東京外為:ドル・円が2年半ぶり安値、米景気懸念と株安-106円後半

午前の東京外国為替市場ではドル・円相場 が約2年半ぶりのドル安値を更新している。サブプライム(信用力の低い個人 向け)住宅ローン問題の影響拡大で米国景気の後退懸念が強まる中、海外から のドル売り地合いが継続。また、米国株に続き、日本株が大きく下落している ことも、円買いを後押しし、ドル・円は一時、1ドル=106円60銭(ブルーム バーグ・データ参照、以下同じ)と2005年6月以来のドル安値を付けた。

ドルは対ユーロでも1ユーロ=1.47ドル後半から1.48ドル台前半へ反落。 前日の海外市場では一時、1.4922ドルと、ユーロ導入以来の史上最安値(1.4967 ドル)を記録した昨年11月23日以来のドル安値を付ける場面も見られた。

一方、ユーロ・円は早朝に一時、1ユーロ=157円70銭と昨年9月以来の 水準までユーロ安・円高に振れた後、158円ちょうどを挟んでもみ合う格好とな っている。

メリルリンチ日本証券外国為替部の今泉光雄ディレクターは、米シティグ ループの決算は想定範囲内だったが、米小売売上高が予想よりかなり悪く、米 国株が大きく下落し、「株安イコール円高」のシナリオから完全な円高相場に なっていると説明。きょうの東京市場についても、ドル・円は「米金融機関の 決算と指標を気にしながら、頭の重い展開を想定せざるを得ない」とみている。

米景気の先行き不透明感

米商務省が15日に発表した12月の小売売上高(速報、季節調整済み)は 前月比0.4%減と、07年6月以来初めてマイナスに落ち込んだ。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は前月比変わらずだった。

一方、シティグループが発表した2007年10-12月(第4四半期)決算は、 純損失が98億3000万ドルと、創業196年の歴史で最大の赤字額だった。住宅 ローンのデフォルト(債務不履行)急増で、サブプライム(信用力の低い個人 向け)住宅ローン関連投資の評価損を180億ドル(約1兆9400億円)計上した ことが響いた。

小売売上高の予想外の減少やシティの業績悪化を受け、15日の米国市場で は株安・債券高が進行。ダウ工業株30種平均は前日比で277.04ドル(2.2%) 下落し、米10年債利回りは2004年以来の水準まで低下した。

みずほ信託銀行資金証券部の金子和広調査役は、米金融機関の決算に関す る悪材料に加えて、「12月の小売売上高では、よりどころだった個人消費の弱 さが示され、いよいよ景気減速から景気後退が現実味を帯びてきた」と指摘。 景気の先行き不透明感が増したことで、円キャリートレード(低金利の円で調 達した資金を高金利通貨などに投資する取引)の巻き戻しが生じやすいと語る。

ドル安と円高

15日の海外市場では米金利の先安観を背景にドル売りが加速。また、米国 株の下落を背景に円の買い戻しも活発化し、ドル・円は2005年6月以来となる 1ドル=106円台までドル安・円高が進んだ。

米国の大幅安に続き、16日朝方の東京株式相場は大幅続落しており、日経 平均株価の下げ幅は一時、378円を超えた。

一方、内閣府が朝方発表した11月の機械受注(船舶・電力を除く民需)は 季節調整済み前月比2.8%減だった。事前予想(同4%減)は上回ったものの、 米景気の動向が焦点となる中、相場への影響は限られた。

米決算と経済指標を警戒

米国ではこの日、JPモルガン・チェースやウェルズ・ファーゴの決算発 表が予定されており、サブプライム関連の損失規模に注目が集まる。

また、経済指標では12月の消費者物価指数(CPI)や鉱工業生産が発表 されるほか、地区連銀経済報告(ベージュブック)の公表が予定されている。 ベージュブックは今月30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での議論のた たき台となるだけに、景気の現状や下振れリスクについて強い警戒感が示され れば、市場の大幅利下げ観測を後押しし、金利低下を通じてドルの下押し圧力 につながりそうだ。

メリルリンチの今泉氏は、米主要金融機関の決算で、今週でほぼ材料出尽 くすと見ていたが、「1-3月期の景気減速ということで、金融機関の決算か ら米実体経済が今後どうなるのか、ずっと続くのか1-3月期だけなのかが今 後の注目点になってくる」と指摘する。

金利先物市場動向によると、30日のFOMCまでにフェデラルファンド(F F)金利誘導目標が少なくとも0.75ポイント引き下げられる確率は40%程度、

0.5ポイントの利下げを織り込む確率は60%程度となっている。

--共同取材:吉川淳子 Editor:Tetsuzo Ushiroyama、Norihiko Kosaka

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