NY外為:ドルは対円で2年ぶりの安値に下落-米小売販売減を嫌気

ニューヨーク外国為替市場ではドル が対円で2005年以来の安値に下げた。米商務省が発表した12月の小売 売上高がマイナスに落ち込んだことなどから、米経済がリセッション (景気後退)に向かっているとの観測が強まった。

ドルはまたスイス・フランに対しても最安値に下落した。景気てこ 入れのために今月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)で最大0.75ポ イントの利下げが実施されるとの観測が背景だった。円は主要16通貨す べてに対して上昇した。日本の最大輸出国である米国の需要鈍化で、日 本の投資家の海外資産取得意欲が弱まるとの見方が広がった。

リーマン・ブラザーズの為替ストラテジー責任者、デービッド・モ ジナ氏は「ドルは金利面での支援材料を失い、困難な状況に陥ってい る」と指摘した。

ニューヨーク時間午後4時2分現在、ドルは円に対し1ドル=106 円84銭に下落。05年6月以来の安値を付けた。前日は同108円16銭。 円は対ユーロで1ユーロ=158円38銭に上昇。前日は同160円84銭だ った。

ユーロは対ドルで1ユーロ=1.4825ドルに下落。前日は同1.4869 ドルだった。INGファイナンシャル・マーケッツで為替トレーディン グのディレクターを務めるジョン・マッカーシー氏は、トレーダーがユ ーロを売って円買いを入れたことも、対ドルでのユーロの下落につなが ったと指摘した。

ポンドはユーロに対し最安値から反発。12月の英インフレ率はイン グランド銀行の目標水準の2%を上回った。スイス・フランは対ドルで 最高値の1ドル=1.0856フランを付けた。

リスク回避の復活

米金融大手シティグループが発表した2007年10-12月(第4四半 期)決算で純損失が98億3000万ドルと、創業196年の歴史で最大の赤 字額だったことから、住宅ローンのデフォルト(返済不履行)からの金 融機関の損失が拡大するとの懸念が高まり、ドルが下げ始めた。

米商務省が発表した12月の小売売上高(速報、季節調整済み)は前 月比0.4%減と、07年6月以来初めてマイナスに落ち込んだ。ブルーム バーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は前月比変わら ずだった。11月は1%増と、速報値の1.2%増から下方修正された。

米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ、オンライン版)は15 日、グリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長が米経済に ついて、既にリセッション(景気後退)入りしているか、もしくはリセ ッションに入ろうとしているとの認識を示したと報じた。同氏は景況指 数と失業率統計に言及し、「兆候は明らかに存在する」と述べたという。

欧米の金利政策

シカゴ商品取引所(CBOT)のFF金利先物相場によると、FO MCが30日の定例会合で現行4.25%のFF金利誘導目標を少なくとも

3.75%に引き下げる確率は現在100%。1週間前にはゼロだった3.5%へ の利下げ確率は38%に上昇している。

リーマンのモジナ氏は次回の定例FOMC前に利下げが実施される 可能性があると指摘したものの、定例FOMCでの0.5ポイントの利下 げというのがリーマンの基本的予想だと述べた。

トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁は10日の政策金利据え置き決 定後にインフレスパイラルを容認しない意向を表明。米政策金利は04年 以来、ECBの政策金利水準を下回っていない。

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