午前の日本株はじり安、業績不安の不動産や小売下げ-米決算警戒(2

午前の東京株式相場は続落。朝方は方向 感なく上下したが、10時半前からじりじりと値を切り下げた。来週から本格 化する米企業決算への警戒感を背景に、投資家は買いに慎重になっている。一 部の不動産ファンド企業が業績予想を大幅に下方修正したことで、連動的な売 りが同業を中心に不動産株に膨らんだ。今期業績の下方修正など悪材料の出た セブン&アイ・ホールディングス、J.フロントリテイリングなど主力小売株 にも売りが優勢となった。

日経平均株価の午前終値は前日比115円73銭(0.8%)安の1万4272円 38銭、TOPIXは同11.41ポイント(0.8%)安の1389.95。東証1部の売 買高は概算で11億3376万株、売買代金は同1兆4364億円。値下がり銘柄数 は1230、値上がりは373。東証業種別33指数では30業種が下落し、3業種が 上昇。

東洋証券の檜和田浩昭ストラテジストは、「シティグループなどに追加出 資の観測が出ており、米金融機関におけるサブプライム関連商品の評価損が一 段と膨らむとの警戒感が高まっている」ことが、さえない相場展開が続く背景 にあると指摘した。

前日の東京時間午後には、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ、 オンライン版)が、米大手金融機関のシティグループとメリルリンチが海外か らの追加出資を求めているとの報道が伝わった。両社は米住宅不況の影響で打 撃を受け、海外の投資家から数十億ドル規模の資金を受け入れたが、主に外国 政府からさらに出資を受ける方向で交渉していると同紙は報じている。

みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員・株式運用第2部長も、米金融機 関の決算発表を来週に控える中、「シティなどの追加損失額が予想以上に膨ら む可能性もあり、信用収縮懸念が再燃することも投資家の間では視野に入って いる」と話す。

一方、この日は日経225オプション1月限の特別清算値(SQ)算出日で、 SQ値は1万4355円5銭と、10日の日経平均株価の終値1万4388円11銭を 33円6銭下回った。大和証券SMBCなど複数の証券会社の調べによる。

J.フロントとコナカがストップ安

個別材料が出たところでは、「デニーズ」などのレストラン事業や米国コ ンビニエンスストア事業の低迷が響くとして、2008年2月通期の連結営業利 益予想を3000億円から2800億円に減額修正したセブン&アイ・ホールディン グスが6%超の続落、衣料品などの不振で08年2月期の連結営業利益予想を 424億円から390億円に8%減額したJ.フロントリテイリングは値幅制限い っぱいとなるストップ安。メリルリンチ日本証券が10日に投資判断を「中 立」に下げたコナカもストップ安。

みずほ投信の岡本氏は、ガソリン価格の高騰や、原料高に伴う食品値上げ などが消費者の防衛意識を高めていることから、「個人消費は当面厳しい情勢 が続くとみられ、小売株は当面軟調な展開を強いられそうだ」との見方を示し ていた。

不動産ファンド株が値下がり率上位に並ぶ

住友不動産が4%安と昨年来安値を更新するなど不動産株も下げが目立つ。 東証不動産株指数は、33ある東証業種別指数の中で値下がり率トップ。不動 産ファンドを運営する、大証ヘラクレス上場のアセットマネジャーズが今期 (08年2月期)の業績予想を大幅に下方修正したことで、東証1部の不動産 ファンド関連銘柄にも連想的な売りが広がっている。東証1部の値下がり率上 位には、クリード、パシフィックマネジメント、ケネディクス、アトリウムな どが並ぶ。

鉄鋼が堅調、松下電産は反発

半面、JFEホールディングスとIHIは年内にも造船事業を統合する方 向で交渉に入ったと11日付の日本経済新聞朝刊が伝えたことを受け、JFE HとIHIが上昇。鉄鋼株は、JFEH以外にも、新日本製鉄、住友金属工業、 神戸製鋼といった大手高炉株がそろって上昇しており、鉄鋼株指数は鉱業株指 数に次ぎ上昇率2位。

主力の半導体シリコンウエハーの需要が想定を上回り、2007年11月中間 期の単独税引き利益が22億9000万円と前年同期に比べ52%増えたと発表 (従来予想は19億円)した三益半導体工業は急伸し、東証1部の値上がり率 5位に入った。世界的企業を目指し「松下」の名前から決別、社名を10月に 「パナソニック」に変更すると宣言した松下電器産業は、野村証券金融経済研 究所からの格上げなどもあって反発。

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