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NY外為(11日):円上昇、信用損失懸念でキャリー取引解消の動き(2)

ニューヨーク外国為替市場では円が主要 16通貨のうち14通貨に対して上昇。信用市場の損失悪化が示唆され、投資家 はキャリー取引を解消した。

円はユーロに対して1週間ぶりの大幅高を記録した。UBSが2008年は 金融サービス企業にとってまた「厳しい年」になるとの見通しを示したほか、 米ニューヨーク・タイムズ紙がメリルリンチは住宅ローン関連の損失で150億 ドルの評価損を計上する可能性があると報じたのが手掛かりとなった。カナ ダ・ドルは主要16通貨すべてに対して下落。予想外の雇用者減が背景。

テンパス・コンサルティング(ワシントン)のストラテジスト、マーク・ メドウズ氏は、「市場は非常に神経質になっている。サブプライム(信用力の 低い個人向け)住宅ローンに絡む銀行の損失がどれほどの規模か、誰も知らな い。こうした材料が出てくると、株は売られ、円が買われる」と語った。

ニューヨーク時間午後4時現在、円はドルに対して108円99銭に上昇。 前日は1ドル=109円33銭だった。週間ベースでは0.4%下げた。対ユーロで の円は161円05銭に上昇した。前日は161円88銭。週間ベースでは0.6%下 落した。ドルはユーロに対して1.4776ドルに上昇、前日は1ユーロ=1.4804 ドルだった。

南アフリカ・ランドは主要16通貨のなかでドルに対して最も水準を上げ、 1カ月ぶり高値の1ドル=6.7264ランドを記録した。金相場はオンス当たり 900ドル超の最高値を記録。南アフリカは世界の金生産の約10分の1を担って いる。

カナダ・ドルは対米ドルで6日連続安。今年3月以来で最長の下げとなっ た。カナダの雇用者数は12月に1万8700人減少した。カナダ・ドルは米ドル に対して1.0222カナダ・ドルと、12月17日以来の安値を記録した。

英ポンドはユーロに対して75.53ペンス(前日は75.48ペンス)。一時は、 最安値の75.87ペンスまで下落した。

リスク回避としての円上昇

デイリーFXドットコムの上席通貨ストラテジスト、ボリス・シュロスバ ーグ氏(ニューヨーク在勤)は、「円の強さはリスク回避からくるものだ。 2008年は世界的に金利が下押しされるだろう。それはキャリー取引にとっては ネガティブだ」と語った。

シュロスバーグ氏は向こう2週間の円のレンジは対ドルで107円から111 円を予想しているという。

キャリー取引の運用通貨として利用される豪ドルは円に対して0.8%下げ て、1豪ドル=97円12銭だった。

米ニューヨーク・タイムズ紙が関係者を引用して報じたところによると、 メリルリンチは現在、増資について複数の米プライベートエクイティ(未公開 株)投資会社を含む米国、アジア、中東の投資家と協議しており、約40億ド ルを確保することを目指している。

仏ソシエテ・ジェネラルの外為営業バイスプレジデント、カール・フォ チェスキ氏は、「メリルの評価損は不安要素だ。こうした悪材料が出てくると いう事実は市場の苦しみをさらに長引かせることになる。円はさらに上昇しや すくなっている」と語った。同氏は今後2週間以内に円はドルに対して107円 23銭をつける可能性があるとみている。

ユーロ・円のインプライドボラティリティ

1カ月物ユーロ・円オプションのインプライドボラティリティ(IV、予 想変動率)は14.65%と前日の14.2%から上昇した。ボラティリティが上昇す れば、キャリートレードが解消される可能性がある。

週間ベースでのドルはユーロに対して3週連続安。11月9日に終了した週 以来で最長の下げとなった。

金利先物市場動向によると、1月30日のFOMC会合でフェデラルファ ンド(FF)金利誘導目標が0.75ポイント引き下げられる確率は36%、前日 はゼロだった。一方、0.5ポイント引き下げられる確率は64%となっている。

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