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