新テロ法が成立、参院否決も衆院再議決-福田政権辛くも目標果たす

インド洋での海上自衛隊の給油活動の 再開を可能にする政府提出の新テロ対策特別措置法は11日午後の衆院本会 議で、自民、公明の連立与党の賛成多数で可決、成立した。これにより2007 年11月に旧テロ対策特措法が失効して以来中断している給油活動は2月に も再開される見通し。

同法は11日午前の参院本会議で民主、共産、社民など野党の反対多数で 否決された。しかし憲法59条の規定に基づき、同日午後の衆院本会議では3 分の2以上を占める与党の賛成多数で成立した。

衆参両院で与野党の勢力が逆転している「ねじれ国会」の状況の下、福田 康夫政権は、安倍晋三前首相退陣のきっかけとなった同法成立との目標を辛く も果たした格好だ。

憲法59条の規定により参院が否決した法案が衆院での再議決で成立した のは1951年の「モーターボート競走法」以来、57年ぶり。憲法59条は「衆院 で可決し、参院で異なった議決をした法案は、衆院で3分の2以上の多数で再 び可決したときは法律となる」と定めている。

岩井奉信日大法学部教授(政治学)は、「福田首相は3分の2の与党議席 の重要性を認識し、衆院解散・総選挙はそう簡単にできそうにない」と語り、 首相は議席を減らす危険性をはらむ解散・総選挙に踏み切れないと分析。「補 給活動に世論の圧倒的な反対がなかったため、民主党も『伝家の宝刀』の首相 問責決議案の参院提出を温存した」と説明した。

その上で岩井教授は「野党も何でも反対すると世論から見捨てられるし、 与党も数では押し切れない。通常国会では、与野党がある程度歩み寄るしかな い」と語った。

旧テロ特措法は2001年9月の米同時多発テロを受けて同年10月に2年間 の時限立法で成立。03、05、06年に計3回延長され、07年11月1日に期限が 切れた。このため政府はインド洋での給油活動を継続するための新テロ特措法 案を07年10月17日に国会に提出。同法案は11月13日に衆院を通過してい た。同法は1年間の時限立法だが、付則に「1年以内の延長」を認めることが と明記された。

旧テロ特措法に基づく支援実施相手国は米英パキスタンなど11カ国、日 本が無償で提供した燃料は計48万キロリットル、給油回数は777回(約220 億円、07年8月30日現在)に上った。

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