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石原氏:米中は拝金主義、日本と世界に悪影響-インタビュー(2)

石原慎太郎東京都知事はブルームバーグ・ニ ュースのインタビューに応じ、米国と中国で市場原理万能の「拝金主義」の傾向 が強まっているとして痛烈に批判し、米中両国がこの価値観に基づいて関係を 深めることが日本を含む国際社会全体に悪影響を及ぼすとの見解を明らかにし た。

石原氏は9日に行ったインタビューで、「米国人と中国人の価値観が似ている のはジャスト・フォー・マネー(金目当て)ということだ。こういう人間たちが構成す る国家は非常にやっかいで、日本にとって非常に迷惑だ」と言明。「米国は日本 と中国のどちらを取るかというと、目先の利益のために中国に傾斜していくだろ う。それは世のためではなくて、世界全体にとってよくない」と語った。

テンプル大ジャパンキャンパスの現代日本研究所デイレクター、ロバート・デ ユジャリック氏は、「石原氏の見方は多くの日本人が感じている恐れだ」と指摘。 「すなわち米国と中国がアジアで主導権を握り日本が消極的な傍 観者になるの ではという恐れを反映している」とコメントした。

石原氏は日米関係について「日米安保条約は解消したほうがいい。地位協 定をきちんと作り直して、本当の意味で対等なものにしないといけない」との持論 を展開。「米国は日本が健全な軍事国家になるのを嫌い、中国も望まない。米 国と中国の利益が合致したときに日本の地位は極めて危うくなる」と語り、安全保 障分野で米中が接近する可能性にも強い懸念を示した。

また首都・東京の地位向上への課題に関して、石原氏は「日本はいろんな国 力を持っている。軍事力、経済力もそうだ。やはり技術力というものは、中国やイ ンドにはまだない。こういうものが文明を作っていく」と語り、日本の製造業などの 技術水準の高さを強調。「それを壊してしまうような拝金主義というマネーゲーム が世界に広がっていくと、米国は、日本だけでなく世界中でそういう企業をつぶ す引き金を引くのではないか。これは非常に迷惑だ」と語り、米国型の市場原理 主義の危うさに警鐘を鳴らした。

共和党支持を示唆-米大統領選

石原氏は、白熱してきた米大統領選挙の候補者選びに関して、「今までの日 米関係を考えると、共和党の方が日本にとってややリーズナブル(妥当)なスタン スを持っていた」と語り、与党の共和党を支持する姿勢をにじませた。

とりわけ注目が集まっている民主党の候補に関しては、「個人的な見解を言う と、大統領の奥さんが大統領になるのはおかしな話だ。ヒラリー・クリントン上院議 員はスタック・アップ(思い上がり)だと思う」と切り捨て、オバマ氏については「黒 人の血が混じった政治家が白人に支持され得るというのは、米国が開かれた国 の証左になる」とエールを送った。

その上で、自らが注力している地球温暖化対策の重要性を繰り返して強調す るとともに、米大統領選と絡めて主張を展開。「米国は京都議定書に入らない。 そして今度の大統領選で環境問題が論じられないのは非常に不思議だ。これが 米国の限界だ」と語り、大統領選の論戦に不満を示した。併せて、地球温暖化を 「食い止める意志を国民に訴える大統領が出てこない限り、非常に権力があり、 悪い意味で影響力がある米国が世界を滅ぼす」と主張した。

--共同取材:君塚靖、関口陶子 Editor:Hitoshi Sugimoto, Yoshito Okubo

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 山村敬一 Keiichi Yamamura +81-3-3201-8656 kyamamura@bloomberg.net 東京 坂巻幸子 Sachiko Sakamaki +81-3-3201-7298 Ssakamaki1@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net 香港 Anthony Spaeth +85-2-2977-6620 aspaeth@bloomberg.net

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