東京外為:ユーロが高値圏もみ合い、ECBの引き締めバイアス際立つ

午前の東京外国為替市場ではユーロが高値 圏でもみ合った。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を受 け、米金利の先安観が強まる一方、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁が 金融政策の引き締めバイアスを示したことで、金利面でのユーロの優位性が意 識され、対ドルでは約1週間ぶりのユーロ高水準で推移。金利先高観の乏しい 円に対しては2日以来の高値を更新する場面も見られた。

三菱東京UFJ銀行市場業務部為替グループの高見和行調査役は、ユーロ について、「サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題が解決せず、 世界的に景気後退局面に入リつつある中で、リスク志向の低下ということであ れば、投機筋が今後も水準に関係なく一方的にユーロを買っていくとは思えな い」と語る。ただ、米国との金融政策スタンスの違いから、目先はもう少しユ ーロ・ドルの上値を試す可能性もあるとみている。

欧米政策金利の逆転観測

ECBは10日の定例政策委員会で政策金利の4%据え置きを決定した。結 果は予想通りだったが、トリシェ総裁は同日の記者会見で、「物価安定に対する リスクが現実化しないよう、政策委員会は引き続き先制的な行動に出る用意が ある」と述べ、引き締めバイアスを維持していることを表明した。

一方、バーナンキFRB議長は同日、ワシントンでの講演で、「景気拡大見 通しとそのリスクの最近の変化を考慮すると、一段の金融緩和が必要となる可 能性は十分にある」と言明。さらに、「景気てこ入れと下振れリスクに対する十 分な保険を提供するため、必要に応じて実効ある追加行動を取る用意がある」 と語った。

FRB議長の発言を受け、米金利先物市場では今月末の米連邦公開市場委 員会(FOMC)で政策金利が0.5ポイント引き下げられる確率が9割程度ま で織り込まれている。市場の「読み」通りに0.5ポイントの利下げが実施され た場合、米国の政策金利は3.75%となり、ECBの政策金利を下回る。

ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替営業部長の斉藤裕司氏は、バーナンキ 議長の発言を受けて、市場は完璧に0.5ポイントの利下げを織り込む格好とな り、ドルは弱いと指摘。「反対にECBの方はトリシェ総裁がタカ派的な発言を しており、とりあえず利下げはないという強い印象を受けた」として、素直に 金利差でいうと、ユーロ買い・ドル売りが進みやすいとみている。

ユーロ堅調、ドル・円もみ合い

欧米の政策金利が今月中にも逆転するとの観測が強まる中、前日の海外市 場では一時、1ユーロ=1.4814ドルと4日以来の水準までユーロ高・ドル安が 進行。その後もユーロは高値圏を維持しており、11日東京市場午前の取引では

1.4800ドルを挟んでもみ合う展開が続いている。

また、内外景気の先行き不透明感が強まり、日本の利上げの可能性が遠の く中、ユーロは対円でも上昇し、一時は1ユーロ=162円29銭と2日以来のユ ーロ高値を付ける場面も見られている。

一方、ドル・円は1ドル=109円台半ばから後半を中心にもみ合いが続いて いる。三菱UFJ信託銀行資金為替部の清水昭男グループマネージャーは、「き ょうは主だった経済指標もないので、日中は株価をにらんだ動きになる」とし た上で、来週に発表される米銀の決算内容次第では株価が再び波乱含みとなる 可能性があり、「ドルを大きく買い上げていくには材料不足で、来週以降は再度 ドル安方向に動く可能性が十分ある」とみている。

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