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ウォール街:評価損3.8兆円が業績の重し、今年も苦戦か-今週決算

シティグループとバンク・オブ・アメリカ (BOA)、メリルリンチの米大手金融機関3社が今週発表する2007年10-12 月決算は、各社の創業以来で最悪の四半期決算となりそうだ。同四半期は3社 を合わせ約350億ドル(約3兆8100億円)の評価損が予想される。資本基盤の 悪化や米景気減速で、業績低迷は今年末まで続く恐れがある。

損失で自己資本比率が低下し、シティとメリルは海外投資家から130億ド ル余りの出資を仰いだ。資本不足は新規融資を行う余力を低下させ、収益減に つながる。米景気減速のなかで、クレジットカード事業などその他の収益源も 脅かされると調査会社クレディットサイツのアナリスト、デービッド・ヘンド ラー氏は指摘し、各社の08年利益が06年の水準を超えることはないと予想し ている。

RCMキャピタルで運用に携わるアダム・コンプトン氏は「金融機関は米 経済が既にリセッション(景気後退)入りしたかのように振る舞っている」と して、「どこも融資を大幅に絞り込んでいる」と話した。

残るリスク

シティは15日に決算を発表する。ブルームバーグ・ニュースがまとめたア ナリスト予想平均では40億ドルの赤字が予想される。商業用不動産価格が急落 した1990年代初め以来の赤字となる。また、米紙ウォールストリート・ジャー ナル(WSJ)は11日、シティが中国や中東の投資家からの最大100億ドルの 出資についても発表する可能性があると報じた。

メリルが17日に発表する第4四半期決算は、32億3000万ドルの赤字と予想 される。7-9月(第3四半期)の創業来最悪の赤字(22億4000万ドル)を上 回る赤字が見込まれている。サンドラー・オニール・アンド・パートナーズの アナリスト、ジェフリー・ハート氏は、メリルのジョン・セイン最高経営責任 者(CEO)は第4四半期に、同社がまだ保有している米国のサブプライム(信 用力の低い個人向け)住宅ローン関連資産の大半の評価替えを終わらせるので はないかとみている。

ゴールドマン・サックス・グループのアナリスト、ウィリアム・タノナ氏 はシティが住宅ローン関連の債務担保証券(CDO)で約190億ドルの評価損 を出すとみている。米経済専門局CNBCは14日、シティが240億ドルの評価 損と1万7000-2万4000人の削減を発表する可能性があると報じた。またタノ ナ氏によると、メリルの評価損は115億ドルと見込まれる。

BOAの第4四半期利益は前年同期比79%減の10億8000万ドルと、少な くとも10年で最大の減益となると予想される。サンフォード・C・バーンステ ィーンのアナリスト、ハワード・メーソン氏はBOAが住宅ローン関連で55億 ドルの評価損を計上すると予想している。

BOAは11日、住宅金融米最大手のカントリーワイドを買収することで合 意したと発表した。格付け会社イーガン・ジョーンズ・レーティングスのマネ ジングディレクター、ショーン・イーガン氏は、カントリーワイドが保有する 債権によりBOAが一段の評価損に直面する可能性があると指摘した。

メーソン氏はまた、貸倒引当金の積み増しが今年の金融機関業績を押し下 げると予想している。同氏はBOAの商工ローンの貸し倒れ率が今年平均で

0.7%と、07年7-9月(第3四半期)の0.42%から上昇すると予想する。シ ティのクレジットカード・ローンの貸し倒れ損失は76億ドルと、07年の64億 ドルや06年の58億ドルから増えると見積もっている。

スチュアート・キャピタル・アドバイザーズで運用に携わるマルコム・ポリ ー氏は「銀行の多くは米サブプライム住宅ローンばかりでなく、多くの消費者 ローン債権を抱えている」が、米経済がリセッション(景気後退)に近づくに つれて「消費者ローンの延滞は増えるだろう」と話した。

また、タノナ氏は、メリルが第4四半期に115億ドルの評価損を計上した 後も、まだ約80億ドルのリスクが残ると見積もっている。

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