11月機械受注は2.8%減、反動減は小幅-先行きは不透明感(4)

国内民間設備投資の先行指標と言われる機 械受注(船舶・電力を除く民需)は、昨年11月には前月上昇した反動で2カ月 ぶりにマイナスに転じた。事前予想よりは反動減の幅は小さかったものの、米 国経済の減速懸念や原油高に伴うコスト上昇など企業部門をめぐる外部環境は 不透明感が増している。

内閣府が16日発表した「船舶・電力を除く民需」(コア機械受注)は季節調 整済み前月比2.8%減で、総額は1兆498億円となった。前年同月比では0.9% 増。内訳は製造業が前月比1.7%減、非製造業が同3.1%増だった。ブルームバ ーグ・ニュースが民間エコノミスト41人を対象にした調査によると、予測中央 値は同4.0%減だった。同数値は毎月の振れが大きく、予想レンジは9.0%減か ら0.4%増となっていた。

コア機械受注は、各企業が設備投資のための機械をメーカーに発注する段 階で集計しており、実際の民間設備投資に半年程度先行すると言われている。 機械受注は毎月の振れが大きいため、四半期でならしてみるのが一般的。今年 4-6月期まで2四半期連続でマイナスを記録した後、7-9月期は前期比

2.5%増となり、10-12月期は同3.1%増の見通しとなっている。

日本政策投資銀行調査部の鈴木英介調査役は、発表後に「ならしてみれば やや持ち直している」としながらも、①海外経済の鈍化による輸出の減速②原 油等の素材・資源価格の上昇、円高による企業収益の伸びの鈍化などのリスク 要因に警戒する必要があり、「先行きは楽観できないと考えている」と語った。

判断は一進一退を維持

内閣府・経済社会総合研究所の舘逸志景気統計部長は発表後の記者説明で、 機械受注の基調判断について、「一進一退で推移している」と述べ、6カ月連続 で判断を据え置いたことを明らかにした。前月からの反動減が小幅にとどまっ た背景として、舘部長は非製造業が2カ月連続で増加していることを指摘した。 ただ、通信業のうち携帯電話端末の新機種投入に伴う受注増加という特殊要因 があったことも指摘し、「やや過大評価されている」可能性にも言及した。

製造業のうち受注増加に寄与した業種は、造船、電気機械、非鉄金属など。 電気機械業による受注は2カ月連続で増加した。一方、減少した業種は、主に 反動減で化学工業、その他製造業、一般機械などだった。

10-12月期の見通しについて舘部長は、12月が仮に前月比横ばいだった場 合、10-12月期の前期比伸びは1.9%増になるとし、見通しの3.1%増を達成す るには12月に前月比3.6%増加する必要があると説明した。

三菱総合研究所の酒井博司主席研究員は、ブルームバーグ・テレビに出演 し、10-12月の見通しについて、「まだ達成は可能な数字だと思う」と指摘。「当 面は設備投資についても、10月の短観等を見ても特に落ち込みは見られないの で大丈夫だと思うが、ただ、それ以降がかなり問題になってくると思う」と述 べ、「企業収益も今後の動きはかなり不透明になってきている。特に大企業は短 観でも良いが、中堅・中小企業はやや弱含みになってきている」と指摘した。

08年上期中に設備投資は慎重化も

農林中金総合研究所の南武志主任研究員は、「少なくとも07年内は輸出が 底堅く推移したこともあり、企業設備投資もそれなりの展開を続けたと思われ る」とする一方、金融市場の混乱が世界経済に悪影響を及ぼす可能性を踏まえ、 「08年度上期中の設備投資は慎重さを増してくると予想される」とみている。 その上で、「08年にかけて日本経済は景気回復感をほとんど伴わない状態が続き、 設備投資も景気をけん引するほどの力強さは見込めない」との見方を示した。

統計発表直後にドルは対円で若干弱含んだが、あと戻し、午前10時51分 現在は1ドル=106円74銭前後で推移している。発表直前は同106円67銭前後 だった。日経平均株価は一時前日比300円以上下げた後、午前の取引は前日比 130円70銭(0.9%)安の1万3841円93銭で終了した。

機械受注に関連する指標では、11月の工作機械受注の内需が前年同月比

1.6%増と10月分の同8.6%増から鈍化。鉱工業生産で電子・デバイスの在庫調 整はめどがついたが、内需が盛り上がりにかける中、米国経済の減速が顕在化 すれば、企業の投資行動も慎重化する可能性がある。

米商務省が15日に発表した12月の小売売上高(速報、季節調整 済み)は 前月比0.4%減と、07年6月以来初めてマイナスに落ち込んだ。建設資材や衣 料品、家電製品、スポーツ用品などの売上高が減少した。

--共同取材:鎌田泰幸、亀山律子 Editor:Hitoshi Ozawa、Masaru Aoki

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