日本株は続落、米国の企業決算や小売不振-円高逆風で輸出売り(2)

午前の東京株式市場は続落。米銀最大手 シティグループが15日発表した2007年10-12月(第4四半期)決算が過去 最大の赤字となったほか、昨年12月の米小売売上高が6カ月ぶりの減少に転 じたことが嫌気された。外国為替市場で1ドル=106円台まで円高が進行して いることもあり、海外収益への不安からトヨタ自動車やソニーなど輸出依存度 の高い銘柄を中心に下落。半導体最大手の米インテルの10-12月決算が市場 予想を下回ったことで、半導体関連株にも下げが目立った。

日経平均株価の午前終値は前日比130円70銭(0.9%)安の1万3841円 93銭、TOPIXは同17.17ポイント(1.3%)安の1333.03。東証1部の売 買高は概算で13億6548万株、売買代金は同1兆5129億円。値下がり銘柄数 は1390、値上がりは277。東証業種別33指数では27業種が下落、上昇は6。

大和証券投資情報部の野間口毅上席次長によると、米シティの追加損失額 が大きく膨らむことや、米小売売上高が減少することは「事前に出ていたニュ ースや関連統計などからある程度想定できた」という。ただ、米国市場の反応 がネガティブだったほか、米通常取引終了後に発表された決算発表を受けてイ ンテルが急落したことで、「市場センチメントが冷え込んだ」(同氏)。

午前の日経平均は高値引け

この日も日本株は安く始まった。日経平均は朝方から値を切り下げ、午前 9時半過ぎに前日比378円安の1万3594円まで下げ幅を広げる場面があった。 その後もしばらく底値圏で推移したが、10時過ぎから急速に買い戻され、日 経平均は午前の高値で終了。

大和証の野間口氏は、現状の日本株について「PERやPBR、配当利回 りといった投資指標面や、25日移動平均線からの下方かい離率や騰落レシオ などテクニカル指標面では説明がつかない水準まで売り込まれている」との見 方を示している。

米株は大幅安、2年ぶり円高・ドル安も

15日の米株式相場は大幅反落。ダウ工業株30種平均は前日比277.04ド ル(2.2%)安の12501.11ドル、ナスダック総合指数は同60.71ポイント (2.5%)下落の2417.59ポイントで終えた。シティが創業以来で最大の純損 失を計上したことに加え、昨年12月の小売売上高が予想に反して減少したこ とが売りを誘った。ダウ指数の終値ベースの下落率は、今年に入った10営業 日では最大。

また、12月の米小売売上高がマイナスに落ち込んだことなどから、米経 済がリセッション(景気後退)に向かっているとの観測が強まり、15日のニ ューヨーク外国為替市場では、円が対ドルで2005年以来の高値に上げるなど 円高が進行。16日午前の東京外国為替市場でも円高基調にあり、対ドルでは 1ドル=106円台後半、対ユーロは1ユーロ=158円台前半で取引されている。 こうした為替相場の動きは、米国の景気不安とともに日本の輸出関連株には収 益の先行き懸念が誘発される点で逆風となった。

機械受注も反動減

一方、内閣府が午前8時50分に発表した11月の機械受注は、国内設備投 資の先行指標とされる「船舶・電力を除く民需」(季節調整値)が前月比

2.8%減となった。ブルームバーグ・ニュースによる民間調査機関41社への事 前調査の中央値は前月比4.0%減が予想されていた。事前予想よりは減少幅が 少なかったものの、米国経済の減速懸念や原油高に伴うコスト上昇など企業部 門をめぐる外部環境は厳しくなっている。

政局不安も売り材料に

福田康夫内閣の支持率が大きく低下したとのニュースが一部で伝わり、市 場では「外国人投資家を中心に政局の混迷を警戒した売りも出ているようだ」 (みずほ投信投資顧問の柏原延行執行役員)との声も聞かれた。

16日付の読売新聞朝刊によると、同紙が12、13日に実施した全国世論調 査(面接方式)で、福田康夫内閣の支持率は45.6%だった。昨年12月の前回 調査より6.9ポイント低下し、内閣発足以来、初めて5割を切った。不支持率 は41.6%(前回比6.3ポイント増)だった。同紙では、年金記録漏れ問題の 完全な解決が難しくなったことなどが影響したようだとしている。

半導体関連に売り、ファナックは連日安値

東芝、SUMCO、アドバンテスト、東京エレクトロンなどの半導体関連 株が安く、新光電気工業やイビデンといったICパッケージ銘柄も軟調。米イ ンテルが15日の通常取引終了後に発表した07年10-12月決算と、08年1- 3月の業績見通しがアナリスト予想に届かず、株価は時間外取引で急落。こう した流れが、東京市場の関連銘柄にも波及した。また、機械受注が2カ月ぶり にマイナスとなったことを受け、コマツやダイキン工業といった機械株にも売 りが優勢。ファナックは7.9%安まで売られ、連日で昨年来安値を更新した。

このほか、ファンド向けの不動産売却収入が減少し、07年11月期の連結 売上高が前の期比25%減の1277億円となったパシフィックマネジメントは一 時ストップ安(値幅制限の下限)水準まで売り込まれた。このほか、残暑が長 引いたことで婦人衣料品の秋物が苦戦、08年2月通期の連結営業損益が24億 円の赤字となる見込みとなったレナウンがストップ安売り気配。豆乳商品の市 場縮小の影響で07年4-12月期の連結営業利益が前年同期比39%減の16億 円となった紀文フードケミファは連日の昨年来安値更新。

日平トヤマはストップ高気配

半面、東証1部の8割が下げる中、日平トヤマ株は買い気配値をストップ 高(値幅制限の上限)まで切り上げた。同社株を3割弱保有するコマツが、友 好的なTOB(株式公開買い付け)を実施する方針を固めたと16日付の日本 経済新聞朝刊が報道したことを受け、TOB価格にプレミアムが付くと期待さ れた。電源開発(Jパワー)は急反発。筆頭株主の英投資ファンド、ザ・チル ドレンズ・インベストメント・ファンド(TCI)が電源開発株を現状の

9.9%から20%まで引き上げる意向を示したとの報道を受けた。

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